ヲ02年5月4日
木下牧子Homepage開設2周年
THANKS CONCERT

 会場 トッパンホール
写真館入り口

 当ホームページが2周年を迎えるのを機に、いつもHPをご覧頂いている皆さんに感謝の気持ちを込めてオフ会がわりの気軽なコンサートを開催しよう、と思い立ったのは昨年夏のことだった。当初は100人程度のホールでこじんまりやるつもりだったのだが、だんだん気が大きくなって、結局ホールは400人収容のトッパンホール、出演も大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団、ソプラノ佐竹由美(なおみ)さん、テノール辻秀幸さん、ピアノ白石光隆さんという錚々たる皆さんにお願いすることになった。

 ふつう作曲家が演奏会を開く場合は、新作を中心としたゲンダイオンガクの作品展であることが多い。ま、私も昨年はわりと重い作風のものばかり並べて作品展を開いたばかりだが、今回はいろいろなジャンルの作品からなるべくポピュラリティの高い曲を選んで、楽しめる演奏会にしようと考えた。しかし・・。楽しめる演奏会を作るというのは、じつは新作を並べたシリアスな演奏会よりある意味ずっと難しいということに、今回気付きましたね。演奏は誰にお願いするか、選曲は、曲順は、トークのタイミングは?などなど。気楽にやるつもりが、演奏会直前は作曲もせずコンサートの運び方ばかり考える羽目になった。何しろ主宰者なので、当日も司会、演奏のほかにいろいろやること山積みで大わらわ。マネージメントをはじめ大勢の方に支えていただいてなんとか無事に終えることができたのたっだ。
今回はいつもに増してお客さまの反応が暖かかったのにも本当に励まされた。

 プログラムは第一ステージ・無伴奏女声合唱、第二ステージ・歌曲(テノール独唱・ソプラノ独唱・デュエット)、第三ステージ・ピアノ・ソロ、そして第四ステージが無伴奏混声合唱という欲張ったもので、どのステージも実力派による余裕のある演奏となった。

 わざわざ大阪からお越し頂いた大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団は、期待どおりの素晴らしい演奏。特に無伴奏女声合唱『春二題』(島崎藤村の詩による2つの女声合唱曲・改題)より「あけぼの」「春は来ぬ」の繊細で密度の濃い演奏はさすが。混声は昨年リリースされたCD「祝福」の収録作品を中心に余裕のある表情豊かな演奏。アンコールで歌われた男声「ロマンチストの豚」の柔らかく洒落た表現がまた素晴らしかった。

 歌曲は辻秀幸氏の魅力溢れる「へびとりのうた」、佐竹由美さんのクリスタル・ヴォイスによる「六つの浪漫」、そしてお二人のデュエットによる「ふくろうとこねこ」というラインナップ。「へびとりのうた」は東京初演。自分で伴奏することにしたため、せっかくのお二人の名演奏をじっくり客席で聴けなかったのは残念だったが、素晴らしい歌手とご一緒できて幸せであった。

 ピアノは俊英、白石光隆氏の演奏で「9つのプレリュード」から4曲。力強いタッチと豊かな表現力が印象的であった。その浪漫的な演奏とご本人のひょうひょうとしたキャラクターの落差が・・。打ち上げでも小話を連発して場を盛り上げてくださったのだった。

 打ち上げといえば、思い付いたのが演奏会直前だったので、皆さんにご案内するのがコンサート終了時になってしまったたが、急な話にも関わらず、掲示板の常連の方が大勢参加してくださってとてもうれしかった。もっとも演奏会終了と同時に私の頭は電池切れで停止、打上げの席上ほとんど朦朧としてスピーチも空回りしてしまい申し訳ありませんでした。次の機会があったら、打ち上げまでエネルギーを蓄えておくようにしなくては。