2017.03.21

夕方、中国フルート友の会主催の「ユルゲン・フランツ フルートリサイタル」を聞きにエリザベト音大まで出かけた。久しぶりに本物の演奏を聞いた感があった。テクニックは勿論であるが、音の作り込みが凄い。どの曲も新鮮な感動があった。こういうのは素人の参考にはならないという感じではあるが、一つだけ学ぶとすれば、やはり音作り。音の膨らませ方や萎ませ方、音が消え入るまで音程が下がらない。クレッシェンドした直後にピアノで入るところの何とも言えない表情、すっとかわされる感じ。一朝一夕にできる技ではないが、やはり日頃から注意深く意識して積み上げれば、多少は違ってくるのではないだろうか、と大いに反省した。僕が学生の頃よく聞いていたマクサンス・ラリューやジェイムズ・ゴーウェイに師事しているということで、確かにそれを思わせるようなところもあった。ピアノの蒲生祥子もなかなか良かった。

      曲は、J.M.ルクレールのソナタト長調 op.9-7、Fr.プーランクのフルートとピアノの為のソナタ、C.ライネッケのソナタ「ウンディーネ」 op.167、W.ギーゼキングのソナチネ、J.S.バッハのソナタホ長調BWV1035、P.タファネルの魔弾の射手によるファンタジー、アンコールはマックス・レーガーのフルートとピアノの為のロマンス。
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