UP CoffeeBreak(47)
作成日:2002/07/02
更新日:2004/09/04

IPv6な独り言

国の基本的な方針としてIPv6化が進められているのですが、それに関連したこと(関連してないものも含めて ^^; )について、思ったことを書き連ねています。
別に、それ系の専門家なんて訳ではなくて、お勉強用なのでウソ、デマ、勘違い等がある可能性が高いのでご了承ください(笑ってくださっても結構ですが、コメントで指摘していただけると非常に助かります)。

INDEX


IPv6対応レディ?[2004/09/04]
固定電話網も完全IP化へ[2004/08/25]
e!プロジェクト[2004/08/25]
IPv6ネットの品質保証[2004/01/08]
リンクの紹介2[2003/09/11]
リンクの紹介[2003/06/17]
米国防総省の意向[2003/06/17]
予測はあくまで予測だけど...[2003/02/27]
IPv4 addressは決して枯渇しない...のか?[2003/02/16]
第4世代携帯の状況[2003/02/12]
e!市役所[2003/02/02]
Internet Week 2002[2002/12/24]
総務省で見かける本音?[2002/12/10]
情報通信政策部会[2002/09/05]
新たに生じるメリット[2002/09/03]
IPv6と地域医療モデル[2002/07/17]
NETWORLD+INTEROP 2002 TOKYO[2002/07/03]
出来ることは?[2002/07/02]

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IPv6対応レディ?:[2004/09/04]

@ITの記事「JPドメインのDNSサーバがIPv6で参照可能に」および IT Proの記事「JPドメイン名がIPv6に対応,“オールv6化”まであと一歩」 によると、DNSサーバのIPv6対応が、また一歩進んだらしい。
詳細は、両記事を読んでいただくとして、今のところ日本・韓国・フランスが対応したということなので、道筋は見えてきても、まだまだ先は長いといったところか。

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固定電話網も完全IP化へ:[2004/08/25]

asahi.comの記事『固定電話網、2010年代に完全IP化目標 総務省』(08/25 16:55)によると、総務省は固定電話網のIPv6化を推進するために、5年で100億円を投じる方針なのだそうだ。

ということで、e!プロジェクトのような開発投資が行われることがほぼ確定(財務省からのNGが出なければ)な訳です。
ただかなり疑問なのは、その時まで固定電話が生き延びているのか、ということです。
IP携帯電話の普及(=4G携帯?)が2010年、という話もあり、その時の固定電話網をあえてIP電話として使う必要性には???なのです。
もちろん、『110番など緊急通報ができない場合がある』とか、『災害による広域停電時の通信網確保』とか、固定電話に限らない課題もあるので、クリアされるとユーザとしては非常に安心できるのだけどね。

課題が解決した瞬間に固定電話のユーザが激減することは間違いない...かな

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e!プロジェクト:[2004/08/25]

総務省が平成14年度及び平成15年度に実施した『e!プロジェクト調査研究』の実施結果を見つけました。

いろいろな分野があって、それぞれで「やはり」笑わせてくれるのですが、例えば農業分野でのH14年度の調査研究の報告書の目的はこんな感じです。

IPv6 インターネットが、あらゆる産業・生活の基盤として機能し、かつ、広大なアドレス空間を生かして、PC のみならずあらゆるデバイスがIPv6 インターネットに常時接続され、オープンなデジタル情報の流通が行われる2005 年に実現される世界最先端のIT 国家のショーケースとして、
(1)これからIP 化が進むニューマーケットとしての農業へのアプローチ
(2)あらゆるデバイスのインターネット接続を促進する、超小型IPv6 チップの実現を目標とした、超小型IPv6 無線モジュールの有効性の、農業をフィールドとした検証
(3)あらゆる産業・生活の基盤としてのIPv6 インターネットの信頼性の自然体験学習をフィールドとした検証通じて、2005 年に実現される世界最先端のIT 国家のイメージを広く日本国民に示すこと
を目的としている。
で、調査の内容が、
  1. 肉用牛遠隔監視システム及びビニールハウス遠隔監視システムの実証実験
  2. 畜産物情報追跡管理システム及び農産物情報追跡管理システムの実証実験
  3. 自然体験学習の実証実験
ということで、NECエンジニアリングが主幹事となって半年間ほど実証実験なるものを行ったのだそうです。

