全国交流会広島大会の報告です(JVA会報No.81から転載)。
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全国各地から広島入りした仲間たちは、思い思いに広島市内の撮影に移りました。全体集会よりも先に自由な撮影時間を設けるという初めての試みでした。平和公園を歩き、原爆ドームにカメラを向ける仲間たち、平和記念資料館の展示物に足を止めてじっと見つめる人、そしてリバークルージングを楽しむ参加者……。
午後5時。宮島の対岸、大野町の「国民宿舎宮島温泉グリーンロッジ」に53人が集まって、「1999JVA全国交流会/広島大会」は開会されました。

(撮影/町田好一郎 埼玉県本庄市)
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松下弘雄JVA会長の挨拶のあと、記念イベントとして河田茂さん(広島市在住)の「作品上映と講演」に移りました。TVF(東京ビデオフェスティバル)で3回のグランプリに輝く映像作家です。
まず処女作「破れ表紙の人生アルバム」を見た後、河田茂さんの映像作品論、情報量の多い作品の制作手法などを聞きました。続いてパソコンも使った最新作「暮れなずむ」を鑑賞しました。これは、知とユーモアが交錯する見事な表現で、見る側が圧倒される作品でした。河田さん、貴重な作品とお話をありがとうございました。
続いて午後7時、交流懇親会が賑やかに開演。全国から集まった人たちが自己紹介を兼ねて自分のビデオ論を語り、それをネタにするかのように、自由交流の輪が幾つもできました。
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早朝、カキ筏の浮かぶ大野瀬戸を前にカメラを抱えて散歩する姿……。さすがビデオ愛好者の旅だと微笑ましくなりました。
この日は、(1)宮島直行組み、(2)広島市内経由宮島入り組、(3)岩国錦帯橋など経由宮島入り組と分かれて自由撮影を楽しみました。宮島・厳島神社は午後2時過ぎが干潮で、大鳥居沖で潮干狩りをする人たちまで被写体に。仲間たちは、紅葉谷公園を歩き、弥山に登りと、それぞれに宮島の秋を楽しみました。
そして夜9時。ライトアップされた満潮の厳島神社へ屋形船で……。大鳥居を船でくぐり抜ける時の大歓声がビデオマンの感動を表していました。昼に見るのと違う回廊もまた、カメラを回し過ぎるほどの雰囲気を整えていました。
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この日、日中の満潮は朝8時50分。厳島神社には回廊のすれすれまで水位が上がりました。朝日を受けて揺れる波が朱色の神社に映る、ワクワクするような被写体になっていました。
続いて9時30分、私たちを乗せた貸し切り高速船は、宮島桟橋を出航しました。船内を自由に移動できるスペースにまずは満足。ガイドさんの「右に見える島は……」、「左に見えてきた港は……」の声につられてカメラを抱えて右往左往する仲間たちに、ガイドさんが笑い出すやらの楽しい船旅になりました。
民謡に名高い音戸の瀬戸、日本軍が毒ガスを作っていた大久野島などを見ながら、瀬戸内海を東進し、芸予諸島の「しまなみ海道」へ。途中で大三島と生口島に上陸した後、尾道港に到着。
夕食の前に、宿「ホテル金花園」で、ソニーマーケティングの小倉正二さんの「新しいAV機器講座」を聞きました。夕食懇談会には、今回の全国交流会を企画段階から準備していただいた平田豊和さんの奥さんも加わって、触れ合いの輪を広げることができました。
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全国交流会の最後の日、朝起きて驚いたのは、眼下に見える瀬戸内海「尾道水道」のある風景。行き交う船、向いの造船所、遠くの島影……。尾道ならではの絶景に、またしてもカメラが回りました。
朝食後、全体集会。「平田豊和」さんにあらためて感謝するとともに、来年は群馬で会おう!」と誓い合いました。この後、「尾道・文学のこみち」を歩くなど、日程に従って4日目を楽しむことができました。