ニュース

制憲議会における女性のクォーター制、国民参議会で否決


 3月の外務省「紛争予防シンポジウム」に国民参議会副議長ミレーナ・ピレスは参加できなかった。ちょうどその時期、国民参議会で制憲議会における女性のクォーター制(女性議員の割合を最低3分の1確保する方法)の採決が行なわれたからだ。

 しかし、その結果は予期せぬ「否決」だった。これまで採決は二度されており、いずれも賛成派が多数だった。しかし最終セッションで形勢は逆転し、ETWAVE(女性への暴力に反対する東ティモール人女性の会)のオランディーナ・アルベスによると33名の議員の内、賛成はたった7名で、しかも女性議員で賛成したのはミレーナ・ピレスだけ。ミレーナは諸女性団体の代表として議員となっていた。賛成した6名の男性議員は、シャナナと社民党のアジオ・ペレイラ、それにロスパロスとエルメラの県代表などだ。積極的に反対したのは社会党のアベリーノ・コエーリョ、そして1975年にOPMT(ティモール女性組織)を設立した東ティモール独立革命戦線も反対にまわった。

 今回の「流産」を知り政党・政治組織でない女性NGOには衝撃が走った。それは、このクォーター制は昨年6月の「東ティモール全国女性会議」において決議され、女性の政治参加に関する一致した獲得目標になっていたからだ。もちろんこの種のアファーマティブアクションには反対論もある。しかし女性団体は多くの議論をへて合意に達していた。国連は女性会議の決定を尊重し、昨年8月に国民参議会を設立する際、議員の3分の1を女性にした。その後、国連選挙部は公平の原則を掲げてクォーター制に反対した。しかし、このシステムは第四回国連世界女性会議「行動綱領」にもうたわれている。この時期、国連人権高等弁務官や国連女性の地位向上委員会が国連が国連の努力目標を無視してよいのかと声をあげた。国連選挙部はしぶしぶ態度を変えた。後は東ティモール人自身の決定を待つのみだった。

 問題は、昨年の女性会議でクォーター制に賛成した政党・組織の代表が今回反対にまわったことだ。女性会議の後、東ティモールの主要な女性団体はREDEという連合をつくり、さまざまな課題に関する議論を積み重ねてきた。REDEはこのクォーター制を支持する声明を掲げた。なぜ女性の連合は政党政治に敗北したのか。続く。(古沢)


3号の目次に戻る


情報活動ホーム