ドキュメント『JVA10周年記念“軽井沢の集い”』3

好評 山崎登さんの講演会 〜その後、第1部“集い”順調に進む〜
オープニングセレモニーの後は主催者挨拶
 JVA日本映像ネットワーク会長の松下弘雄さん(北海道旭川市)が、この10年間のJVAの歩み、ビデオ愛好者として果たしてきた役割を確かめるように話す。発足以来、JVA活動を支えてきた松下さんの言葉には説得力があった。

長野県の北沢貞子さんから参加者にプレゼント
 NHK長野ビデオクラブ会員の北沢貞子さんが、みずから野を歩き、採集した花をシーリングした栞である。『祝 JVA日本映像ネットワーク結成10周年記念大会 NHK長野ビデオクラブ」の文字入り』の栞は、出席者を代表して西川一郎JVA副会長(福井)が受け取った。北沢さんは、栞の作り方に触れた後、信州の自然の魅力を語り、こうしてビデオ愛好者が交流できる喜びを語った。全国からの参加者には素敵な歓迎挨拶になった。

記念講演会
10周年記念講演会
 講師はNHK解説委員の山崎登さん。1976年NHK入社。1994年から「特報首都圏」、「ウィークエンド中部」キャスターなど歴任。去年からはNHK解説委員(災害防災担当)をつとめるジャーナリストである。講演のテーマは『私の取材方法』。山崎さんは取材の折々に感じたことを具体的に紹介、出演者は「取材と表現」についていろんなことを教えられた。
ビデオ作品記念上映会
 JVA10年を記念する3作品の上映に移る。分野別に選ばれた会員の作品である。
  1. )「天を焦がす火祭に村が湧く」(13:30/長野県佐久市・中沢裕さん)
  2. )「バッハ先生とかわいいオーケストラ」(15:00/千葉県市川市・堀切澄江さん)
  3. )「自問」(16:20/宮崎県西都市・大町信平さん)
     *都合で2)と3)は順番を入れ替えて上映

 上映中にハプニングがあった。作品2)の音声が片方しか出ない。さあ、どうする?
 対応は早かった。別のデッキにつなぎ直してOK。順番は2)と3)が入れ替わったが、ことなきを得た。タイプの違う3作品。激しく動く群集と火の粉の降り注ぐなかで、どうすればあのような絵が撮れるのか( 1)の作品)、長期取材による膨大な素材をどう振り分け編集するのか( 2)の作品)、高齢化社会のなかで被写体とどう向き合えば良いのか( 3)の作品)。出演者たちはじーっと、スクリーンに目を集中させていた。

ありがとう、の感謝状
 続いて、感謝状の贈呈。10年間、JVAを支え、前進させた功労者5人に感謝状が授与された。

感謝状
 
茨城県 太田光男様

 10年前、ビデオ大好き人間の全国ネットワークを作りたい。誰言うともなくそんな声が上がったとき、よしやろう! と先頭に立ったのが太田さん、あなたでしたね。太田さんを初代会長に抱いたJVAはスタートダッシュに成功しました。
 一方であなたは、脱サラしてプロカメラマンの道を選び、NHKニュース情報番組に欠かせない存在になりました。NHKテレビでの放送は優に1000本を越すそうですね。その頑張りはテレビ局に映像を送る仲間たちの輝く目標でもあるのです。こうした交流会にも顔を出して後輩たちを励まして下さい。期待しています。

2001年6月16日
JVA映像ネットワーク会長 松下弘雄
感謝状
 
北海道 松下弘雄様

松下さん、今年もこんなに大勢の仲間が集いましたね。ビデオが好きだというただそれだけの理由で、遠くからお金をかけて集まってくる……。不思議といえば不思議ですね。でもこれは「JVAは趣味の会。ビデオを撮る喜び、見る喜び、作る喜びを大切に人生を楽しもう」と叫び続けた松下さんの功績が大きいと思います。
 不平を言い続けるのも人生。そんなことにかまわず楽しみを大切にするのも人生です。松下さんはJVA活動を通して、私たちにそれを教えてくださいました。高齢化社会、まだ老け込むのは早いですよ。松下弘雄さん。

