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アヤシゲ翻訳 テレビシリーズ1 エピソード1 / Killeroo キラールー


 オープニング・トーク

(赤いカーテンの前に、動物園のユニフォーム姿のハワードとヴィンス登場)
ハワード:ハイ。私はハワード・ムーン。こちらは私の弟子のヴィンス・ノワーです。
ヴィンス:弟子?黙れよ。お前が俺の弟子だろう。
ハワード:ごちゃごちゃ言うな。
ヴィンス:それで?
ハワード:北方弾丸攻撃で、迫るぞ。
ヴィンス:お前の動きなんて分かっちゃうもん。お前の攻撃なんて、ナチュラル・ヨーグルトみたいな心地良さ。ちょろいね。
ハワード:俺は今や、新たなパワーを持っているんだ。
ヴィンス:まじ?誰かにそのパワー、送ってみた?
ハワード:送ったよ。今朝には届いたはずだ。
ヴィンス:朝便で?
ハワード:ああ。直配、強烈、朝便で。
ヴィンス:まじかよ。
ハワード:ペイン夫妻のと一緒に、テイクアウトしてやろうか?
ヴィンス:ばっかじゃねぇの…
ハワード:激烈キッシュ、ご注文な。いかが?
ヴィンス:やってみろよ。
(ハワード、左手をヴィンスの胸に当てて、微妙に動かす。)
ヴィンス:何だそりゃ。なんもないじゃん。
ハワード:何もないように思うだろう。でも、これは超電波ハンドなんだ。
      二時間後、お前が店に行って帽子を買おうとするだろう、でもどうしても気に入らない!
      「アゥ!チカチカーッ!」
ヴィンス:んなワケねえだろ。よく見ろよ。俺の髪は帽子にばっちり。どんな帽子も似合うぞ。
ハワード:そうかね。
ヴィンス:もちろん!
ハワード:
(カメラにむかって)番組をお楽しみ下さい。(ヴィンスの腕を掴み、一緒に退場)
(カーテンが開いてオープニング・スタート)



 ズーニヴァーズ内 ハワードとヴィンスの小屋

(台所で餌の作業中のヴィンス。ハワードが外から入ってくる。)
ハワード:オーライ?
ヴィンス:オーラーイ。
ハワード:ミセス・ギデオンから俺に電話なかったか?
ヴィンス:彼女からお前に電話なんて…ああ…そうね…するかも。
ハワード:ああ…俺に電話なんて…だろ?彼女は俺を馬鹿だと思っているからな。
ヴィンス:なぁ、ハワード。どうして彼女が電話してこないかなんて、簡単なことだよ。
      展示室に罠でも仕掛けているんじゃないのか。
(*求むお助け!)
ハワード:いいか、彼女は洗練された女性だ。展示室に罠なんて仕掛けない。オーケー?
ヴィンス:誰でも、いつでも罠くらいかけるだろうさ。医者,歯医者,弁護士…お前、ショウを見た事ないか?
     ♪「キャプテン・キャビネッツ,キャビネットでハメられる…」
ハワード:(ヴィンスと一緒に)♪「抜け出せるか?飛び出せるか?」…ああ、俺も見た。
      彼女はそんな事しないってば。見ろよ、彼女だ。
(二人が小屋の窓から外を見ると、外でミセス・ギデオンが他の飼育員と話している。)
ヴィンス:ほんとだ。
ハワード:そう、彼女だ…。
(ドラマチックなオーケストラのBGMが始まる。ハワード、ミセスを見つめながら詩を口ずさむ)
      おお、麗しの貴婦人よ…
      貴女の顔は甘きクリームの如し
      貴女の鼻はクリームの美味なる傾斜の如し
      貴女の耳は、クリームの翼の如し
      貴女の歯は硬く、輝くクリームの杭の如し…
(*お助けじゃないけど注釈)
(ジューサーの大音響。ヴィンスが果物をジューサーにかけている。)

ハワード:やめろ。
ヴィンス:んー?
ハワード:詩作してるの。
ヴィンス:ああ、ごめん。
ハワード:ミセス・ギデオンに捧げる詩だ。
(ハワード、キッチンから居間に移ると、ため息と共にソファに座り込む。)
ヴィンス:なぁ、ハワード。お前、ギデオンとの接し方を間違えていると思うんだけど。
(ハワードの隣りに座る)
ハワード:どういう意味だよ。
ヴィンス:お前が彼女を誘えば、断られる。
      そしたらお前、彼女の庭を一晩中うろついて、池で泣いてただろう?
ハワード:どうして知ってるんだ?
ヴィンス:新聞に載ってるもん。「男がニシキゴイを涙で殺害!」四面だよ。インタビューされたコイが激怒してたぞ。

(ニシキゴイが水中から訴える。)
ニシキゴイ:ああ、ショッパイぞ!新鮮な水が欲しいぞ!
(画面は小屋のソファに戻る)

