2018.01.23
      今日は夕方段原のイオンシネマで『ゴッホ−最期の手紙』という映画を見てきた。雪がちらついていたので、JRとバスで乗り継いだら、1時間半程度かかった。

      映画はゴッホの死の真相を探るという流れになっている。探偵は郵便配達夫の息子で、ゴッホが出し忘れていたテオへの手紙を届ける為に、パリに行くのだが、既にテオは死んでいたので、ゴッホが晩年世話になった医師を訪ねるのである。そこで、ゴッホと関わった様々な人々の虚実取り混ぜた話を聞いて、最後に確信に至る。

      これは映画ではあるが、全部油絵で描かれている。画家が100人位参加したそうである。ゴッホの残した人物画に出てくる人々がそのまま俳優になっているし、風景もゴッホの描いた絵である。勿論ゴッホの絵は静止画なので、それを動画にするために、ゴッホの筆致を再現できる画家が参加したというわけである。

      話の展開につれて関係者達のゴッホへの関わり方が露わになっていくのが興味深い。結局のところゴッホは医師に痛い処を突かれて、つまり、自分の絵描き生活が弟の人生を壊していると言われて、絶望的な気分に陥り、折しも銃を入手して遊んでいた若い男の銃で腹を撃った。ただ、自殺で腹を撃つだろうか、という疑問もあり、若い男との争いの中でその男が銃を撃ったのではないか、と思われる。ともあれ、ゴッホは最後まで自殺であると言って死んだ。ただ、死ぬまでに2日かかっており、その間に医師が手術をすることもできたのに、何もしなかった。医師は画家を目指して挫折して医者になったという経歴があって、ゴッホに対しては屈折した気持ちを抱いていたようである。実質的な犯人は私だ、とも言っている。原作があるとすれば、それを読んでみたくなった。
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