で、こんな苦労や

牛の体温を測定するにあたり、温度センサーを取り付ける箇所を調査したところ、全身体毛に覆われており、センサーを牛の皮膚に密着させることが困難であることが判明。
また有識者の意見では、正しい体温は直腸で測定することも判明。
こんな苦労
本体(無線LAN 部分)を牛にどのようにして装着するかが課題であった。
当初はベルトにより胴体に固定したが、牛の動きにより脱落したり、改良を加えて脱落しなくなったが、他の牛によりかじられたりして連続して安定した装着状態を継続するのが困難であった。
を乗り越えた、実証実験の結果と考察(一部抜粋)がこれです。
肉用牛に温度センサーを装着したことによる影響として、牛にストレスを与えると考える研究員が、多く見られた。(研究員の40%)実際にストレスが出ているかどうかについては、継続して観察するととも、と畜後の肉質検査を行って、従来の平均的結果との比較が必要と思われる。
また、温度センサー取り付け初期の肉用牛の行動に、変化が見られた(センサー装着具への興味)が、時間経過とともに通常状態に戻っていったので、肥育期間(平均20 ヶ月)全体から見れば、非常に短期間なので、肉質への影響は少ないものと思われるが、実際に肉質検査を行って見ないと影響の度合いは不明である。ただし、今回実験対象になった牛群のボスが、牛群の最下位牛に装着したセンサー装着具に非常に興味を持ち、装着具内部に実装していた温度センサーのケーブルを噛み切ってしまうという事故が発生した。試行錯誤の上、製作した装着具であるが、更に材質、色、大きさなどに検討の余地があると思われる。
ということで、半年程度の実験で何か決定的な結果が得られる訳も無く、何となくIPv6センサモジュールが屋外で使えた、という以外の成果は無い模様です。

ところで愚問ですが、この実験がIPv6に拘る理由って何なんでしょう...やはりショーケースのため?

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IPv6ネットの品質保証:[2004/01/08]

Mainichi INTERACTIVEの記事 「IPv6ネットが故障した場合返金 日本テレコムが品質保証」によると、日本テレコムは企業向けIPv6サービスで30分以上利用できなくなった場合、復旧にかかる時間に応じて、料金の90分の1から全額までを返還するらしい。

でもまぁ、別にIPv6の機材だからって特別なものではないだろうし、プロトコル自体はとっくに安定しているんだろうから、単純に宣伝文句ってところだろうか。

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リンクの紹介2:[2003/09/11]

インプレスの雑誌「IPv6 magazine」とNTTコミュニケーションズとインプレスが組んだIPv6の総合実践情報サイト「IPv6style」を眺めていると、IPv6でもいいじゃん!なんて思えてくるから不思議です。

まぁユーザからすると、自分にコストが降りかかってこない限り、どちらでもいい問題ですから。
と、言いつつ、あえて聞きたい。

「あなたは、自分のIPアドレスを晒したいですか?」

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リンクの紹介:[2003/06/17]

別な目的で立ち寄った先で、非常に面白いコラムを見つけたので紹介しておきます。

Sensorware(前・後編)」(in YAMDAS Project)

RFID/ICカードから住基カード、それからIPv6に至るという壮大な内容ですが、視点が同じなので読みやすく、内容的にも「膝を打つ」ところが見つかると思います。

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米国防総省の意向:[2003/06/17]

ZD Net「米国防総省、「5年以内にIPv6へ移行」」によると、米国防総省がIPv6への移行を本格的に始めるらしい。

移行期間を5年とした理由は、「その頃には商用レベルでの採用が広まっている」ためらしいが、この予測、全面的に信じられるのでしょうか?
確かに、ルータ等の機器は、IPv4とIPv6の両方に対応したものが増えているので、新規に引くネットワークはIPv6で問題ないと思う。
ただ、それでも携帯電話ですらIP化は2010年なんて言ってるしなぁ。
気になるのは、この規模のIPv4からIPv6への移行が、初めてのケースなのではないか、ということ。何も起こらなきゃいいけどねぇ。

いずれにしても、元々IPv4は国防総省から始まったものだし、これで米国が徐々にIPv6へ移行するのは決まったようなものか。

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予測はあくまで予測だけど...:[2003/02/27]

多少、本筋とは違うのですが...
PC Watchの記事「策定進む100Mbpsを超える次世代無線LAN〜IEEE 802.11nとしてまもなく標準化作業が開始」によると、11gの次の世代の無線LAN規格として、100Mbps前後のものが検討され始めるそうです。