ヴィンス:お前、女ってやつを理解してないよ。女が好きなものって分かるか?
ハワード:トランペットとか?
ヴィンス:トランペット?!
ハワード:しおりとか。
ヴィンス:しおりが欲しいなんて、そんなヘンなヤツ居るか!
ハワード:俺はヘンなの!
ヴィンス:そりゃお前はサツマ並みに素っ頓狂だろうよ。
(*注)
ハワード:俺はイカれてて、堅物なの。奇人変人なんだ。俺は全ての境界を超越しているんだ。
      境界なんてものをみつけたら、食ってやる。ついでにカップと一緒にお湯で洗って、熱湯消毒してやる。
(ハワード、手に持っていたクッションを床に投げ落とす。ヴィンスが何度か目で合図して、クッションをソファに戻させる
しばらく気まずい沈黙。小屋の中に設置された拡声器から、フォッシルの呼び出しが聞こえる)

フォッシル:ムーン、いますぐ私のオフィスに来い!よろしく!
ヴィンス:早く行けよ。何かあるぜ。
ハワード:フォッシルの用なんかに急いでいく気はないね。自分のペースでやらしてもらうさ。一匹狼だからな。
ヴィンス:フォッシルの犬じゃん。道端でよく言われてるぜ。
ハワード:道端って何だよ。お前はTボーン・ウィルソンか?
ヴィンス:リロイが言ってたぜ。お前がフォッシルのために、月夜にちっさい青いパンツで踊ってたって。
ハワード:フォッシルのために踊るわけないだろう?
ヴィンス:ヤツがお前に金をくれて、お前はヤツからご褒美をもらう。
ハワード:聞けよ、俺はフォッシルと遊んでやってんの。おい!
(ヴィンス、笑いながら立ち上がる)
ヴィンス:あっそー。
ハワード:こら。俺があいつを働かしてやってんのさ。
ヴィンス:お前がそうしてるんだったらな。
(ヴィンス、古風で大きな帽子を被ってみせる。)
ハワード:
(仕方なしに)いい帽子だな。
ヴィンス:ありがとう。
(小屋から出て行く)
ハワード:そうさ、俺が動かしているんだ。フォッシルの為に急いでやる事なんてないし、わが道を行く。
フォッシル:
(拡声器からの声)ムーン、再度呼び出し!この使いワンコ!
ハワード:
(カメラにむかって)とにかく、何かあるらしいから行ってやらないと。
(ハワード、小屋から飛び出していく。)

*求むお助け!いきなり難しい会話になりました。
  “Captain Cabinets, trapped in cabinets.”という話題が展開されているのですが…
  何か元ネタがあるように思うのですが、みなさんのご意見はいかがですか?

  詩の中で繰り返されるCreamという言葉は、食べ物のクリームと共に、「上等な,素晴らしい」という意味があります。
  60年代の伝説のブルース・ロック・バンドと同じですね。

*注 :「サツマ satsuma」という言葉も出てきます。これはミカンを指す言葉ですが、恐らく、ニシキゴイからの日本語つながりなだけで、大した意味はないと思うのです。)



 フォッシルのオフィス

(フォッシルがラジカセで10CCの“Dreadlock Holiday”をかけながら、記述不能のダンスをしている。
デスクの向かい側でハワードが、それを白けた様子で見ている。)

音楽:♪俺がダウニング・ストリートを歩いていたら トラックのライトにさえ緊張してきて
     すぐ傍から暗い声がする おどおどしながら辺りを見回した
     四人の男の顔があって そのうち一人はスラムのにいちゃん
     俺を見たり、ながめたり、あたりをかぎまわり…
     だから言ってやった、「俺はクリケットが嫌いだ!」
フォッシル:
(ラジカセを止めて)…という訳で、私はクリケットが嫌いです。
ハワード:御用ですか、フォッシルさん。
フォッシル:ああ、知ってるかね、きみ。手が小さくて、大きなポケットがあって、自分のっちさい版を入れてる…
       そういう連中、知ってるか?
ハワード:カンガルー。
フォッシル:そう。それで、連中のボクシングの試合をやるんだ。金が稼げる。
ハワード:私の飼育員としての主義には反しますね。動物同士を戦わせるべきじゃない。
フォッシル:ちがう。動物同士じゃないぞ、このテカテカ×××!
(管理人、深窓の令嬢につき伏字)お前とだ!
ハワード:俺?やりませんよ。カンガルーと試合なんて。
フォッシル:そうかな?ムーン。これをどう思うね…カップだ!
(机からポリスチレン製のコップを取り上げる)
ハワード:別になんともありませんよ、フォッシルさん。
フォッシル:良かろう。
(コップを胸ポケットに入れる)私もここまではしたくないのだがな、ムーン。
       お前の裸の写真を見せてやろう。これならどうだ。
(ハワードの大きな封筒を渡す)
       私の体中にその写真をはっつけて、動物園中を走り回られても良いのか?
ハワード:
(封筒の中の写真を見ながら)そうは行くか。
フォッシル:そうかい?しかし私にはコピー機というものがあるのだよ、きみ。
(ハワード、オフィスから飛び出す)
フォッシル:試合は二日後だぞ、ムーン!
(録音機にコメントを入れる)
       備忘録。ポケット・カップ。
(胸ポケットのカップに、口をつけようと挑戦する)


