「蜘蛛女のキス」 日本初演 

 

<1回目>

日 時 : 1996年 11月10日 (日) 12:30開場 / 13:00開演

場 所 : アートスフィア (品川区・天王洲アイル)

座 席 : 3階 C列22番(でも真中でした) → A席 ¥10000

<2回目>

日 時 : 1996年 11月15日 (金) 18:30開場 / 19:00開演

場 所 : アートスフィア (品川区・天王洲アイル)

座 席 : 1階 O列27番(初めての当日券!) → S席 ¥13000

 


 

初演を観ての感想 (1)

とにかく、なにもかも衝撃的でした。観る前あまりにも期待しなさすぎたのかもしれませんが(爆)あのときの感動は今でも忘れることができません。

1回目は大学時代の友人との観劇。まず、きれいで品のある劇場に感動したのを覚えてます。ただ、席がいくら階段を昇ってもたどり着けない(笑)何しろ3階席だったので、階段昇るのに疲れてしまったんですねえ。着いてみてその高さにちょっとびっくり。でも、評判通り舞台との距離はなくてオペラグラスなしでも充分堪能できるなあ、と思いました。
で、いよいよ始まり・・・
何といってもまず冒頭の幕の開き方から
ザーっと引き込まれました。もう、本当に胸の奥がビリビリとしびれるような感覚に陥ったんです。あんな舞台美術ははじめてみたのでなおさら衝撃を受けたのかもしれません。くいいるように観ていくと・・・
久々の宮川さんが登場!「ああ、なつかしや」などと呑気なことを思っていたのもつかの間、あの
迫力ある叫び声に圧倒、そして本当に久々に聞く宮川さんの初ナンバー「引くぞ、ライン」に今まで感じたことのないような感動を覚えました。なつかしい・・・どころか、何と素晴らしい歌声!に変化していく私(@_@) そして、市村さんの見事なオカマ役。しかも、単なるオカマじゃなく、なんだかひどく哀愁を背負っていて泣けました。
まず涙が出そうになったナンバーが
「DEAR ONE」。はじめてみたのであまり意味が分からなかったにもかかわらず、心の底からじわじわきて思わず落涙してしまいました。そうなんです、わたし話の内容もよくつかめなかったにもかかわらず、感涙してたんです(T_T)
最後まで分からなかったにもかかわらず、すばらしいと思わずにはいられなかったのが麻実れいさんのオーロラ&蜘蛛女でした。はじめはあまり麻実さんのことをよく思っていなかった(なんて失礼・・)のですが、その考えはあの舞台でイッキに吹っ飛びました!
なんて素晴らしいダンス!当日は「ブラボー!」の歓声が上がっていたほどです。いや、ホンとにブラボーでしたよ。
モリーナとヴァレンティンが徐々に心を通わせていくところも、細かな内容が分からないながらもとっても感動したのを覚えてます。基本的にいがみ合ってたふたりが和解していくってパターンのお話が好きなんですよねえ、わたし。このミュージカルはまさに
わたしのツボにはまった展開だったんです。何といっても市村さんの哀愁漂うモリーナには本当に泣かせていただきました。ヴァレンティンに自分の気持ちを分かってもらえない刹那さがひしひしと感じられるんです。かといって、はじめからくらい感じじゃなくてなんだかとっても親しみやすい。話が分からなくてもとにかく引き付けられる市村モリーナ。市村さんだからこそできるんでしょうねえ。
一番スケールの大きさを感じたのが宮川ヴァレンティンの
「その次の日」。なんとも表現しがたいのですが、今まで感じたことのない衝撃を受けたナンバーでした。気がつけば体中ゾクゾクしてて、しばらく動けなかったですね。「蜘蛛女のキス」を忘れられなくなった要因の一つは、確実にこのナンバーにあります。ここでも思わず涙でましたね。話の内容に感動したんじゃなくて、そのナンバー自体に衝撃受けて訳も分からないまま落涙したのを思い出します。。。
それにしても、あの
完璧なまでの舞台照明美術はまさに夢か幻かの世界。下手な舞台セットよりもずっとずっと素晴らしい物でした。色も鮮やかだし、なにより立体感がある!ラストのモリーナの映画館の照明美術を見た瞬間、周りの客席が見えなかったほど。あそこまで完璧な物は、もうないんじゃないかなあ。。。

と、話の内容がイマイチつかめなかったにもかかわらず、わたしは完全に蜘蛛女の巣にかかってしまったのでした(^^;) なんなんだろうか、このミュージカルのパワーって。劇場出た時もしばらく言葉が出なかったほど。わたしって感激しやすい質なんだろうか(笑)
ちなみに、この日の友人達と共通の感想は
「宮川さんも濃い役者だと思ってたけど、上には上がいるよねえ」(笑)なんだか、今から思うとすごい失礼なことをいってたような・・・(爆)

 

初演を観ての感想 (2)

本当は観にいく予定がなかったんです。でも、もうすぐ千秋楽だし次にいつ上演されるか分からない。何がなんでももう一度観たい!との思いが強まって、はじめて当日券並んでしまいました。もう、無我夢中状態(^^;)並んでいる人もかなり多くて、もしかしたら入れないかも・・・なんて不安もありましたが1階席を確保。値段が張ってましたけど、前よりも近くで見れる!ということで期待に胸膨らませてました。
座席についた瞬間から心臓がバクバクいってて、
「まだかな・・まだかな・・・」とドキドキ。観劇でこんな気持ちになったのも本当に初めての体験でした。このように、あまりにも興奮状態でしたので舞台内容の細かなことは残念ながらあまり覚えてないんです(爆) とにかく、すべてに感激。アートスフィアは劇場と客席が近いだけに、ますます心拍数が上がってしまって、観ていて涙目になってました。ダンスなどは、役者さん達の踏み出す舞台音が直に客席まで響いてきていたんです!これにはもう大感動!! 舞台を好きになって本当によかったと思った瞬間でした。それから、やっぱり圧倒されたのが宮川さんの「その次の日」。近かっただけに、前回の倍は感動してしまって、もう、涙でボロボロになってしまいました(;_;) ああ、なんなんだろうか、このパワーは・・・!!
そう言えば、この日はちょっとしたハプニングがありました。お母さん役の大方さんが「DEAR ONE」の出だしのところで声が出なかったんです。もう見ていてドキドキしましたが、皆さん何事もなかったかのように歌い上げてましたし、大方さんもその後はずっと普段通りの演技をしていらっしゃいました。すごい!さすがプロ!なんだか感動してしまいました。
カーテンコールでは
拍手の音がものすごかったのを覚えてます。誰も彼も手を上に挙げて大拍手。会社帰りか何かのサラリーマンらしき人たちまで夢中になって拍手していたのがとっても嬉しかったです。これまで聞いた中で一番すごい拍手だったかもしれません。舞台上の役者さん(特に麻実さん、市村さん、宮川さん)のとっても嬉しそうな表情は今でも忘れることができません。

 

初演は生オケだった

98年のツアーバージョンはカラオケ演奏でしたが、初演は生のオーケストラでした。そして舞台装置も全自動でした。今考えてみると、舞台全体のレベルで一番高かったのがこの初演だったのかもしれませんね。ただ、ツアーバージョンはセットはちょっと劣りますけど、役者さん一人一人のレベルがメチャクチャアップしてたので舞台の質はとても高かったと思います。これで生オケだったらなあ。日本最終(信じたくないけど)だったので、完璧な状態の「蜘蛛女のキス」が観たかったですね。再演の時は、もっとレベルアップしてるかな(もう、再演と決めてるけど・・本当に再演してくださあああい!!!!