ドキュメント『JVA10周年記念“軽井沢の集い”』4

第2部 記念パーティ
午後5時50分
 ドン、ドン、ドンと太鼓が響き始める。軽井沢の女性たちで構成する。「静山(せいざん)太鼓」である。パーティは第1部に続いて「長野の間」。太鼓に合わせて入室開始。入り口で好みの飲み物を受け取る「ウェルカム」。立食方式で和らいだ雰囲気がいっぱいに。
6時、太鼓の音が次第に大きくなる
 「ソーレ」の掛け声のあと、力いっぱいのド〜ン。すかさず「カンパーイ!」の大歓声。記念パーティはこうしてオープンした。
 そのまま来賓祝辞。NHK長野放送局の柳田雅之さん「市民ビデオとテレビ局の連携について」、軽井沢町長の佐藤雅義さん「国際文化観光都市軽井沢の歴史について」、軽井沢観光協会長の荒井宏さん「若葉まつりと軽井沢の四季折々の魅力について」。それぞれ祝辞と歓迎の挨拶。
 しばらく食事。会場からのリクエストで「アンコール静山太鼓」。参加者はカメラポジションを選びながら、女性太鼓の音と動きを映像に収めた。すでに会場には和んだ雰囲気が広がっている。
発表! あなたが選ぶベストビデオジャケット
 これもJVAらしい10周年特別イベントとなった。会場に展示されたジャケット数は33点。担当の中沢裕さんによれば、パソコンの普及によって立派なジャケットができるようになった。出席者の投票で上位に入ったジャケットは、こみいっていなくて分かりやすく素敵なデザインであった。最優秀賞の木村亨さん(埼玉)の作品「奥の細道」はすっきりしていて、タイトルらしさが出ていた。また熊谷三之さん、秀子さん夫妻が2位、3位に入って注目された。4位杉山辰蔵さん(愛知)、町田宏さん(埼玉)、同じく5位瀧本顕さんまでに、JVA田村富雄事務局長から賞が贈られた。この企画、ビデオマンにとっては、関心のあるテーマだけに今後も生かしたい。

来年の全国交流会は日立(茨城県)に
 JVA結成10周年を経て開催される来年の全国交流会はどこになるのか? 盛り上がった中で「茨城県日立市」の名が呼ばれる。海老沢公さん、豊田正夫さん(茨城)の手に「JVA全国交流会」の横断幕が渡される。
 あちこちにできる人の輪、ビデオ談義に花が咲く。全国から集まったビデオマンにとって情報を交換する場であり、互いの健康を確認する場である。
 第2部「パーティ」から参加した人もかなりいる。会の運営に驚いている。司会者からスタッフが紹介される。進行に合わせておおわらわの演出と技術陣、会場に花を飾ってくれた高橋房江さん、菜穂さんにも大きな拍手が贈られた。

長野県の県民歌「信濃の国」  長野県の参加者から「信濃の国」を合掌したいと声が出る。はじめにNHK長野局レポーターの田中千絵さんが歌の由来を説明する。そうか、この歌には信州人の気持ちと歴史がこめられているのか。丸田福治さんのカラオケ映像に乗って30人が一斉に発する『信濃の国は……』。長野県の県民歌に参加者たちは聞き入った。
 歌のお返しは、JVAのエンターテイナー青柳完治さんの「七つの不思議」。ゆったりとした甘い調べ。どこかユーモアがあって、それでいて情緒があり、旅人を癒してくれる歌声に会場は魅了された。さらに歌声は引き継がれる。軽井沢に生まれた「追分馬子唄」から発展した「小諸馬子唄」。歌うは司会の戸田光男さん。その声に会場が静まる。さらに杉浦スイ子さんが「江刺追分」で続く。会は一段と盛り上がる。

もっと多くの人の話を聞きたい
 司会者が出席者の中を歩き、インタビューを始める。これを大型スクリーンに映しながら、音声を会場一杯に流す。登別市から一人で参加の菅原光子さん(北海道)、平田豊和さん&多恵さん夫妻(広島)、7人参加の上尾VC(埼玉)の面々、松戸の森VC(千葉)の女性4人、NHK金沢VCの藤平田友市さんと小屋忠男さん(石川)、地元NHK長野VCの横山裕行さん、高橋健一さん(福井)、中村知好さん(東京)、パネリストの佐々木都さん……と、次々にマイクが寄る。

8時のフィナーレが近づく
 千葉操実行委員長がお礼を兼ねて締めの挨拶に移る。JVA10周年の記念になる会にしたい、何をやろうかと考え、全力で頑張った。構成者(松本さん)からは、あれもこれも次々に注文(提案)がきた。
 こうしてプロの業者並の仕事を素人集団JVAが担うことになった。苦労した。でも楽しかった。思うようにならないこともあったが、よくやれたと思う……。語る千葉さんの顔には、苦労のしがいがあった、これで自信がついた。そんな表情が感じられた。

8時のフィナーレが近づく
 水上新一さん(長野)のカラオケ映像がスクリーンに流れる。歌は『千曲川』。全員合唱になる。「ビデオをやっていたからこそ、この日の出会いがある!」。
 みんな大きな声で歌っていた。初めての参加者も、毎年参加するベテランも歌う顔に差別はなかった。「ビデオが取り持つご縁」に感謝しながら、明日を生きよう、また会おう。仲間たち。

語らいの続いたコテージ
 交流会、パーティの余韻は、宿泊のコテージまで引き継がれた。せっかく会えたからもっと話したい。ノンリニアのことをもっと知りたい。ビデオ作品を見たい。見せたい。それぞれのコテージにいつまでも灯りがついていた。

第2部 記念パーティ

 翌7日(日)は撮影会。事前の希望(アンケート)の集まりが悪く。組み分けに時間がかかる。ここは反省材料である。それでもどうにか調整がつき、2つのコースに分かれて出発。

軽井沢散策コース(案内:千葉さん、高橋房江さん)
 ホテルを出て高原の別荘地帯を走る時、初めて来た人たちが感動の表情を見せていたが印象に残る。千葉さんの解説を聞きながら、雲場の池、三笠ホテル、鬼押出、堀辰雄記念館、追分宿分去れ碑などをしっかり。

小諸散策コース(案内:中沢裕さん、林富士夫さん)
 こちらはホテルを出ると、そのまま北国街道の海野宿(東部町)へ。用水の流れる古い町並みは被写体として大好評。懐古園(小諸市)では、草笛の演奏、藤村記念館、眼下に流れる千曲川が撮れて満足の撮影会に。

また会おう仲間たち。来年は日立(茨城)へ
 かくて2日間の記念イベントは終わった(かなりの人はもう一日信州の旅を楽しんだ)。どこまで満足してくれただろうか? 気のつかない失敗はなかったか? 健康を害した人はなかったか? 心配しながらも実行委員たちはホッとした。ミスがあったが、やるだけはやった。これから参加した皆さんにチャンスを見て感想を聞きたい。遠慮のない批判も受けよう。これからのJVAのために……