『2002JVA全国交流会“日立の集い”』 日立のみなさん、ありがとうございました

4月6日(土)は交流会と日立さくらまつり
 4月6日(土)16時、会場の証明が落とされる。スクリーンに「影絵」が映し出され、野口雨情作詞の童謡が流れる。出席者の目と耳が集中する。雨情の童謡メドレーにのせて、影絵を演ずるのは、茨城県日立市で25年の活動歴をもつ「かげ絵同好会」の女性のみなさん。これは録画ではない。実演である。会は冒頭から「JVA日立大会」にふさわしい雰囲気が醸し出された。続いて、地元日立ビデオサロン制作の歓迎の意をこめた日立紹介ビデオ。日頃の活動の成果が映像に見える。
 オープニングセレモニーに続いて、JVA松下弘雄会長(北海道)が今年も元気に会え、ビデオを楽しめる喜びを、豊田正夫日立大会実行委員長(日立ビデオサロン)がビデオを愛好する者として心から全国の皆さんを迎えると、開会の挨拶。

これより先、仲間たちはさくらまつりに
 交流会の受付は、午後1時。しかしそれよりも早く日立駅に降りる仲間も少なくなかった。荷物を主会場のホテルで預かってもらうと、「第41回日立さくらまつり」会場へ。駅前の平和通りに続く桜並木が美しい。例年にない桜前線の北上に花が散っているのではと心配していた人も多い。だが、日本桜百選にも入っている日立のさくらは、散るのをがまんして待っていてくれたかのように華麗な姿を見せてくれた。「日立風流物」(国指定重要有形・無形民俗文化財)の昼の公演に間に合った仲間は大喜び。こうしてさくら祭りのムードに酔って、仲間たちは会場「ホテルサンガーデン日立」に集まった。
カンパイは関太郎さん
 松下弘雄会長、豊田正夫実行委員長の挨拶が終わったところで、関太郎さん(日立市/元JVA事務局)が登壇、みんなで会に集えたことを喜んでカンパイする。体調を崩して去年の「JVA軽井沢の集い」に出席できなかった関さんの元気な顔に安堵する会員も多い。
 こんどの交流会は、日立ビデオサロンのほか、日立市のもう一つのVC「滑川ホームビデオサークル」の皆さんも会をあげて協力して実現された。その大森弘之会長も紹介され拍手を受ける。
 ここで、民俗芸能として名を知られる「日立風流物」の人形が登場。日立郷土芸能保存会本町支部の皆さんは解説入りで、操作実演。人形が弓矢を放つと「オーッ!」の声とともに大きな拍手が起こる。夜の日立風流物の撮影に期待がふくらむ。
 食事、歓談が進む中で、「日立のエンターテイナー」弓野忠次郎さんがマジックを披露。会場が沸いたところで日立お笑いトリオとして売り出し中の小室政衛さん、及川春治さん、橋浦貞雄さんの「麦畑」が拍手喝采を受ける。トリオの「ビデオもさぞかし面白いだろう」の声も。いずれにしても日立ビデオサロンの皆さんはさすがに芸達者。多彩ぶりを見せてくれる。
 会は進み、JVA全国交流会の旗が来年の開催地「福井県」の西川一郎さん、小坂勝治さん、相磯勇さんに手渡され、「よーし、来年は福井で会おう」の声。
 ここで参加者の投票で選ぶ「ビデオジャケット」コンクールの結果が発表される。1位は、杉山辰蔵さん(愛知県)と熊谷三之さん(埼玉県)、3位は木村亨さん(埼玉県)。いずれも洒落たジャケットで、作成技能の高さをうかがわせる。このジャケットコンクールは、できたら来年も実施したいもの。どんなものができるか、今から楽しみである。

 全国大会のフィナーレは、『カラス、なぜ泣くの カラスは山に かわいい七つの 子があるからよ…』を全員で大合唱。97人の参加者の気持ちが一つになって、歌声が会場に響く。
それにしても、きめ細かく、かつ出演者を集中させる演出。20年間、地域でビデオ活動に取り組み、その中で培われた日立のビデオマンの知的なパワーの凄さを感じた。
このあと、夜桜と日立風流物撮影に
 ライトアップされた桜がきれい。心地よい春の風に誘われるように歩行者天国の桜並木を歩く。仲間たちは、夜桜に、出店に、人の波に、フォーカスを合わせながら歩く。日立風流物の実演広場(交差点)につくや、ポジションを選び、カメラをセットして待つ。交流会場で見たビデオ、そして人形の操作実演が役に立つ。満足、そして満足。あとは映像の出来上がりが楽しみになる。
自由交流の夜は更けていく
 ホテルに帰ると、あちこちに話し合いの輪ができる。昼間からノンリニア編集機「DV-7」の実演をしていたエディロール社の人たちにも相談が続く。特別ルームでは、ビデオの上映会も始まる。この時間の使い方では、全国事務局として準備が足りなかったかなと反省もちらり。
 12時を過ぎても、部屋からはビデオ談義が聞こえてくる。そして日立の夜は更けてゆく。
4月7日(日)は撮影会
 北茨城コースは2台のバスに分乗して、「赤い靴」、「シャボン玉」などで知られる北茨城市の野口雨情の生家、野口雨情記念館、磯原海岸を時間をかけて撮影。雨情生家では、孫娘にあたる野口不二子さんが、雨情の人となりや詩歌に生きた人生を語ってくれる。記念館では、じっくりと足跡を確かめる。撮影できないのがちょっとさびしい。
 磯原の海は波がかなり高い。大海原にカメラを向けてじっとしている仲間が印象に残った。
 大津漁港を経て、五浦海岸へ。五浦観光ホテルで豪華な昼食。このあと岡倉天心が詩作にふけったという六角堂に足を伸ばす。切り立つ断崖と海が作る風景も味がある。
 常陸太田&水戸コースは、水戸黄門さんと水戸徳川家ゆかりの地を訪ねる撮影会。北コースに比べて人数は少ないが、中身の濃い撮影になった。瑞龍山(水戸徳川家墓所など)、西山荘(水戸黄門ゆかりの地)、偕楽園、旧弘道館(徳川斉昭創設の藩校)などが対象。起伏の多いコースだけに疲れもあったかと思うが、それを上回る収穫があり、楽しい会となった。
 中でも、西山荘は、高低を利用したダイナミックな景観。黄門さんの人柄を感じさせ、被写体としてもよく、その上、観光ボランティアの説明にも好感をもてた。
 最後に、撮影会の全行程を通じていろんな質問に的確に答えてくれる日立ビデオサロンの皆さんの知識、文化感、郷土愛に心から感謝。この人たちは「ビデオだけで成り立っているのではない」と。

 日立のみなさん、ほんとうにありがとうございました。また、お会いしましょう。映像を楽しみましょう。

来年の交流会は福井県です。それまでお楽しみに!