2012年 6月 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ ライブ観戦 & ロンドン
ツアーレポート
Part 2. BBCドラマ「シャーロック Sherlock」撮影場所巡り
BBC制作のドラマ、[Sherlock]。
数ある「シャーロック・ホームズ物」の映像作品の中でも、一際異彩を放つこの作品。コナン・ドイルによる原作は19世紀末から20世紀初頭を舞台としているが、この作品は21世紀を舞台とし、原作のエピソードを取り入れつつも大胆なオリジナルストーリーを展開して、大ヒットし、多くの賞を受賞している。2010年にSeries
1,2012年にSeries 2が放映され、2013年にSeries 3が放映予定。
現代版ということで、ドラマの撮影場所そのものをいくつか目にすることができる。私はこのドラマの大ファンなので、いくつかを訪ねてみた。記事は、私が訪ねた順番に並んでいる。簡単に道順も解説したので、ファンの方がロンドンに行った折には、ぜひ訪ねてみてほしい。
Eaton Square
Series 2 Episode 1 "A Scandal in Belgravia"
登場人物の居住地で、ベルグレービアと呼ばれる高級住宅地。
Victoria駅から、Backingham Roadに出て、まずは南西へ。Victoria Coach st.(バスターミナル)の所で右に曲がって、Elizabeth St.を北西へ。しばらく進むと、緑の公園Eaton Sq.にぶつかるので、右に曲がれば右手に白い列柱の高級住宅が並ぶ。
ドラマで使用されたのは、No. 44と45。この玄関で、シャーロックが警察を呼んで、ジョンを呆れさせる。
Eaton Squareの1本南東側の路地
Series 2 Episode 1 "A Scandal in Belgravia"
登場人物の居住地の裏側。上記Eaton Sq.の1本南東側にあたり、シャーロックとジョンが「準備」をする場所。つまり、実際に目的地の「一本裏側」を撮影も使ったということ。ここはドラマのシーンとまったく同じような印象に見えて、ちょっと感動した。あのしょうもない「準備」のシーンが目に見えるよう。
Eaton Sq. 向かいは緑の公園 ←の裏側。メイキングにも登場
North Grower Street 187
全エピソード(Baker Street 221B)
[Sherlock]でも、シャーロックとジョンはベーカー街221Bでフラットシェアをしていることになっているが、ドラマの撮影が行われたのが、このNorth Grower Street。Euston駅からEuston Roadに出て南西へ。Melton St.を渡り、地下鉄Euston Sq.駅の交差点で右に曲がれば、すぐにNorth Grower St.に入る。地下鉄Warren St.からも歩いてすぐ。
通りに入った途端に、あのドラマで見慣れた風景と、一階のカフェが目に入って、声を上げそうなくらい興奮した。南西側交差点のむこうに見えるガラス張りのビルもそのまま。ドラマと違うのは、路上駐車の車の数。これさえなければ、今にもシャーロックとジョンが出てきそうな雰囲気。
ドアの上にはカフェのサインがついているが、ドラマの撮影時には撤去しているらしい。
左隣りには、かつて、イタリア統一運動かジュゼッペ・マッツィーニが居住しており、それを示す青いプレートもついている。
"Let By" の表示があったので、空き部屋があるらしい。しかし、こう有名になってしまっては、借り手がつきにくそう。シャーロックとジョンと同じ場所に、同じように誰かとフラットシェアしてみては…?
