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2005年5月18日

 新宿にて、いぬのえいが、ハイドアンドシーク/暗闇のかくれんぼ、ラーメンの後、インファナルアフェアIII、渋谷に回って、コーヒー&シガレッツ。
 私の今の職場では、日曜から土曜のサイクルの中で2日休めるのですが、今週は本日水曜と土曜が休みになっちゃったのです。今週終わる映画は今日迄に見なければならなかったのが、全て入るように、上手くシフトを組めて良かった! 映画館や美術館に籠る休日には疲れてしまい、仕事に行って疲れを取る、という日々が続いている私でありました(^ ^)

 いぬのえいが、まあ……。オムニバスですが、例えば『JamFilms』などと比べると、それぞれの作品世界に独自感が余りなくって……。それに、シドウ君の話から次に続いた時は、連続感あるオムニバスかと思ったけど、中盤以降はそうでもなかったですね。でもまあ、リリィちゃんのヤツとかあんこパンとか、そこそこ楽しんで見てたかな。それにしても、豪華出演陣でしたね。

 ハイドアンドシーク/暗闇のかくれんぼ、いつものように「まずまずでした」と書きたいのですが、ご免なさい、正直、ちょいと今一つでしたか……。
 何より気になったのが、『シャイニング』を下敷きにしている点。特に、ドアを壊して窓から逃げるところや、夢(幻想?)の中に出てくるきらびやかなパーティシーンなどは、リメイクという雰囲気すらありました。しかし、芸術性や、作品世界の作り上げ方が全く違うので、ウーンと首を傾げながら見てしまいましたね。こういう風に、昔の傑作をそれと分かるように使う時は、かなり注意して貰わないと……。
 もう一つ、予告編を見て「これはデニーロの二重人格かな?」と予想がついていたのですが、全くそのままで、余り工夫がなかったのが今一つでした。しかもチャーリーの方の演じ方が、私は多分、『シャイニング』のジャックニコルソン宜しく、猟奇的に異常な性格を我が侭な子供っぽく演じてくれるのかな、真実が分かった時にそんな演じ方でダコタファニングとじゃれる回想シーンが入ってくるのかな、と思っていたのですが、それがなく、普通の父親のままだったのが、何だか残念でした。
 しかし、何かありそうだと思わせる、風呂場で死んでいる迄の冒頭のシーンの編集辺りは中々でした、上手く引き込まれました。すぐお湯が湧いていたり手のシミを拭き取ったりする、思わせぶりなシーンもまずまずでしたね。最後迄集中して見れました。

 インファナルアフェアIII、ウーン、こちらも正直に言いますが、実は私はこのシリーズ、上手く入り込めないまま今に至っているところがあるんです……。過去と現在を行き来しつつ、お話を進めて行くのは良いのですが、若い時を演じる役者さんが別にいたり、強烈な印象のイメージシーンが時々挿入されたりして、却ってストーリーをゴチャゴチャにしているようで……。
 しかし、警察とマフィアがそれぞれスパイを潜入させ、お互いの友情や疑惑が入り交じりながら進んでいく展開は、まあ毎回面白く見ています。ガラス張りの部屋とか、広々とした清潔感ある雰囲気で統一された演出も、中々ですね。トニーレオンが相変わらず男前振りを発揮して、ラウもまずまず。今回は、エリート警官もいい味出してました。でも私は歳食ったサムとウォンの方が、役者としては好きなので、IIの方が良かったかな、というのが、最終的な感想でした……。

 コーヒー&シガレッツ、今日イチでした。ジャームッシュの威力なのか、終了直前の安く入れる水曜だからか、シネセゾンに良く入ってましたね、立ち見でした。
 『10ミニッツオールダー』を除けば、『ゴーストドッグ』以来なんですね、久々のジャームッシュ、堪能してきました。開場前のアナウンスで知りましたが、18年撮り溜めたショートフィルムの集大成だそうで……。大掛かりなセットやカメラワークを使ったり、大きなどんでん返しがあったり、という訳じゃないけど、一作ごとに味わいがあって、うーん、秀逸でした。最初の歯医者を代わる話、ビルマレーがとぼけた味を出す話、一人二役のブランシェットの話、『24Hours Party People』の彼の話などは、特に良かったですね。黒人二人で何かあったのかと心配する話や、ミュージシャン二人の話、テスラコイルの話、こまっしゃくれた子供ツインズの話なども面白かった(結局全部良かったんじゃないの?(^ ^))。しかしこうして思い返してみると、ホントにほとんど全部印象に残ってますね、自分でも驚くくらい……。
 以前、『パーマネントバケーション』ではドップラー効果の話がありましたね、今度は共鳴ですか……、ジャームッシュはこういうのが好きなんですね(^ ^) それから、音楽と医学を共通するものとして捉える辺り、彼の人生観がにじみ出ていますね、面白かったです。タバコやめたから堂々と吸っていいんだとか、今から番号を教えるのは失礼かなとか、ユーモアも良かった。
 シネセゾンの表には灰皿があるので、そこで1本吸って、余韻を楽しんでから帰ってきました(^ ^)