三菱 ニューエアロバス(2)
2001年11月納入〜

5年ぶりの三菱車導入
1996年11月から2001年まではユーロツアー以来日産車が整備の効率化などの理由から集中導入されていたリムジンバスだが、6年振りとなる2001年に日産に加え、三菱ニューエアロバス(L21-26,L635-639)・日野セレガR(L694-695)が導入され周囲を驚かせた。

その後も2002年に3台のエアロバス(L537-539)が導入された後、2003年から三菱エアロバスも日産・西工スペースアローとともに大量に導入されることになり、1990年前に導入されていた成田線用の初代エアロバスやブルーリボンと入替になった。


2001年11月に突如路線車で導入された三菱車のニューエアロバス(52席)は、バンパー色がオレンジ一色になりコーポレートカラーを前面に出す塗装となり、日産だけでなく三菱・日野車も導入されたことから、リムジンバスの新たな時代の幕開けを感じさせる車両となった。(「日産以外」「オレンジバンパー」と2つのサプライズとなった。)

M86ニューエアロバスの中で、2001年7月に先行で導入された貸切車(L21-26)は黒バンパーだったが、内外装時にオレンジバンパーに変更をされた。この貸切車のL21号車は2013年8月に東京シャトル運行目的で営業運転を始めたLPSに転属をし、水色の塗装に変更され話題となった。

三菱車が所沢線を皮切りに羽田線運用に投入
この2001年11月導入のL635-639は当初昭和島所属の本線運用(成田行路)で使用されていたが、L638-639が所沢(2001.12.18)、637が高尾(2002.11.23)、最後に635-636(2003.12)が四街道開業時にそれぞれ平和島(流通センター)に転属となり、それなりの期間ダイヤ張り付きで活躍をした。当時の流通は日産車ばかりで非常に目立つ存在であった。
リムジンバスでは当時成田線でしか乗れなかったエアロバスが張り付いた所沢線は当時路線拡大していた羽田発各路線の中でも羨ましい存在であった。(当初2往復だった所沢線はこの期待に応え、その後大幅増便となった)
このL638,L639も所沢線の大幅増便後の2004年以降は所沢線からも離れ遠距離路線にも良く投入されていた。

KL代ニューエアロバスは成田本線用で本格投入
2002年から2004年まで導入された車両は42人乗りの補助席なしのため、その後も成田線を中心に活躍をしている。
当時L226,L227は「でこっぱち」から成田〜熊谷・伊勢崎線の専用車の座を引継ぎ運行されていた。
成田線では同時期に導入された西工スペースアローよりも遠距離路線に入ることが多く、八王子、立川、多摩、調布、吉祥寺、草加、伊勢崎・熊谷などにはエアロエースが導入される2008年頃まで良く投入されていた。なかでも成田〜八王子線は38席ゆったりシートが売りになっていたが、このKL代のニューエアロバスの投入でなし崩し的に42席車になってしまった。

2006〜07年は同じ外見のニューエアロバスだが最終形式になるPJエアロが導入されている。この車両はエンジンはこの後デビューするエアロエース同等のため、外見はニューエアロ、中身はエアロエースといっても過言ではなく、エアロエース登場前の準備的車両とも言われている
PJエアロはグリーンガラスが採用されなかったため、外見のガラスの色で区別がつく。

羽田〜八王子・高尾線で予約による座席指定が始まった際、L633(R5)、681-684(R2)に加え、L635もその車両に選ばれ、各座席に座席番号がふられた。

2速から「のびのある」3速にかけ特徴的なエンジン音の車両で、車両前方では4速以降ではクルージング時の走行音が極めて静か、乗り心地もまさにエアサスという感じで振動が少なく他車種と比べて良い車両と言える。

導入車両(導入時社番)は57両。路線車両はトイレ付グリーンガラスの仕様。

2019年12月に最後の路線車L209が離脱となり、LPSで青色リムジンの訓練車で活躍したLP10も同時期に離脱し、貸切車を残すのみとなった。


21,22,23,24,25,26(平和島貸切6)
635,636,637,638,639,537,538,539,
540,541,542,543,550,551,552,553,613,614,566,567(昭和島20)
313,314,315,325,326,327(箱崎6)
209,210,219,220,221,222,223,,226,227,228,
229,230,236,247,248,249,287,288,289(大栄19)
101,102,113,114,115,116(大栄貸切6)

(KL-MS86MP)

限定(路線)に久々に納入された三菱車のニューエアロ。
2001年11月納入車からはR5・FDともバンパーがオレンジになった
このL638とL639は昭和島車庫で成田線用に導入後、所沢線開業時の2011.12に平和島事業所へ転属し運賃箱を設置。
成田での638の活躍は所沢線開業までの1ヶ月間みられた。写真は昭和島のDダイヤ運用に入っていた納車直後のL638。朝NRTからHNDへ戻る運用。

