身近な野生動物

哺乳類

 野生の哺乳類でよく見かけるのは、リスである。これは、住宅街にもふつうに 出没する。いわゆるシマリスとは異なる、もう少し大きい、灰色のリスである。 我が家の庭にも、たまに来る。

 ハリネズミはときどき見られるらしいが、僕は道路で轢かれてしまった残骸 (合掌)にしか、お目にかかったことはない。最初は、「なぜタワシがこんな 道端に」と思ったものである。

 ウサギは、ちょっと郊外に行くと見ることが出来る。春になると人の目に とまりやすいところにでてくるようで、5 月などはロンドン−ケンブリッジ間の 鉄道の車窓に拡がる、農地のあちらこちらに、ウサギが跳ねているのが見られた。

 キツネ。これは、nature reserve と呼ばれる、自然公園のようなところで 見ることが出来た。シカも、同じ場所で見ている。さすがにこれらは、住宅街からは かなり離れたところまでいかないと目にはできないようだ。「身近な」 という点からは、ちょっと外れているかもしれない。

鳥類

 スズメは、日本にいるものとは種が異なり、 イエスズメ(house sparrow)と呼ばれる種である。 これは、庭によく来る。

 その他、庭によく来る鳥の代表的なものは、 ホシムクドリ(starling)クロウタドリ(blackbird)ヨーロッパコマドリ(robin)アオガラ(blue tit)である。 これらはいずれも、日本ではまったく見られないか、稀な鳥である。 日本では九州にしか居ないカササギ(magpie)も、こちらではまったく普通に 見られる。

 ハト類では、 シラコバト(collared dove)とモリバト (wood pigeon)が多い。もちろん、ドバト(feral pigeon)も、特に街の中心で 多く見かける。カラスはミヤマガラス(rook)、ハシボソガラス(carrion crow)、 ニシコクマルガラス(jackdaw)の 3 種が身近に居る。

 上に挙げた種よりも出現頻度は低いものの、ときどき庭に来る種としては、 ズアオアトリ(chaffinch)ヨーロッパカワラヒワ(greenfinch)、 シジュウカラ(great tit)といったところが挙げられる。

 農地では、キジ(pheasant)を多く見かける。ニホンキジとは色合いが異なる、 いわばコウライキジのような羽の色の種類である。けたたましい鳴き声は、 日本のと同様であった。

 水鳥で圧倒的に多いのは、マガモ(mallard)だ。ちょっとした水辺には、 たいてい見かける。街の中心近くを流れる Cam 川には、コブハクチョウ (mute swan)も多い。

 冬は、ユリカモメ(black-headed gull)が、水辺でもない住宅地にたくさん 居たが、5 月以降は、これはほとんど見られなくなった。そのかわり、夏鳥の イワツバメ(house martin)や、ヨーロッパアマツバメ(swift)が上空を 飛び交っているのをよく見る。

blackbird robin collared dove
左から順に、クロウタドリ、ヨーロッパコマドリ、シラコバト。

無脊椎動物

 雨が多い気候のせいか、なんといっても多いのが、カタツムリとナメクジである。 カタツムリは、大きくて殻に細かい模様のついた種が多い。ほぼ例外なく右巻きの 殻をもっている。雨上がりには、そこいらじゅうで見かける。ナメクジも大きい。 灰色や茶色の胴体に、腹足の周囲だけオレンジ色で、グロテスクで、正直言って、 恐い。なるべく彼らに会わないことを祈っているのであるが、 雨天時には、通勤途中の路地で否応なしに出会ってしまうことが多い。

slug
ナメクジ。こういうのに弱い方のために隠してある。勇気のある方は、 画像をクリックされたい(拡大無修正画像へのリンクに なっています)。


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