記事の中にもありますが、製品化の予測?が2006年くらいということで、モバイラにとって夢が広がることでしょう。
で、予想としては、これをベースにモバイルIP電話端末が出てくると思うんですね(つまりこの端末がIPv6な訳です)。
もしかしたら、「鷹山」あたりがコンセプト提案をしてくるかもしれませんが、私の本命はDDIP。そうPHSの後継です。
だって、いくらデータ通信に優れているからといっても、3G全盛で携帯電話の速度がPHSを追い抜いてしまったら(&パケット料金が下がってきたら)、いくらなんでも、現行の仕様では厳しいよね。
で、次を考えるタイミングで、ちょうどこれが視野に入ってくるのだ。
現在のアンテナ=HOTSPOT(あっ登録商標だ)にすると、都市部ではかなり優位性が出てくると思う。もちろん、携帯電話の形態もあるけど、同時にノート等のユーザには、802.11n対応の市販アダプタが使えて、希望すれば電話の着信も出来ちゃう...なんてことになれば、十分にPHSの後継になるもんね。
都市部以外では、経過処置としてPHS端末としても使えると...あっでも、そうすると、高速移動中は使えないとか、同じような弱点を抱えるかも。
それじゃ、いっそのこと、資本系列のよしみでAUと...モガモガ

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IPv4 addressは決して枯渇しない...のか?:[2003/02/16]

浅見幸宏:インターネット面白リサーチの一連のコラム「IPv6って……。ブレイクするの?」と、それをベースにしたSlashdot JP上の雑談(?)「IPv4 addressは決して枯渇しない...のか?」を読んでいると、やはり相当先の時代まで、IPv4のアドレス体系はなくならないだろうなぁと思えてくる。

もちろん、IPモバイル電話などでIPv6は確実に浸透していくだろうけど、例えば我が家のブロードバンドルータを、IPv6対応ではないからという理由だけで買い換えることは考えにくい(=Home LANではIPv4は生き残る可能性高し)。
もっというと、あれだけ大量のプライベートアドレスを振りまくった会社のパソコン(&それにしか対応していないルータ)が、一気に置き換わる(=ブレークする)なんてことは誰も考えていないのではないでしょうか(ってか、それに関わることを考えるとゾッとする)。

現実的な状況としては、IPv4/IPv6のアドレス変換機能が低価格のルータにもいつの間にか採用(=削るのも面倒)されていて、お金も無くメンテ体制も取れないISPが、併用を迫られて四苦八苦する...という辺りなんでしょうか?
(えっ、その前に、そんなISPは淘汰されているって、ごもっとも)

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第4世代携帯の状況:[2003/02/12]

ZDNet Mobileの記事 「ドコモが定額制に踏み出せない理由」の中で、ドコモの副社長が、次期FOMAと共に第4世代携帯についても語っています。

それによると、第4世代はやはりIPv6で、伝送速度が平均20Mbpsくらいになるようです。
もっとも、その前にFOMAが最大14.4Mbpsになる計画があるようなので、それまで(第4世代は2010年頃)のかなりしっかりしたロードマップが見えてきそうです。
ただ、個人的には早く第4世代に移行して欲しいので、他社の頑張りに期待したいところです。

ちなみに、ドコモは第4世代に向けて、既にこんな実験(「ドコモが第4世代移動通信システム装置を試作 下り100Mbps以上」)を行っています。

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e!市役所:[2003/02/02]

Internet Watchの記事 「IPv6ネットワークで納税証明書を交付 岡山市で「e!市役所実証実験」がスタート」によると、岡山市で納税証明書を自宅のプリンタで印字できる等の実験が開始されたそうです。
これは、「平成14年度e!プロジェクトの実施について−実証用システム構築の開始−」の「地方行政分野におけるITの利活用の在り方」(岡山市)に基づいて行われているものです。

ちなみに、岡山市では、これまでにも以下のような補助を受けています。

そうか、こうやって岡山市は住民へのサービスを向上させていってる訳か。
これらは岡山市情報水道実験推進協議会が中心になって、「e!町内会」(経済産業省)とか「e!市役所」(総務省)等の総称の元に、整備が行われているらしい。

にしても、これまで行われた実験の一覧を見ていても、投入された補助金の受け皿になった企業が羨ましいとは思うが、住民になってサービスを受けたいなぁなんて思う気がまったく起きないところなんて、住基ネットの話とほとんど一緒だなぁ。

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Internet Week 2002:[2002/12/24]

MYCOM PC WEBの記事「【Internet Week 2002レポート】Global IPv6 Summit・Conference Day(1)」、「【Internet Week 2002レポート】Global IPv6 Summit・Conference Day(2)」を読んでいると、現実的なセンが見えてきて、非常に勉強になります。

で、何が現実的かというと、次世代(次々世代?)のIP携帯電話は確実にIPv6になるんだろうなぁ...
では、その前に普及しそうなモノは何か...?
ってところで、ミンナが頭を捻ってるところ、ということのようです。

意外と、牛肉のトレース用タグとかのIDがIPv6のアドレスになったりして。

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総務省で見かける本音?:[2002/12/10]

総務省のリリース 「情報通信政策セッション第2回会合 議事要旨」, 「「情報通信政策セッション」(第2回会合)議事次第」 を眺めていると、IPv6に対する国策の本音が見えるような気がします。

