2018.04.20
    アレクシェーヴィチの作品を紹介した番組『ロシア 小さき人々の記録』(2016.04.22)を見た。歴史の中で翻弄された人々の証言。衝撃的。。。いまだに汚染地区での生活がある。村人の子供はCs237を蓄積し続けている。自家製の牛乳が無くては生きていけないのである。最後のエピソードはチェチェン紛争に駆り出される兵士の母親。兵士の恋人が脱走を手配して、兵士の母親の会に渡す。彼女達は部隊での暴力行為によって兵士が精神異常になったとして、除隊を申請する。NHKの要約を引用しておく。−−

***ベラルーシ共和国(旧ソビエト連邦の西の端・ポーランド国境地帯 現・独立国家共同体=CIS)の記録作家 スベトラーナ・アレクシエービッチ。彼女の取材拠点・ベラルーシは、独ソ戦(第2次世界大戦 1941〜45)で凄惨な地上戦の舞台となり、住民の4人に1人が犠牲となった地であり、また、アフガン戦争(1979〜89)、チェルノブイリ原発事故(1986)においても最大の被害を受けた地である。アレクシエービッチは、我がこととして起こったこれらの事件事故の裏側に生きた人々の声なき声を拾い集め、連邦崩壊前から現在に至るまでのおよそ20年間、記録文学(証言集)を発表しつづけて来た。独ソ戦における女性兵士や殺戮を目撃した子供たちの生々しい告白、アフガンから帰還して殺人を犯した兵士と母親、連邦崩壊に絶望して自殺した元共産党員、放射能汚染地帯に暮らす逃げ場のない子供たち。これらはいづれも記録しなければ永遠に国家の歴史の闇に消えてゆく声であり、「小さき人々」である。国家の作る「神話」のタブーに触れた彼女の著作は、出版禁止にされるなど様々な弾圧を受けてきたが、屈することはなかった。連邦崩壊から10年、今、人々に変化が起こりつつある。「小さき人々」は、ようやく「私」「僕」という1人称で自分のことを語り始めた。彼らの言葉は、過去を語るが、未来への言葉として記録しているとアレクシエービッチは考えている。現代ロシアのどん底から、愛と哀しみに満ちた声が甦ってくる。***
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