2018.05.10
    録画してあったオペラ『松風』の東京公演(今年の2月)を観た。細川俊夫作曲で、サシャ・ヴァルツの振付演出。モダンダンスでオペラをやっている感じ。ダンサーの中に歌手が混じって一緒に踊っている。空中を舞う踊りが卓抜。音楽の方は例によって、自然音と楽音の連続化したもの。死に別れた在原行平への焦がれが嵩じて300年経っても成仏できない姉妹、松風と村雨の亡霊が須磨の海岸を訪れた僧に語る、その狂気の舞踊と歌。歌を聞いていて、中島みゆきの『うらみ・ます』とか『異国』を思い出した。情念としてはよく似ている。

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