 ズーニヴァースの一角 ある檻の中

(ヴィンスが箒で掃いているところに、ハワードが封筒を持って入ってくる。)
ヴィンス:よう。
ハワード:よう。
ヴィンス:フォッシルは何だって?
ハワード:別に、大したことじゃない。俺にカンガルーとボクシングの試合をしろだと。
ヴィンス:ええ?!
ハワード:金になるから。
ヴィンス:カンガルーと?
ハワード:俺。俺がカンガルーと対戦するんだと。
ヴィンス:お前、一回アタマを解体した方が良くね?
ハワード:分かってるよ。そんなアホなこと。試合なんてするもんか。
      ただ妙なのは、フォッシルが俺の裸の写真をよこしたんだ。
ヴィンス:何だって?
ハワード:ヤツが言うには、俺が対戦しなきゃ写真を貼って回るって。
ヴィンス:だから何だよ。
ハワード:別に恥ずかしい事じゃないだろう?決まり悪いけど…
ヴィンス:そりゃそうだ。裸の写真なんて、どこでだって見るじゃん。大した事じゃ…
      (ハワードから受け取った写真をチラリと見る)わー!なんじゃこりゃぁ!
ハワード:どうした?
ヴィンス:どうしたじゃないよ、何だこれ!!
(写真をもう一度見る)
ハワード:何が?
ヴィンス:だって、これ、どうなってんだよ!
ハワード:普通じゃんか!
ヴィンス:お前、化け物かよ!人間じゃねぇ!
(地面に写真を落とす)
ハワード:だって、お前…
(上着とシャツを脱いで、ヴィンスに上半身を見せようとする)
ヴィンス:
(後ずさりしながら)わー!よせ!ナマで見たくない!
ハワード:だって、こうだろう?ヴィンス!
ヴィンス:やめろってば!
ハワード:ヴィンス!
ヴィンス:ありえねぇー!!
(檻から飛び出してしまう。)
ハワード:ヴィーンス…!
(一人取り残されたハワード、服を直して、寂しげに彷徨う。物憂げな音楽が始まり、ハワードが歌い始める)
ハワード:♪醜い容姿のために ひとりぼっち… 陰の世界に身を潜める
      
(カメラ目線で)俺は化け物として生きねばならぬのか? 醜く、役立たずで、恥じ入ったまま
      
(檻を出て、紅葉に涙し、)化け物…化け物…(柱にすがりつき涙に暮れる)


 ズーニヴァースの通路

(ハワードがやって来ると、ヴィンスが済まなそうな様子でベンチに座っている。)
ハワード:隣りに座って良いか?
(ヴィンス、頷く)俺、どうしたら良い?
ヴィンス:
(笑いながら)昔、サーカス団に加わっていたこと、ある?(ハワードが睨むと、すぐに話題をかえる)
      どうにかしなきゃな。俺たち、まずいことになっちまう。
ハワード:お前はどうまずいんだよ?
ヴィンス:ミック・ジャガーがエレファント・マンとつるむってのは無いだろう。
ハワード:問題は、俺がどうするべきかだぞ。ミセス・ギデオンが知ったら、俺はおしまいだ。
ヴィンス:カンガルーと対戦してみたら?
ハワード:なに?
ヴィンス:カンガルーと対戦するとなれば、そりゃ危険なこった。
      お前が絶体絶命になれば、ギデオンがすがりついてくるぞ!
ハワード:良い考えだな。
ヴィンス:パーフェクトさ!
ハワード:問題がひとつ。どうやってカンガルーをやっつける?
ヴィンス:
(ちょっと考えて)俺がトレーニングしてやる。
ハワード:お前が?
ヴィンス:うん!
ハワード:お前が俺を鍛える?
ヴィンス:そうさ。俺は下町育ちだぜ。
ハワード:だから?
ヴィンス:俺は町の喧嘩上等経験者なんだから。
ハワード:とっちかって言えば、おフランスの公爵様だな。
      高級チーズかなんか舐めて、ノラクラしてる手の。
ヴィンス:煙突掃除屋さんだってば。俺の家族は全員ボクシングに入れ込んでいるんだ!
      全員だぜ、叔母さんでさえ。ボクシング大好きなんだから。俺の親戚はみんなボクシング・オタクだ!
      俺のおじさんなんて、ある男を殴ったら、強く殴りすぎてそいつの足がトロンボーンになっちまった。
      そいつ、逃げる時には一歩踏み出すたんびに、こんな音が…
(ヴィンス、間抜けなダンスを踊りながら、トロンボーンの音真似をする。)
ハワード:お前、俺を助けるのか、それとも踊るのか?
ヴィンス:よっしゃ、行こうぜ。


