ケンブリッジの歩道は、たいていよく整備されている。郊外に行くと、 車道と歩道との間には、芝生のゾーンが設けられている。うっかり雨上がりに このゾーンに踏み込むと、靴を濡らす羽目になる。
横断歩道は、そこそこ安心して渡れる。歩行者用信号が設けられている場合は、 それに従えばよい。押しボタン式のものもある。ただ、青の時間は日本よりも短い。 日本で青の点滅に相当する状況のとき、直交する自動車用の信号は黄の点滅となり、 自動車は、横断者がいなければ進行可能である。そのようなわけであるから、 歩行者としては少々焦る(まあ、その必要はないのかもしれないが)。信号機の ない横断歩道もある。たいていは、上に黄色の球のついた白黒のポールが 立っており、自動車に「ここに横断歩道がある」ということを示している。 ここではもちろん横断者優先なので、悠々と渡ればよろしい。自動車の方が 停まってくれる。
横断歩道。City centre のバス・ターミナル付近にて。
横断歩道の数自体は、日本よりもずっと少ない。しかしながら、そこで道路を 渡るのは、交通量が多くても、きわめて容易である。数ばかり多いくせに、 実質的にまったく機能していない日本の横断歩道より、いいのではないだろうか。
しかしながら、この状況に慣れると、少々危ない体験をする羽目になる。 大通りに沿った歩道を歩いているとき、脇道からクルマが出てくる場合が あるのだが、これが意外とくせもので、歩行者を遮るような場合がままある。 たしかにそのような場所には横断歩道はないのであるが、歩行者にしてみれば 「おまえそれはないだろう」という感じである。一度は、歩行者に遮られて 悔しかったのか、ホーンを鳴らされたことがある。「こらー、東洋人と思って なめとるのかー」と叫ぼうとしたくらいである(本当になめられているのかは 不明である)。したがって、横断歩道できちんと停まるのは、交通マナーが いいからではなくて、交通ルールが徹底されているからだと、僕は考えている。 停めちゃいけない場所に停めないのも、おそらくそういうことだろう。
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