三菱FUSO エアロバス(PJ-MS86JP)

2002年から2004年7月までは東京空港交通では日産・三菱・日野の各メーカーのバスが採用されたが、2005年11月からは尿素SCRを搭載したATの日産スペースアローが採用され、昭和島車庫には尿素スタンド(尿素水供給機)までも設置されたことから、再び東京空港交通の導入車両が日産に集中するかと思っていたところ、突如PJエアロが導入された。
2005年10月12日に発表されたエアロバスは新短期排出ガス規制適合、超低PM車認定制度適合の低燃費・環境・動力性能に優れた直結6気筒インタークーラーターボエンジンを採用。
従来のV8からV6エンジンに変わり、エンジン音もこの後に登場するエアロエースと同じ音となっていることからもわかるように、外見こそニューエアロバスだが、中身はエアロエースといっても過言ではない。
2005年から導入が始まった、新スペースアロー(尿素)に比べ、短期規制というのが欠点だが、オートマの新スペースアローに対し、多くの乗務員が慣れているマニュアルトランスミッションが選択できるメリットはあった。

運転面では坂道発進補助装置「EZGO」(イージーゴー)が標準仕様となり、リムジンバスの車両にも装備された。この装置は車両が停止するとブレーキペダルから足をはなしても停止状態になる機能で、万が一動いてしまった場合はサービスブレーキもかかる機能もありドライバーの負荷軽減につながっている。車両には「作動するかしないか」と「早く・遅く作動」の2つのスイッチがある。
また、セレガRでは既に2003年から標準化されているが、ニーズが高まってきた「直結冷房」のエアポートライナー仕様のバスが標準化された。

外見面ではリアは2006年1月からの灯火器規制に適合し、ブレーキランプの位置が下方に移ったが、従来のブレーキランプの部分も残っているため、紛らわしい感じになっている。
M86エアロでは採用され続けた客席窓のグリーングラスは採用されなくなった。
車内ではエアロバスでは初めて液晶モニタが設置された。

導入は2006年7月と2007年4月のみ。当初尿素供給機が昭和島しか設置されていなかったため、大栄と箱崎(成田線)のみに導入されたのが珍しい。このような事情から、全車補助席なしの仕様で成田線用として運用された。

2008.7.16開業の成田〜朝霞台・志木・ふじみ野線には全3運用とも2007年4月導入のPJエアロが専属で投入され、栄えある第一便にはL216が充当され、約1年程度はL215-217あたりの車両が投入されていた。
2013.7.16の深夜(実際は17)から期間限定で運行を開始した品川〜成田空港の深夜便にもL216が充当された。
2017年に入ると、箱崎のL301,L302は羽田線運用で使われることもでてきた。

導入車両は10両。
260,261,262,214,215,216,217,218(大栄)
301,302(箱崎)

大栄には8両所属していたが、L260-262がLPSに受委託車両として転属
その後L214-215もLPSに受委託車両として転属
2016年11月にはL216がなんと昭和島に転属しL516となった。羽田地区では初のPJエアロとなった。
最終的にL217-218もLPSに転属し、2017年度半ばには大栄所属は0台となった。

(PJ-MS86JP)

2006年7月中旬に5台が大栄3台(L260-262)、箱崎2台(L301-302)導入された、三菱PJエアロ。
東京空港交通では日産AT車の採用が始まった中で、何故か、新短期適合のエアロが採用された。箱崎事業所のトップナンバーのL301はM8エアロからPJ86エアロに引き継がれることになった。
また、客席窓も透明色になったのが目新しい。

品川200か1552
301-60742M86

NRT1PTB/SW

PJエアロのリアの模様。従来のストップランプの下に新設された縦型のストップランプ(ナンバーの横)
従来のストップランプはダミーになり、ランプは点かなくなりまぎらわしい。


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302-60742M86

導入直後のL301の前方の部分。
M86エアロバスでは初めて液晶案内表示機が設置された。

また黒い部分にはエアロバス標準のピクトグラムがあるが、この後この上に、リムジンバスのピクトグラムが設置されることになる。
ピクトグラム下の銀の部分が良いアクセントになっている。


品川200か1552
301-60742M86
2006.8
PJエアロバスの車内。
ピクトグラムはエアロバス純正のものからリムジンバス共通のピクトグラムに変更されている。
天井の照明の横に光沢がある。

品川200か1553
302-60742M86
2017.10
日産車は2004年7月車以降真空式のトイレを採用しているが、2006年の三菱エアロバス(PJ)は、青色の水で洗浄するタイプの古い循環式のトイレ(五光製作所のクリンペット)となった。
KL代のエアロバスと同様の感じ。

L302
2007年4月に東京空港交通・大栄事業所に更に5台(L214-218)追加導入されたPJ-MS86JP。
リムジンバス初の成田ナンバーとなった。

成田200か48
216-70442M86
2007.7

非公式側の模様。

成田200か48
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2006年導入のPJ-MS86JPのガラスは透明だったが、写真のように、薄いスモークが入った。

西工車より薄く、KL代の86よりも緑がかっていなく、良い感じのスモークだ。

成田200か48
216-70442M86

リアの模様。
リアのガラスにも色が入っている。
ブレーキランプは点灯している下2つであることがわかる。

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PJエアロのコクピット。エアロバスのコクピットは長年同じデザインとなっている。

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215-70442M86
PJエアロの車内。2007年4月導入車両は車内中央部ににも液晶モニタが設置されている。
PJエアロは全車補助席なしで導入された。

成田200か47
215-70442M86
2007年導入のPJエアロと西工車には車内中央部にオーバーヘッドモニタが装備されたが、運用では使われていない。
モニタはPanasonic TM-L150WA


成田200か48
216-70442M86

2007年のPJエアロは全て大栄に納車されたが、2016年11月にL216が516になり昭和島へ。214-215が12月にLPS受委託となり、残る217-218も17年7月にLPS受委託となった。
2007年車はテシカ社の清水空圧式トイレとなった。少量での水洗後スライド式のシャッターが横から閉まり、タンクからの臭いをカットする仕組み。最後にもう一度水が流れる。

成田200か46
165-70442M86