2025.03.09
今日は東区民文化センター大ホールで、宮田大と大萩康司のデュオ演奏会があった。宮田大を最初に聴いたのは宇都宮であった学生音楽コンクール(1995年)で、彼は優勝した。お父さんが宇都宮音楽界のボスだったので、親の七光りという噂もあったが、技術的な破綻もなく、スケールの大きさを感じた。その後留学して腕を上げて、2009年のロストロポーヴィッチ国際コンクールで優勝。僕は、テレビで小澤征爾に「もっと大胆に自分を出しなさい」と教えられているところを観た。大萩康司とのデュオは2018年かららしい。今回は去年出したアルバム『atelier』の紹介ツアーだそうで、全国を飛び回っている。かなり評判が良くて、今日も満席だった。一応、曲目を書いておく。「オリエンタル」(グラナドス)、「モリコーネ・ファンタジー」(モリコーネ、加藤昌則編曲)、「パーク・オブ・アイドルズ」(ゴス)、「彼方の光」(村松崇継、角田隆太編曲)、「ブエノスアイレスの冬」(ピアソラ、角田隆太編曲)、「ケルト・スピリット」(加藤昌則)、アンコール:「映画・ポッポ屋のテーマ」(坂本龍一)、「ツカボローフェア」、他。「オリエンタル」と「ブエノスアイレスの冬」は最初のアルバム「Travelogue」からだそうである。多分CDに解説があるので、ここでは曲については書かない。
38歳にして、もう大家という感じになっていた。レジェンドとしてはピエール・フルニエとかヨー・ヨー・マとかを思わせる。美音系である。音色の多彩さと完ぺきな技術と表現力。しかも余裕を感じさせる。それぞれのフレーズで弾き方を変えていて、耳を惹きつけてしまう。曲目の紹介もなかなか面白かったし、曲調も多彩であったので楽しめた。「パーク・オブ・アイドルズ」の最初の曲の途中でチェロの糸が切れた。激しい演奏だったのではあるが、非常に稀な出来事。弦が飛ばなくて良かった。大萩康司は誰だったかフルートとのデュオで知っていた。いかにも精緻なギタリストらしい演奏。トークにはユーモアがあって、なかなか楽しかった。
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