 ハワードとヴィンスの小屋

(ハワードとヴィンスは、おそろいのトレーニング・スーツを着ている。ヴィンスはその上白いカウボーイハットに、カウボーイブーツ。ハワードは明らかにスーツが小さい。)
ハワード:何だよ、これ。
ヴィンス:ワン・サイズしかなかったんだよ。
ハワード:お前のサイズだろう。結構なこった。
ヴィンス:カルロス・サンタナがウッドストックのための練習の時に、こういうの着てたんだよね。
ハワード:
(スーツの臭いを嗅ぎながら)洗ったんだろうな。
ヴィンス:とりあえず、お前の相手を研究しようぜ。ナブーからビデオを借りてきたんだ。カンガルーのビデオ。
(ヴィンスがテープをセットし、テレビをつける。その背後のソファに、ハワードが腰掛ける。ビデオが再生される)
オーストラリア人女性の声:カンガルーが攻撃をする時、尻尾で体を支えます。
                 後ろ足で餌食の内臓をえぐり出し…
(ヴィンス、テープを早回しする)
ヴィンス:あっはっは。んなわきゃ、ねぇよなぁ。
(テープ再生)
女性の声:カンガルーは鉄の板も拳で貫き…
(ヴィンス、再び早回し)
      人がカンガルーと対戦すれば、即死します。
(ヴィンス、テープを止めて取り出す。ハワードは無表情にテレビを見ている)
ヴィンス:なんかこのビデオ違うよな、俺が思っていたのとはさ。こっちを見ようぜ。
(ヴィンス、もう一本のビデオをセットし、再生する)
能天気な歌:♪スッキパー、スキッパーはカンガルー♪
オーストラリア人男性の声:スキッパー、元気かい?スキッパー、スキッパー、狂ったのか!離れろ!
                 
(女性の悲鳴)暴れ出したぞ!殺す気だ!ギャー!やめろー!!
                 スキッパー、よせ!ああ、内臓がぁあああ!!!!
(ヴィンス、無理やりテープを取り出す)
ヴィンス:あは、あはははは…。ああ…まぁ、あまり対戦相手の事を考えるのはよそう。
     おじさんのジムに行こうぜ、どうすれば良いか、教えてくれるよ。おじさんはすごいんだから。
     ボクシングの事なら何でも知ってる。
(ヴィンス、そそくさと小屋から出て行こうとするが、ハワードはソファで固まっている。
ヴィンスが戻ってきて、ハワードの腕を取って連れ出す。)

ヴィンス:おいで、カルロス。


 ボクシング・ジム

(ハワードとヴィンスが入ってくる)
ヴィンス:みろよ、ここ…。思い出すなぁ。昔のロープだ。元気か?ラルフ。
      最高。どうだ、ハワード、何から始める?
ハワード:なんか変な臭いがする。
ヴィンス:変な臭い?
ハワード:カビ臭い。
ヴィンス:英国男子の臭いだよ。ほとばしる汗!男の臭い!お前もそうなるさ。
      ああ、あれが俺のおじさん。
(ヴィンスのおじさんが、リング脇から指示を出している。)
おじさん:
(下町なまりで)ロープまで一旦つきはなせ。よし、そうだ。夕食に連れ出せ。よし。キスはするな!
ヴィンス:声かけてくるから、待ってろよ。
おじさん:
(近寄ってきたヴィンスに)おい!女は立ち入り禁止だ!
ヴィンス:俺だよ、ヴィンスだ!
おじさん:ヴィンシー!すっかり見違えちまったぞ!
(ヴィンスが抱きつくと、おじさん少々当惑)
      また会えるなんて嬉しいな。でも来たからには、また目を切りたいのか?
ヴィンス:俺はボクシングのトレーナーとして来たんだ、おじさん。
おじさん:なるほど。
ヴィンス:
(ハワードを指差す)あれが、おれの生徒。
おじさん:みてみようじゃないか。
(ハワード、表現不能の謎のフットワークとパンチワークを、シャドー・ボクシングで披露。おじさん呆然。)
おじさん:
(ヴィンスに)こりゃどうも、手遅れだな。試合はいつだ?
ヴィンス:明日の夜。
おじさん:このにいちゃんを試合に出すには、一つしか手がないな。
ヴィンス:「なりきりトレーニング」?
おじさん:音楽つきでな。
ヴィンス:イェー!
(抱きつこうとする)
おじさん:よせ!