この会合で配られている配布資料 『インターネットの新たな地平ー通信・放送連携問題を中心に(私見)−』 (NTTコミュニケーションズ) に書かれているIPv6の記述では、

「本当は、何が大事か?」, 「アドレス問題より安全性、信頼性を強化してアメリカに遅れを取っているインターネット分野で国策的に巻き返すこと!」
となっています。
つまり、「アドレスが枯渇というのは見せ玉で、IPsecこそが重要よ」という意見のようです。

一方で、技術的な話ではアドレスの枯渇という点が中心になっている訳で、別にセキュリティの問題であればIPv6に限った話でもないので、「IPv6=国策」という図式の底の浅さ(逆に深いのか?)が見え隠れしている気がします。
(これは、あくまで国策と称するものとしての話であり、実際のアドレスの枯渇自体を軽視するものではありません)

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情報通信政策部会:[2002/09/05]

総務省の情報通信審議会 情報通信政策部会 インターネット基盤委員会 IPv6WG 議事要旨( 第1回第2回第3回第4回))が公開された。
どーでもいいけど、こんな抜粋になぜ8ヶ月も要するのだろう...不思議だ

同時に、「 情報通信審議会情報通信政策部会(第5回)議事録」も公開された。で、そこからの抜粋...

家庭のユーザーから見るとv6だろうとv4だろうと、使えりゃいいと思っている人も多いわけでありまして、それが本来の姿かもしれません。ただ、v6というものが出てくるときに、そのメリットをうまく享受できるようにインフラを整えるのが国の仕事だろうとは思います。
いいんだけどね。
その時にコストの議論が置き忘れられているという点だけが気になるんだよなぁ。
v4において、v6と同様の効果をより低コストで実現するとかね。
そういうところも、同時に見ていって欲しいなぁ。

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新たに生じるメリット:[2002/09/03]

情報通信審議会 情報通信政策部会 インターネット基盤委員会 議事概要( 第8回第9回) では、IPv6 WGの報告が2回連続して行われています。
その中で、一番印象に残ったのが『IPv6への移行の必要性については、アドレス空間の枯渇のみが述べられるべきではなく、IPv6の特長により新たに生じるメリットについても同様に強調すべき。』というものです。

あぁ推進する側も分かっていらっしゃるんだなぁ...後は、走ってから(走りながら)考えるのか、走る前に納得して走るのか、の違いなのかなぁ。
で、住基ネットの例でも分かるように、政府は走ってから考えるのがパターンなようですが、最近はそううまくはいかないようですね。

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IPv6と地域医療モデル:[2002/07/17]

よくIPv6関連の自治体資料に、「IPv6を活用した地域のITモデルの推進」といったタイトルの中に必ず出てくるのが『医療分野』です。
例えば、大阪府の資料でも、

「病診連携・病薬連携・遠隔診断等医療分野のIT化の過程で左記に加え、画像・音声等必要な情報のやり取りをシームレスに行う技術としてIPv6に期待。」
などと書かれているんですが、シームレスの利点は理解できても、例えば、「ノードが剥き出しになることによる、機器本体へのDoS攻撃への対処方法」とかってのは検討されてるんでしょうかねぇ?
いつも絵に描いた餅状態の資料ばかり見せられても、現実感が無いんだなぁ。それにしても、大阪府のこの資料、IPv6にするメリットに説得力が無いよねぇ。
あっそうか。大阪府データセンターに投資することを中心にして資料を読めばいいのか。

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NETWORLD+INTEROP 2002 TOKYO:[2002/07/03]

本日よりINTEROPが開催された。メイン展示の1つがモバイルIPv6。まだRFCにはなっていないが、注目されている技術であることは確か。
その理由は、4G携帯電話とのかかわりから。モバイルIP電話な訳です。
確かに、これはもう有無を言わせずに普及するでしょう。間違いない(こらっ誰だ、PHSみたいなんて言ってるのは!)。
この場合、今の基地局がホットスポットに早変わりするのだけど、この際に、DoCoMoは別にして、それ以外で基地局を共同使用する方向に向かう気がする(願望かな?)。
ただ、どちらにしても、キャリアがIPv6を新規に敷設するだけで、既存のIPv4ネットワークとは別な世界の話で終わるのでは、起爆剤にはならないよなぁ。

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出来ることは?:[2002/07/02]

IPv6について、いろいろなことを聞きますが、未だに理解できないのは、『IPv6でなければ出来ないことは何か』ということです。
確かにIPv6にすると、ネットワーク的に効率化されるという意見は分かる(気がする?)のですが、前向きなユーザの利点を強調してくれた方が、普及には役に立つと思います。
しかし、どうもネットワークに係る産業界の目先の利益の方が、自分の頭の中では先に立ってしまうんだよなぁ。

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