ノルウェーのヒュレスタッドにあったスターブ教会にあった柱にはシグルズル伝説を物語るレリーフが彫られていました。
右の柱は一番下から始まります。
レギンは名剣グラムルをかけらから元の剣に戻そうとし
シグルズルにふいごを吹かせて高熱で剣を鍛えています
二段目は、シグルズル(ひげがないので若いことがわかります)が
折れた剣の柄を握っているのがわかりますね。
その上はシグルズルが竜と戦っている場面。剣が刺し貫いています
左の柱も一番下から見ていきます。
レギンとシグルズルは竜の肉を食べようとして、シグルズルが焼いています
シグルズルは肉の焼け具合を見るために血をなめてしまいます。
彼の上には小鳥が樹にとまっていて
レギンがシグルズルを殺そうとしていることを語っているのです
竜の血をなめたことで鳥の言葉が分かるようになったシグルズルは
中段にあるように、養父レギンを殺してしまうのです
そのときにレギンの口から呪いの言葉が出ているのがわかります
最上段は、シグルズルではなく、その義兄グンナルです
手は縛られいますが足で竪琴を奏でていますね
グンナルを暗殺するために牢に入ってきた蛇はみな、
その竪琴の音に眠ってしまうのですが、ただ一匹、大きな蛇は
眠りにつかず、グンナルの心臓に噛み付き、彼を絶命させるのです。
エッダ詩(古『エッダ』)の「オッドルーンの嘆き」には、
その蛇は、グンナルを捕らえたフン族のアトリ王の母親が姿を変えたもの、
と語られています(残念ながら、アトリ王の母親の名前は分かりません)。