2019.02.21
赤坂から地下鉄−JRで吉祥寺まで40分位だった。北の方向に商店街を歩くと、武蔵野市立吉祥寺美術館が見つかったが、まだ早かったので、そばのベンチで座って待った。一階の道路側にはムーミンスムーサーの店がある。7階に上がると美術館である。せせこましい感じではあるが、現代美術の趣味が良い感じ。岩本拓郎の大きな絵が10点位飾ってあったので、まずはそれらをじっくり見た。いずれもゆったりとした筆使いで、空間の生かし方や非対称性のとり方が上手い感じ。偶然性のようであって、偶然でない。長年の修練が手を自然に動かしてしまう、そんな感じがする。描く行為そのものが日常的な認知の枠組みとは全く異なる拓郎なりの世界の切り取り方、というか、世界との関係の結び方を表現してしまう。絵が見る者に共感を呼びかけている。この人も人に寄り添っていて欲しいのだと思う。企画展の方は、いつも FaceBook で見ている『今日の絵』からの抜粋であるが、実物を見ると絵具の盛り上がりが判って、指使いが想像されるので、リアリティが感じられる。目と指の絵具による即興演奏、といった感じ。なかなか面白い。

      常設されている感じの萩原英雄と浜口陽三の版画もなかなか良かった。帰りに浜口陽三・南圭子二人展の図録が半額になっていたので家内が買った。
 
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