(60年代の冒険映画風の音楽に乗って、ハワードが役に立つのか立たないのか分からないトレーニングを繰り返す。
おじさんと、ヴィンスがベンチで話し合う。)

おじさん:おい、ヴィンシー。ちょっとした問題がある。
ヴィンス:なに?
おじさん:ここにカップがあるのだがな。これをどうするべきかが分からん。
(紙コップを手にする)
      この…胸の辺りに、カップ用のポケットがあると良いのだが…そういうのを発明すれば、直接飲めて…
ヴィンス:
(紙コップを取り上げる)ハワードはどうなんだよ?
おじさん:ああ。あれは望み薄だな。しかし、俺に考えがある。古典的な手だ。
      弱い相手を倒させて、自分が強いと思い込ませるんだ。
ヴィンス:なるほど。いいね。
おじさん:相手を連れてきてやる。
ヴィンス:すごい。
(おじさんの肩に触る)
おじさん:よせったら、マーガレット。
ヴィンス:
(ハワードに)おい、ハワード。(立ち上がり、ハワードに近づく)
ハワード:どうかしたか?
ヴィンス:今やトレーニングの最重要局面だ。
ハワード:よし。
ヴィンス:スパーリングだ。
ハワード:スパーリング。オーケー。誰と対戦する?あいつはどうだ?
(ある男の後姿を指差す)
ヴィンス:違うな。彼は危険すぎる。あいつは「げんこつミッキー」だ。
(指差さされた男がドラの音と共に振り返ると、顔一杯に「げんこつ」がついている。)
ハワード:じゃぁ…あのにいちゃんはどうだ?
(別の若い男を指差す)
ヴィンス:違うな…
ハワード:ちょうど良さそうだけど。
ヴィンス:違うよ。あれは「リーチのジミー」。ちょっと見は大したことなさそうだけど、あいつの腕を見ろよ。
(インド音楽と共に、ジミーの「長大な」リーチ(腕の長さ)が披露される。彼の立ち位置の遥か遠くで、グラブがサンドバッグを打っている。)
ハワード:オーケー。じゃぁ、誰と対戦するんだ?
ヴィンス:任せろよ。俺のおじさんが、お前の相手とちょうど合うようなのを連れてくるから。
(どうみても10歳未満の子供が、紙コップと作り物の耳でカンガルーっぽい格好をして、リングに立っている。
ハワードは思いっきりその子供を殴り倒す。)

ハワード:イェー!!やったぞ!ダウンだ!ダウンだこの虫けら野郎!
ヴィンス:
(ぶっ倒れている少年に)お前の負け!(ハワードと調子を合わせる)
ハワード:よっしゃぁ!ハワード・ムーン!俺は苦痛の雨を降らす、モンスーン・ムーン!
      ビームのごとくやって来て、レーザーのように襲ってやる!
      止めてくれるな、俺は稲妻の如く素早く、驚かせてやる!ワォー!!
      
(「リーチのジミー」に向かって)ああ?バラバラにされたいかぁ?!この役立たず!
ジミー:
(冷静に)役立たずだと?お前には礼儀ってものを教えてやんなきゃならないな。
ハワード:来いよ、痛めつけてやる季節到来だ。
ジミー:何だと?
ハワード:痛みのアメアラレ、少しは言葉の勉強しやがれ!
ジミー:よく聴けよ、ヨタ野郎。いつか叩きのめしてやる。今日でなくとも、いつの日か。
     俺の拳闘の猛威が、お前の顔に破裂するのを待つが良い。俺はかならず実行する男だ。
ハワード:何とでも言え。
(ヴィンスに)さあ、行こうぜ!
ヴィンス:よっしゃ、行こうぜ!見てろよ、この小僧!
ハワード:
(ジムから出て行こうとしながら)フーーー!!!
ヴィンス:叩きのめすのを見てろよ!!じゃぁなーー!!
(ハワードと一緒に出て行こうとする)
おじさん:
(ヴィンスを引き止める)おい、分かってるな。ハワードは、きっと死ぬぞ。
ヴィンス:分かってるよ…。
(ジムから出て行く)


