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本日、隠し剣鬼の爪、血と骨、嗚呼一軒家プロレス。
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隠し剣、私はセイベイより良かった印象だ。特に、「鬼の爪ってどんな剣なんだろう?」と興味を抱かせて見ている人を引っ張っていき、最後にそれを胸の好く形で解決してくれるホンは絶品かと思う。ちょっと卑怯な(?)もう一つの剣と併せ、剣の描き方もまずまず。好きな娘と、思い切った大転換で一緒になるハッピーエンドも良い! 永瀬も松も良かった、この二人、本作が今までで一番良いのではないか? 江戸時代の地方の武士の日常を描いているのは、黒澤が「お城勤めの武士の一日の生活を調べても資料がなくて分からない」と言っていたのを思い出す、山田洋次は結構黒澤を意識していると思う。「雨あがる」を見た時思ったが、黒澤が三船に出会わなかったらこういう映画を撮っていたろうなあと思う時代劇を、最近の日本映画では良く見るような気がする。しかし、黒澤は「時代劇を撮る時、電線が映っちゃうので困る」と言っていたが、今ではCGで消せるんだよね、本作ではどの程度、そういうCGを使ったんだろう、絶対使っているはずだと思うのだが(これも、CGの正しい使い方の一つである)。殺される方はほたるの星の先生だね、久し振りだった。松田君も、声優さんじゃない出演は久々じゃないか?(^ ^)
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血と骨、自分勝手で暴力的で強欲で、しかしそれでいて一本筋が通っていて責任感(?)もある無茶苦茶な親父を演じたたけしは、中々の怪演である。しかし、「血は母より、骨は父より受け継ぐ」という宣伝文句から言えば、お母さんの鈴木京香の書き方が不足しているのではないかと思うのだが……、それが最大の残念事項だった。サイ監督の特徴として、比較的限られた空間を綿密に描くというのが得意なような気がするが(刑務所の中とか)、本作は「家族」に引っ張られていて、例えば韓国人集落の雰囲気という点では「夜を賭けて」の方が良いし、蒲鉾工場の描き方という点では寅さんシリーズの方が良い、ちょっと中途半端なところがあるような気がした。でも、たけしが自転車で街を流して方々から挨拶される辺り、ゴッドファーザーパートIIなども連想したな。R15だそうだけど、濱田マリの捌けた女性の演技は面白かった。しかし女性陣のあの髪型、懐かしかったな(^ ^) ちびまるこちゃんのお母さんの髪型だよね?
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一軒家プロレス、これはキルビルの功罪かね? まあ、時々はこういう映画も見ねばならんかと思う、そういう思いで見に行く映画ですな。残虐な描写などは、私みたいな映画ファンはもう慣れっこになっている訳ですから、一生懸命やって下されと思いながら見たが……、しかし最近プロレス関連の映画が多いが、ある種自虐的なエンターテイメントだよなあ。でも一言言いたい、ストーリーはあるじゃん! 宣伝と違うぞ、ホントにストーリーがないのを期待して行ったのに……(^ ^)。主役の男優(の演技)は言語道断だ、もちょっと何とかならんかったかと思うが、佐野は良かったね、こちらは宣伝通り。しかし、どちらがソニンでどちらがユンソナか判らない私でありました(^ ^)