UP CoffeeBreak(54)
作成日:2003/06/25

IEEE1394の行方と将来展望

ZDNetの記事「大手17社、家電デジタルコンテンツ共有推進で「DHWG」結成」によると、家電デジタル製品分野(と呼べるほど成長していないか)の通信仕様で、いわゆる業界標準を策定すべく、各社が動き出したようです。

デジタルホームワーキンググループ (Digital Home Working Group: DHWG)には、ソニー、松下、MS等のキープレイヤーが参加しており、実用的で有望な規格が望めそうです。
MSがいますが、一応固有のOSに縛られることがないようにするようなので、組込LinuxやμITRONでの実装もありそうです。
個人的には、TOPPERSプロジェクトにも参加して欲しいんですが、どうでしょう?

DHWGでは、当面Ethernet・IPv4での仕様策定を行い、その後、IEEE1394およびIPv6へ広げていく計画のようです。
しかし、IPv6はともかくとして、果たしてIEEE1394への実装は商品化されるんでしょうかねぇ?

最近の状況では、例えばソニーの新商品等でもUSB2.0への移行が行われているように思えます(両方付いている機種が多いけど、機能的にUSBを使った機能の方がクローズアップされているかな)。
確かに今の市場(AV系パソコン、ビデオカメラ等)には1394搭載機が多く出荷されていると思いますが、これから1394に新たなプロトコルを実装することを考えると、素直にEthernetなのかなぁと思いますねぇ。
逆にUSB2.0が入ってないってのが疑問。パソコンには入ってきて欲しくないとか(ウソ。たぶんHOST/Slaveの関係が望ましくないためと推察)。
まぁ、日本語化されているWhite Paper「デジタルホーム概要」には、「ホームネットワークをIEEE 1394対応機器に拡げることが可能だ。いずれは〜中略〜できるようになるだろう」と書いてあるので、「ユーザからの要望が強ければ」という一文が隠されているのでしょう。
今回の発表でデジタルコンテンツ用ネットワークの主役がEthernetとなることがほぼ確定したため、どうも一層IEEE1394の退潮に拍車がかかることになりそうです。
このあたり、IntelがIEEE1394よりもUSB2.0を選んだあたりが、分岐点だったのかもしれませんね。

さて一方では、 「NTTドコモの対米戦略を待ち受ける「茨の道」」という記事の中で、2010年にはビデオカメラ、デジタルカメラ等が携帯電話のネットワークに接続される...というシナリオを書いているDoCoMoさんもいる訳で、何が流行るのかは予断を許さないのかも。
最も日本では、2010年はモバイルIP電話の普及の年とされているので、もしかして有線か無線かの違いかな?

ところで、我が家のホームネットワーク化(欲望)機器群は、ホームシアター化に伴い爆発的に増えていて、今後も同程度の機器が並ぶのであれば、将来的には是非実現して欲しいことがあります。

Internet Watchの記事 「EthernetのRJ45ジャックが世界共通の電源に〜IEEEが「802.3af-2003」を承認」にもあるように、Power on Ethernetの規格に沿って、現状のAVケーブル(しかも規格がバラバラの)と電源のスパゲッティがRJ-45で統一される...

あぁ、でもTVとアンプの電源は無理っぽいな。
ドライブ持った機器も辛いかも。
VTRのようなモータ持ちは...(って、その頃にはテープデバイス自体がなくなってそうだな)

ということで、将来的な希望と地球環境に優しいホームシアターの実現(何のこっちゃ)には、よほどの省電力機器が開発されないと厳しいかな。

...で、サーバはやっぱり冷蔵庫?などという、無粋な突っ込みは止めましょう!

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