 ズーニヴァースの一角

(ハワードとヴィンスが戻ってくる)
ハワード:モンスーン・ムーンと呼んでくれ。…いや、これはどうだ、サンダーストーム・ムーン!
      ヘヴィ・パンチの雨を降らせてやる!
ヴィンス:いいね。それとも「雹の嵐・ハワード」なんかは?
ハワード:それもいいな。
ヴィンス:
(足を止めて)おい、ハワード。ギデオンだ。
ハワード:ああ!
(ミセス・ギデオンが帰宅しようと、展示室から出てくる)
ヴィンス:彼女に、試合の話をしろよ。
ハワード:よし。
ヴィンス:クールに行けよ。逸るな。
ハワード:わかってる。
(ギデオンに近づいて)ハイ、ミセス・ギデオン。明日、私の試合があるのです。
      その…あなたにも来ていただきたく…来てください。ぜひ。
ヴィンス:クールに!
ハワード:姐さん。
ヴィンス:全然クールじゃない!
ハワード:素敵な…姐さん…
ヴィンス:
(ハワードを押しのける)引っ込んでろ。俺に任せとけ。(ハワード、小屋へ引き揚げる)
      どうも、ミセス・ギデオン。
ギデオン:今日は、ヴィンス。
ヴィンス:ごきげんいかが?
ギデオン:ええ、おかげさまで。
ヴィンス:あの兄ちゃん、俺がトレーニングしたんですよ。
(ハワードを指差す)
ギデオン:あら。
ヴィンス:なかなかやるんです。明日の夜、大きな試合があって。エキサイティングな試合になりますよ。
ギデオン:まぁ、そうなの。
ヴィンス:リング脇のチケット、取って差し上げましょうか?
ギデオン:ええ…いいわ。私、格闘技は好きじゃないの。
ヴィンス:ああ、そう…あのところで、何かお好きなものとか、ありますか?
ギデオン:トランペット。
ヴィンス:トランペット?
ギデオン:トランペットとしおり。
ヴィンス:なるほど…
(ギデオン、立ち去る。ヴィンス、その足でナブーの居る売店に向かう。ポケット・カップ,2ユーロ。)
ヴィンス:なぁ、ナブー。助けてくれよ。
ナブー:僕のカンガルー・ビデオは?
ヴィンス:ああ、ごめん。忘れてた。それどころじゃないんだ。
ナブー:そりゃ結構。
ヴィンス:結構?
ナブー:延滞料金5ユーロ。
ヴィンス:どうでもいいから、ハワードを助けてやって欲しいんだ。
ナブー:猛る雄牛を?
ヴィンス:どっちかといえば、狂った白鳥。な、このままじゃあいつ、殺されちまう。どうにかならないか?
(ナブー、機械的に一回転してから、ディジェリドゥ(オーストラリアのアボリジニが用いる、木管楽器。)を取り出す。
その管からヴィンスの顔に向かって、真っ赤な粉を吹き付ける。)

ヴィンス:
(顔を粉まみれにして)なんだ、これ?!何の悪戯だよ!
      助けてくれって言ったんで、目にごみ入れろなんて言ってないぞ!
(立ち去る)
ナブー:
(カメラに向かって)あれは魔法の粉。彼、全然わかっていないみたい。


 夜 ハワードとヴィンスの小屋

(ハワードとヴィンス、それぞれの寝袋に入り、互いの頭をつき合せ、横になっている。枕元にそれぞれのマグカップ。)
ヴィンス:なぁ、ハワード。俺…思ったんだけどさ、お前って感じやすい性質じゃん。
      その…本当に対戦したいと思ってる?それに…お前って、平和主義者だし。
      ほら、わが英国最高の(クリーム)詩人だし…
ハワード:それは敗者の弁だな、ヴィンス。甘美な(クリームな)日々は終わったんだ。
      俺は踏み出すんだ。血も凍る気分さ、ヴィンス。そう、後戻りは出来ないんだ。
      世界が広がり、今こそ繰り出す時だ。今や負け犬なものか。
      俺はハワード・ムーン。モンスーン・ムーン…ハハ。そう、明日の夜には戦いが始まる。
      凶悪、かつ獰猛な動物との戦いがな…俺を殺すなんて容易だろうが、そうは行かない。
      そうさ、お前が…お前が俺を鍛えてくれたから。
(ヴィンス、ハワードの様子に罪悪感が募り、表情に落ち着きがなくなる。)
ハワード:お前が俺を見込んでくれたんだ、ヴィンス。俺を信じてくれた。
      信じてくれたお前のためじゃなかったら、俺は明日戦ったりはしないさ。
      おかしいだろう?でもさ、全てお前の為なんだ。お前の…
(ヴィンス、ハワードの「お前の」という言葉の繰り返しと、罪悪感、時計の針の刻む音で、奇妙な夢に落ちてゆく…)


 ヴィンスの夢

(オーストラリアの大地。ディジェリドゥの音が響く中、ヴィンスが彷徨っている。
サボテンの格好をしたナブーが現れ、ヴィンスに空に浮かんだ二つの月を指し示す。
ヴィンスが呆然としながら右手を開いてみると、石が二つ握られている。
焚き火を囲むアボリジニのシャーマンの中に、ヴィンスも加わる。
シャーマンたちはファンクな音楽と共に、焚き火を囲んで踊り出す。ナブーが歌い出す。)

歌:♪どうすればカンガルーをやっつけられる?
    それさえ分かれば良いのさ♪
(単調な歌が呪文のように繰り返される中、シャーマンの指し示す、輝く二つの球体,二つの月が見えて…)


 朝 ハワードとヴィンスの小屋

ヴィンス:
(飛び起きる)わぁ!
ハワード:おはよう。
(台所に立っている。)
ヴィンス:ああ…俺、すごく変な夢見た…。
ハワード:そう?
ヴィンス:
(半身を起したまま)変なイメージばかりで…試合でどうすれば良いのかって…
ハワード:気にするなよ。夢なんて意味ないさ。グレープフルーツ、食う?
(グレープフルーツを二つ見せる)
ヴィンス:あ、いや…
ハワード:卵は?
(卵を二つ見せる)
ヴィンス:
(夢の続きをみているような、変な気分になる)
ハワード:ディジェリドゥは?
(ハワードが楽器を見せると、ヴィンスは黙り込んでしまう。)
ハワード:さぁ、起きろよ。準備しなきゃ。
ヴィンス:うん…。
ハワード:ところで、お前今夜、何着るんだ?
ヴィンス:なんで?
ハワード:変な格好するなよ?オーケー?
ヴィンス:分かってるよ。
ハワード:俺が試合のスターだぞ。
ヴィンス:もちろん。
ハワード:俺より目立とうとか考えるなよ。
ヴィンス:お前さんがスター!あったりまえじゃん。