品川200か504
638-11152M86
 
所沢線開業による流通転属で所沢線専属になっていたL638-639だが、その後L635-639は羽田〜地方路線に充当されるようになった。
開業時の所沢線はHND-TDR2往復後、HND20:35/21:35〜所沢(泊)所沢〜HNDという運用で組まれ、所沢初日は、前日の夜葛西増便をこなしたあと、加平から所沢へ向かい開業初日の運用に備えた。所沢線は2003.3.16に4往復体制(LM2往復)から大幅増便になるまでこの運用専属となっていた。
正面はオレンジバンパーになったが、リアは白バンパーになった。

品川200か505
639-11152M86

 2013年10月頃より、11152M86のエアロバス一次車は地方運用から順次抜け、成田本線運用に入るようにもなり、導入初期以来久しぶりに成田にも顔を見せるようになった。
廃車直前の2016.1には、奇跡的に吉祥寺線ダイヤにも投入(写真)。
2013年10月以降は本線を始め、様々な路線で最後の活躍をみせた。
廃車直前だが外観はまだまだきれい。


品川200か505
639-11152M86
吉祥寺駅
L635-639は補助席付という点と椅子のカラーが2002年以降導入車両とは異なる(2002年より椅子のカラーが変更になったため)
M86はリアのウィンドーが思った以上に大きく明るい。
補助席にはリクボタン(白い部分)というリクライニングのボタンを示す案内がついている。

品川200か502
636-11152M86
 
 後方から見たニューエアロバス。
LEDの上部にあるピクトグラムは後付で、当初はエアロバス純正のピクトグラムが埋め込まれていたが、その上に新たなピクトグラムが貼り付けられた。
直結エアコンの部分にも照明を配置出来ているのがエアロバスの特徴。

品川200か502
636-11152M86
 
新旧のエアロバスの塗装の違いがわかる。
エアロバスの第1ロット車両は、L638-L639に続き、L637が高尾開業、L635-636が四街道開業に伴い昭和島から平和島(流通センター)に転属となり、羽田線の運用についている。
これにより補助席付のエアロバスは昭和島からいなくなった。

前が品川200か501
(635-11152M86)
 TCATドーム線
後方は品川22か5731
(503-50738M6)

2002年にも西工スペースアローのL535-536
とセットで3台のニューエアロが10月下旬に納車(L537-539)。
今度は補助席なしの42人乗り。
シートモケットが2002年から変更になった。

品川200か711
538-21042M86

2003年は排ガス規制の影響もあり、車両の代替が多くあった。
2月から7月まで補助席なしの42人乗り車両が箱崎・大栄を含め大量導入された。
箱崎・大栄では久々の新車となった。
当時は箱崎事業所の成田線車両(300番台)は乗務員は箱崎・車両は大栄という扱いだったため、箱崎に常駐はしているものの千葉ナンバーだったが2004年7月or8月頃から順次品川ナンバーに変更された。



千葉200か839
325-30242M86
 
2003年の大量導入で大栄事業所のダイヤでは長距離便にデコに変わり新車が充当されるようになった。
これ以降エアロエース導入まで、多摩センター・調布・新越谷・伊勢崎便はほとんどM86かR5(西工)で運用され続けた。(八王子にも充当されるが、こちらは38人車が優先されていた。)
L226・227はR5のL260に変わり熊谷・伊勢崎方面に、吉祥寺はL228・L229が集中的に充当された。
写真は草加・新越谷行


千葉200か965
236-30742M86
公式側のリア。車両は成田空港から出発するL248の朝霞台・志木方面

千葉200か977
248-30742M86
 
エアロバス(ニューエアロ)の車内。
グリーンガラスが採用されたため、車内の写真は青みががってしまう。
東京空港交通の路線のエアロバスではトイレは全車に装備。補助席はL635-639の5台のみに設置され、シートモケット色も写真とは異なる。

品川200か859
544-30442M86
エアロバスのコクピット。
以前のエアロバスから変わらないのが特徴。
左のモニタはバックアイで右側が音声合成操作用。
音声合成装置は途中から液晶式に交換された。
三菱エアロバスには三菱重工製のエアコンが装備。
イマイチ効きが良くない。
DENSO製と違い、オートエアコンでなく冷房と暖房が別装置となっている。
循環式のトイレが装備されているL219。
エアロバスは全車トイレ装備なのも特徴。
廃車を数日後に向かえるL209は羽田池袋の枝線ダイヤに充当。(2019年12月)
池袋駅西口を出発し、国際興業のターミナルへと向かうシーン。
L209の2019年後半は導入時を懐かしむように大栄担当の遠距離にも充当。僚友のL209ともども大車輪の活躍をみせた。。

千葉200か1197
209-40742M86