紫が仮説に基づく計算である。東京圏解析の論文で、感染力だけを1.5倍（R0を1.5倍）にして、他は2020年の3-7月と同じ条件でやってみた。感染者数が全人口 66,000,000人 に対して無視できなくなるので、新たに未感染者数を未知数として入れた。第１波は緊急事態宣言レベルの対策では終息せず、プラトーのままである。６月に自粛が緩むや否や感染が急激に拡大し、７月に人口の2/3が感染して、やっと回復傾向に変わる。かなりの死者が出るだろう。オリンピックは『生き残った人達』でやることになる。
下の3本が2020年のデータで、上の3本が感染力1.5倍。COVID-19では発症日付近で２次感染が起きるから、そこから潜伏期間だけ経過して次の発症が起きる。だから、日々の新規感染者数（ΔQ)について、本来は generation time（１次感染と２次感染の間）であるが、潜伏期間だけずらしてその比を取れば、ほぼ実効再生産数になる。つまり、ΔQの自然対数の時間微分（感染拡大係数）×潜伏期間を計算して、指数関数を取れば実効再生産数が概算できる。（これは勿論、感染時を考えれば、公表日よりも潜伏期間＋発症から検査までの期間だけ前の値である。およそ５日＋５日で１０日位前となるが、検査が早ければ短くなる。）イギリスの12月の感染状況はエクセルの近似直線機能を使うと、λ=0.05/days。11月は λ=-0.05/days。東京の12月は λ=0.031/days である。潜伏期間を5日として、実効再生産数を見積もると、exp(5λ)=1.28,0.77,1.17。確かに、イギリスで11月から12月へと実効再生産数は 1.66 倍になっているから、新種のウイルスの感染力は高い。イギリスの11月が日本と同じ旧種ウイルスとするとイギリスは日本に比べて 感染係数を 0.77/1.17＝0.67 倍にして頑張っていることになるが、これでも感染状況は日本に比べて厳しくなっていることが判る。
*はまだ日数が足りない為に小さい。 来年の日本を考える上で、イギリスの状況は参考になる。wikidipedia に timeline of the COVID-19 pandemic という項目があって、各国のコロナ対策の経緯がまとめられている。イギリスでは10月14日から行動制限を３段階に整理して、各地域の状況に応じて適用し始めた。長期的にコロナと共存する為である。しかし11月に感染拡大が起こり、12月2日までのロックダウンを適用した。一旦収めたが、終了後のロンドンと東部における感染拡大（新種らしい）に直面して、12月14日から第三段階を適用し、更に、12月19日に第４段階の制限を設けた。これはほぼ11月のロックダウンに近いらしい。30日にはその範囲が拡げられた。いわばロックダウンの日常化である。しかし、それでも今回の新種は抑制できそうにない、というのが数理モデルの結果である。更に厳しい第５段階が検討されている。
https://www.theguardian.com/world/2020/dec/29/scientists-warn-tier-4-not-enough-to-control-covid-in-england