2001年6月16日
JVA10周年記念・全国交流会軽井沢の集い実行委員長 千葉 操
感謝状
 
宮崎県 百市睦男様

 百市睦男さん、今回は出席できなかったのですね。JVAの集いのたびに、「北は北海道から南は九州まで」と形容されるのが北海道の私(松下)と宮崎のあなたでしたね。
 大きな手術をしてリハビリを兼ねて奥様と山に出かけることもあると聞きます。もう少し回復したらJVAの交流会にも復帰してください。「北は北海道から南は九州まで」、私とあなたは運命の糸で結ばれているようだよ。互いに男であることが残念だけど……。それはともかく、来年の交流会では再開したいね。奥さんも連れておいでよ。私もそうするから。そしてJVAの仲間たちを驚かせてやろうよ。

2001年6月16日
JVA日本映像ネットワーク会長 松下弘雄
感謝状
 
茨城県 関 太郎様

 関太郎さん、あなたは7年前の松戸大会でみずからJVA事務局に入り、「会報」の配布担当を引き受け、本部と全国の仲間たちとのコミュニケーションを密にしてくださいました。その努力に心から感謝申し上げます。
 時折入ってくる手書きのお便りを見ると、なぜかホッとしたものです。温厚なようで、ほとばしるような情熱を持ってJVA活動に邁進された関さん、まもなく84歳だそうですね。でも引退はなしですよ。これからも一緒に撮影の旅を楽しみましょう。
 来年春には、「関太郎物語」のビデオもできると聞きます。楽しみですね。

2001年6月16日
JVA日本映像ネットワーク会長 松下弘雄
感謝状
 
埼玉県 松本豊美様

 松本豊美さん、JVA日本映像ネットワークが今日あるのは、間違いなくあなたの努力の賜物です。会員一同、心から感謝しています。
 それにしても豊美というお名前とは全くイメージの異なるあなたが、なぜ世の女性たちをかくも魅了するかは永遠に解けない謎でしょう。
 あなたは、NHKディレクターというハードな仕事のかたわら、JVA会報を執筆してきました。他にも雑誌社の執筆やAV通信も書いていますね。一体いつ休まれるのでしょうか。
 昨年、めでたくNHKを退職されました。これからは体をいたわりながら息長く活動されるよう願っています。

2001年6月16日
JVA日本映像ネットワーク会長 松下弘雄

シンポジウム 市民ビデオの未来像〜私たちに何ができるか〜
シンポジウム
 司会が主旨を説明するが、舞台には誰もいない。アレッ?と思ったところで、司会の紹介(呼び出し)も従ってパネリストが舞台へ。佐々木都さん(長野県臼田町/「歴史を開く自立の家」主宰)、苗田良治さん(映像プロ「メディア東京」代表/NHK「日本映像の20世紀」編集制作指導)、酒井弘雄さん(千葉県松戸市/AVCC[高度映像情報センター]プロデューサー)、中沢裕さん(長野県佐久市/教員。市民映像作家)、そしてコーディネーターは松本豊美さん。

デジタル、IT社会の取り組み
 私たちはどんなビデオ活動ができるのか。時代の波の大きさに飲み込まれて「我がビデオ」を見失ってはいないか。自由な雰囲気の中で語り合うのがこのシンポジウムの目的。1時間20分の中で、全国47都道府県の20世紀を映像で綴ったNHK「日本映像の20世紀」を例に、地域で掘り起こす貴重な映像情報とその活動のあり方、兵庫県宝塚市の岩間信生さん(JVA会員)が始めたインターネットTVを例に、デジタルIT社会の中で私たちに何ができるのだろうか、東京の練馬ビデオ同好会の活動(JVA会員大田ヱミ子さん報告)を例に、高齢化社会の中での年配者とクラブのビデオ活動の可能性、等が話し合われた。
 コーディネーターが話し合いを締めくくる、時に16時45分。途中から押し気味(遅れ気味)に進んだイベントはここで時間調整された。舞台監督の川野さん、TK(タイムキーパー)の高橋さんがホッとした表情を見せる。
 こうして第1部終了。インフォメーションに従って、宿泊コテージに荷物を運ぶ人、楡の木ルームのノンニリア実演をのぞく人。ホテルの周りを散歩する人……と、時間を過ごす。この頃になると第2部パーティから参加する人も受付に顔を出す。