 試合前 ハワードの控え室

(ハワード,上半身ランニングシャツに、ボクサーパンツ,グローブをはめている。そこにヴィンスが入ってくる。
ストライプのピカピカジャケットに、紫のファー,真っ赤なつば広帽子に、サングラスの派手派手ファッション)

ハワード:なんだそりゃ?俺より目立つなって言っただろう?
ヴィンス:大丈夫だって、誰も俺なんか見ないよ。お前こそ、スターなんだから。
(子供が入ってくる)
子供:写真とらせてもらっても良いですか?
ヴィンス:
(マネージャー気取りで)今は駄目!(出て行く)
ハワード:俺は戦士なんだ、おチビさん。
(子供が身構えると、ハワードも身構える)オーケー、いきがるなって。


 ボクシング試合場

(胡散臭い観客が囲むリング上で、フォッシルがマイクでアナウンス)
フォッシル:ズーニヴァース,第一回アヤシゲ・アングラ・ボクシング大会へようこそ!
       まず登場しますは、380ポンド、212人を殺し、147人の内臓をえぐり出し、
       人間のツラの皮をはいで食うために18か国を渡り歩く、オーストラリアからの殺人マシーン!
       キラールー!!!
(「危険有袋類」と書かれた木箱から、激しく凶暴そうなカンガルーが登場。会場からは大歓声。
ハワードとヴィンスはまだ舞台裏で待っている)

ハワード:そんな話、ありかよ。
ヴィンス:誇大広告だって!お前も同じような事言われるさ。アナウンスを聞けよ。
フォッシル:そしてキラールーと対戦しますは、ハワード・ムーン!!!
       守銭奴成人男子。
(ヴィンスがハワードの腕を上げながら入場するが、観客は静まり返っている。実況席から、フォッシルが実況)
フォッシル:リングサイドには、我がズーニヴァースの有袋類専門家、ジョーイ・ムースに来てもらいました。
       ジョーイ、注目点は?
ジョーイ:
(オーストラリア訛りで)興奮するね。カンガルーってのはマジですんげぇ獣だ。
     このカンガルーの場合…
(リング・コーナーには、キラールーがグローブをつけ、唸りながら待っている。
一方のコーナーに、ハワードが座り、その肩をヴィンスが揉んでいる。)

ハワード:イテ!
ヴィンス:筋肉をほぐさなきゃ!
ハワード:痛いってば!
ヴィンス:
(肩を揉み続けながら)ここに、こりがあるじゃん。
ハワード:痛い!やめろ!
フォッシル:本日のレフェリーは、ナブー!シャーマンにして、売店係!
(リング中央にハワードとキラールーが進む。ナブーがルール確認をする)
ナブー:正々堂々と戦う事。噛み付き無し。蹴り無し。尻尾より下の攻撃禁止。グローブを合わせて。
(ハワードとキラールーがグローブをタッチして、試合が始まる。)
フォッシル:さあ、開始のゴングです!
(珍妙なやり方でゴングが鳴り、試合開始。
ハワード、やる気満々でステップするが、キラールーに打たれまくる。)

ヴィンス:
(コーナーから必死に応援)行け!やっちまえ、ハワード!そこだ!
      何やってんだよ、踊るな!行けってば!あの毛むくじゃらを倒して来い!行け、ハワード!
(しかし、キラールーの一撃でダウンするハワード。
焦ったヴィンスが自分の右手を開いてみると、夢で見た石が二つ、握られている。
ヴィンス、石を投げてゴングを鳴らし、ラウンドを止める。フラフラでコーナーに戻るハワード。)

ヴィンス:
(後ろからハワードの肩を抱きながら)な、これって史上最強にヘボい試合開始だぞ、
      心配すんな。ちょっと踊りまわって、撹乱してやれ。オーケー?
      それから、ジャブでコーナーに追い詰めろ、いいな?
      ヤツの鼻をぶん殴ってやれ、な?ハワード。おい、ハワード?
ハワード:
(ヴィンスの顔をしげしげと見て)クルトン入れた?(*求むお助け!)
ヴィンス:
(半ば絶望しながら)いいから、あの口を殴って来い。(ハワードにマウスピースを噛ませる)
フォッシル:第二ラウンド開始です!
ヴィンス:行け!
(ハワード、飛び出すが、ロープに追い詰められ、一方的にキラールーのパンチを受ける。観客大喜び。
とうとうハワードはダウンしてしまう。なおも襲い掛かろうとするキラー・ルーをナブーが止める。)

