2016.09.24

新聞に載っているのを見つけて、午後3時からの小坂哲也という人のフルート・リサイタルに行ってきた。エリザベト音大の卒業生で、直ぐにヨーロッパに留学してしばらくオケのメンバーとして活躍して日本に帰り、広島国際大学で音楽療法の教授になっている。東日本大震災のチャリティーリサイタルで今年が6回目。ピアニストの研井貴馨子は広島音楽高校からエリザベト音大に進み、やはりヨーロッパで活躍して帰国して、今は広島音楽高校の校長をしている。2人はルーマニアで知り合ったようである。

・・・今回はモーツァルト生誕260周年ということで、モーツァルトの小品が並んでいる。「アヴェ・ヴェルヌ・コルプス」「トルコ行進曲(ピアノ)」、J.アンデルセンによるモーツァルトの3大オペラの編曲集。「きらきら星の主題による変奏曲(ピアノ)」「ウィーン風ソナチネ第1番(原曲は木管四重奏)」「ロンドニ長調(原曲はバイオリン)」、モーツァルトの自称末っ子フランツ作の「ロンドホ短調」。アンコールはベルンハルト・フリース作曲の「モーツァルトの子守歌」と「ウィーン風ソナチネ」の最終楽章(テレビ番組で使われている)。

・・・演奏はいかにも現役引退した演奏家という感じで、手慣れている。結構ミスが多かったのだが、気にする様子もなく堂々と演奏しているのに感心した。そうそう、これでよいのだ。小坂さんのフルートは最初の方は何だか表情が乏しいなあ、という感じだったが、最後の方になると生き生きとしてきて、現役時代はこんな感じだったのだろうと思った。研井さんのは校長先生という感じで自信満々。要するに2人ともあまり出来栄えなど気にせず、自然体で演奏している。

・・・曲として良いなあ、と思ったのは「アヴェ・ヴェルヌ・コルプス」。やはり美しい。オペラ編曲では「魔笛」がなかなか良かった。「ウィーン風ソナチネ第1番」も印象的。フルートとピアノに編曲した筈なのに、いかにも木管合奏の感じがして、木管用の和音の作り方があるんだなあ、と思った。フランツ・モーツァルトの曲は確かに華やかで楽しい曲である。

・・・熊本地震被災者に寄付するというので、CDも買った。童謡・唱歌集である。原曲の調でほとんど原曲のまま吹いていて、最後の4曲だけが和風の新曲である。丁寧な吹き方で好感が持てる。睡眠用に丁度良い。

・・・帰りに女学院の前に出来たドイツパン屋(ベックライ・ベック)に寄って硬いパンを買って帰った。
 
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