謎のケンブリッジ空港

 ケンブリッジ市街の東側には、空港がある。こちらに来てから、わりあい早い 時期にその存在に気づいた。地図によると、けっこう規模が大きそうである。 空を行く飛行機を見ていると、色々な種類のものが離着陸しているようだ。 小型のプロペラ機から、大型旅客機のようなものまで見ることがある。 しかしながら、ケンブリッジ発着の航空便なんて、聞いたことがない。 こちらの人にいろいろ聞いてみると、どうもケンブリッジ空港というのは、 旅客機が修理のために飛来するところらしい。また、驚いたことに、 旅客便もあるらしいのだ。

 これは、ぜひとも現地調査をせねば、と考え、自転車で近くまで行ってみた。 空港の南側の道路から、駐機場に停まっている飛行機を見ることができる。 すぐに目についたのは、British Airways のボーイング 747、いわゆる ジャンボジェットである。これには正直言って、驚いた。こんなに大きな機体が 発着できるほどの滑走路だとは思っていなかったからである。この他、 塗装を剥がされ、ジュラルミンの地肌むき出しで、エンジンを外された機体 (おそらくトライスター)が置いてあったりする。やはり、飛行機の修理を おこなっているようだ。その他、迷彩塗装の軍用機も見ることができる。

boeing 747 L1011
ケンブリッジ空港の駐機場。空港南側の道路から撮影。

 途中、線路もないのに、踏切標識を発見する。滑走路の延長線が道路と交差する 地点にあり、どうやら大型機が離発着するときに、背の高い自動車と干渉しない ように設けられているらしい。残念ながら、作動している所は見かけなかった。 ここをジャンボジェット機が通過したら、かなりの迫力であろう。

 さらに駐機場の近くまで行ける場所を探し出し、行って見る。うーむさすが 747、 でかい。一般の道路から、柵一つ隔てたところに停まっているので、なんとなく 違和感がある。成田空港周辺などでも、同じような状態の場所はあるのだが、 柵の高さなどが全く異なるのが、違和感の原因のようだ。

traffic light of the end of runway boeing 747
滑走路南側の踏切警告灯(1 枚目)と、留置中の機体(2 枚目)。

 Newmarket Road に面した、ケンブリッジ空港の正面入り口とおぼしき所に たどり着く。Marshall Aerospace という会社名が書かれており、どうも向かいの 中古車センターと同じ会社のようだ。ここが飛行機の修理を行っているらしい。 しかし、旅客便があるらしいにしては、その待合室のような物は、発見 できなかった。土曜日なので、Marshall の建物も閉まっているようだ。 小型機やヘリコプターの発着をひとしきり見物した後、帰宅する。

 ふと思い立ち、web 上のサーチエンジンで「Marshall Aerospace」をキーワードに 検索してみる。おお、ちゃんと出てきた。やはり、ここが飛行機の修理会社であり、 ケンブリッジ空港の管理も、ここが主に行っているようだ。さらにネット上を 探すことにより、ケンブリッジ空港から旅客便を飛ばしている会社も発見できた。 ScotAirways という会社である。ケンブリッジから、オランダのアムステルダムへの 便が、1 日に 3 便ある。かなり小さい機体で運航しているようだ。たぶん、 乗る機会はないであろう。


この項の関連リンク


Index に戻る