フォッシル:ダウンです!ダウンです!まるで木偶の坊のようにダウンしました!
(モーツァルトのレクイエムが、壮絶な調べを奏で始める。ダウンしたまま動かないハワード。
ヴィンス、コーナーから必死に呼びかけるが、カウントダウンが始まる。
ハワードがダウンしたまま視線を上げると、ミセス・ギデオンが試合会場に入ってくる。
ハワード、それを見て辛うじて立ち上がる。カウント・ストップ。)

フォッシル:あっ!ムーンが立ち上がりました!何という事でしょう!?まだ行けるのでしょうか?!
(第二ラウンド終了のゴング。モーツァルト終了。
コーナーでグダグダになっているハワードに、ヴィンスが声を掛ける)

ヴィンス:あのさ、なんだか…ちょぉっと手違いがあったみたいなんだけど。
ハワード:
(息も絶え絶えに)何の事だ?
ヴィンス:俺、ボクシングのことなんてこれっぽちも分かっちゃいないんだ。おフランスの公爵の家系でさ。
ハワード:はぁ?!おじさんは何なんだよ、俺を鍛えたあのおじさんは!
ヴィンス:ありゃ俺のおじさんじゃなくて。あっちが俺のおじさん。
(ヴィンスが指差すと、リング脇にフランスロココ調ファッションのおっさんが立っている。)
ハワード:もう知るか。遅いんだよ!
      俺はモンスーン・ムーン。痛みの嵐が吹き荒れる!
(ゴングが鳴り、第三ラウンド開始。しかしキラールーに打たれて、ハワードは血まみれ。)
フォッシル:ムーンはロープに追い詰められました!一方的です!右!左!
       ああッ!血しぶきが飛んできました!
(フォッシルの顔に赤い液体が飛ぶ)
      ジョーイ、トマトを食うのを止めてくれないか。信じられません!
      ああッ!!キラールーがムーンの顔に噛み付きます!食いちぎるつもりです!!
(無抵抗になったハワードの顔を掴んだキラールーが、迫ってくる。
ヴィンスが視線をめぐらすと、リングサイドに夢に出てきたシャーマンが現れる。
ヴィンスは夢を思い出す。二つの月、二つの光る球体、二つの卵、二つの石、二つのグレープフルーツ…)

ヴィンス:何なんだ?!どう言う意味なんだ?!
      
(シャーマンに訴える)どうすればキラールーを倒せるんだ?!
(シャーマンがヴィンスに語りかける)
シャーマン:ヤツのタマだ!ヤツの燃え盛るタマをつぶせ!
ヴィンス:あ、なーるほどね。
シャーマン:まったく。薄っぺらな男だ…
(ヴィンス、ロープの下からリングにもぐりこみ、キラールーの急所を握りつぶす。)
ヴィンス:今だ、ハワード!今だ!
(我に返ったハワード、もだえ苦しむキラールーにアッパーを浴びせる。
その一発でキラールーはダウン。カウントが始まる。)

フォッシル:ムーンが一発で決めました。一体何が起こったのでしょう?!信じられません!
(ハワードが勝利。リング上でハワードとヴィンス、抱き合って喜ぶ。観客も大歓声。
ミセス・ギデオンも涙ながらに祝福し、ハワードは彼女の名を絶叫する。ヴィンスは弾き飛ばされる。が、大喜び。
ハワード、喜びのあまり、着ていたランニングシャツを脱いでしまう。)

ヴィンス:
(我に返って)よせ!よせったら!
(観衆、ハワードの上半身を見て凍りつく。ミセス・ギデオンは顔面蒼白になって、立ち去ってしまう。)

*求むお助け!ここでのハワードの台詞 Have you come about the croutons? ですが、
  私には全然意味不明です。本当に意味不明の台詞なのか、それとも他に意味があるのか?いかがでしょう)

   


 エンディング

(画面にオープニングと同じ赤いカーテンが下りる。やはり同じようにハワードとヴィンスが画面に動物園の制服で登場。)
ハワード:ヒュー!番組はお楽しみいただけましたでしょうか?
      私のパワフルな動きをお見せできて、嬉しい限りです。
ヴィンス:あんな馬鹿みたいなのってあるかよ。俺がいなかったら、お前なんて頭を潰されてたぞ。
ハワード:ともあれ、俺は勝った。誰も俺には指一本届かない、俺はモンスーン・ムーン、俺は…
(突如、画面左から巨大な腕が現れ、ハワードを殴り倒す。)
ヴィンス:
(倒れたハワードを見下ろして)あっはっはっは…(退場)
(ジムに居た、長大な腕を持つ「リーチのジミー」が、カットで現れる。)

ジミー:おれは何所に居たって、敵を逃がさないのさ。


 エンディング・クレジット ニシキゴイ再登場

ニシキゴイ:さようならー。番組はおしまいですよー。終りだったら。行けったら。スイッチ切って!
       番組はおしまいなの!おーしーまーい!何見てんだよ!終りだってば!失せろ!
       
(ニシキゴイ退場)

(終)
 
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