カフェのすぐ上が、シャーロックとジョンの共同フラット ドアノッカーなどはまったくドラマのまま
左の全景写真 "Let by" 表示の右下の窓から、シャーロックが出かけるジョンを見送る(S1-E3)
上がジョンの寝室(のはず)
右写真 二人のフラットの 向かい側 "The Great Game" で爆破される(S1-E3)
Speedy's cafe
Series 2 Episode 1 "A Scandal in Belgravia"
アクセスは上記Noth Grower St.と同じ。カフェは平日の15時までしか開いていないので注意。
パイロット版ではハドソン夫人のお店になっているが、本放送全エピソードでは、この実在のカフェがそのまま使われている。外からの眺めは全エピソードで見られるが、カフェの中が出てくるのは、Series 2の "A Scandal in Belgravia"。「あの二人」が、ここでお茶を飲む。
店内はドラマのイメージよりだいぶ狭い。撮影は、かなりのテーブルを取り払い、「あの二人」 が真ん中にデンと居座る形で行われている。カップや、調味料など、調度品はそのまま使われているし、壁の鏡もおなじ位置にある。
ドラマ目当ての旅行者も何組も来ていたし、周辺オフィスの人でもかなり混み合っていた。カウンターでサンドイッチやサラダをオーダーして持ち帰ることもできるが、せっかくなので、昼食をとることに。テーブルに案内されれば、ウェイトレスさんが注文を取りに来てくれる。この女性、かなり忙しい中でも優秀な客さばきの上、勝手のわからない私にも親切にしてくれた。
注文したのは、ペンネ・ボロネーゼ(多い…)とペパーミント・ティー。マグはもちろんドラマでも登場したものと同じ。
壁には、ドラマ撮影時の写真や、イラストが飾ってあった。ウェイトレスさんに許可をもらってバシバシ写真を撮りまくり、さてお暇しましょうか…と思ったら、背後からスタッフのお兄さんに肩を叩かれ…
「5ポンド!写真撮影は5ポンドだよ!ほら、警官もいるし…」
と、言われた。もちろんジョーク。私のような、ドラマ目当ての客が多いのだろう。
ケチャップやソースのボトルもドラマと同じ カップも同じ
壁には撮影中の写真がたくさん ベネディクト・カンバーバッチと、マーティン・フリーマン
New Scotland Yard
全Series にわたって数度登場
おそらく、実際のドラマ撮影は、別の場所で行われている。ともあれ、現在のロンドン警視庁は、Westminster Abbey から、Victoria St.を南西に向かい、Broadwayを右折した右手に見える。
ここは、今回見て回った中で、一番の「がっかりスポット」。川沿いの旧スコットランドヤードが赤レンガの風格のある建物であるのに対し、この新しい庁舎は安いアルミの張りぼて。貫禄も何も無い。おそらく、建設当時はこれが最先端だったのだろう。
Carlton House Terrace
Series 2 Episode 3 "The Reichenbach Fall"
ホームズの原作でも、マイクロフトが創設メンバーの一人となっている、「ディオゲネス(ダイオジニス)・クラブ Diogenes Club」。実際はThe British Academyの建物で、ICAギャラリーと同じ場所にあたる。ヨーク公記念柱のすぐ東隣なので、みつけやすい。
あまりにも貫禄のなかった、New Scotland Yard ディオゲネスクラブこと、British
Academy
Piccadilly Circus
Series 1 Episode 3 "The Great Game"
人質の所在地。パイロット版では、ジョンがマイク・スタンフォードに声を掛けられるところ。住所は説明無用。
パイロット版では、ジョンがマイクに声を掛けられるのはチューブの出口付近だった
Tapas Brindisa Restaurant(46 Broadwick Street)
Series 1 Episode 1 "A Study in Pink"
シャーロックとジョンが犯人を待つ間、妙な会話になってしまう、「アンジェロの店」。Regent
St.から北東に少し入ったところで、リバティの裏手にあたるのだが、この辺りは路地が入り組んでいるため、少しわかりにくい。むしろ、Oxford
Circus駅から Oxford St.を東に向かい、Berwick St.で右折,しばらく進んで、Broadwick
St.で左折した方が分かり易い。
ドラマではイタリアンだが、実際はスペイン料理のチェーン店。ドラマのようなロマンチックな雰囲気は皆無で、かなり狭苦しい感じがする。店内の調度も変わっており、シャーロックとジョンが外を監視する窓の形と明かりの雰囲気だけが同じ。
Lexington St.
Series 1 Episode 1 "A Study in Pink"
上記「アンジェロの店」から、シャーロックとジョンが監視していた通り。どうやら、店の窓際に大きめの席があり、通りに面して、しかもその通りが広く、見通しがきくというロケーション故に、ここの場所が選ばれたように思える。
非常に混み合っていたので、遠目で撮影 席から向こうが見渡せる レキシントン通り
Old Bailey (刑事裁判所)
Series 2 Episode 3 "The Reichenbach Fall"
St. Paul Cathedral西側から、City Thameslink駅へ向かってFleet St.を西に進み、Old Baileyで右折すれば右側にある。
裁判所そのものがドラマに登場。「名探偵ポワロ」や、「モンティ・パイソン」の法廷物でもよく出てくる。正面に面した通りを歩きながら、ジョンがシャーロックに電話をするシーンもある。
ドーム頂上部に剣と天秤を持った女神 ちょうどここで、ジョンが電話をする
St. Bartholomew's Hospital
Series 全般にわたって、頻出
そもそも、原作でもワトスンはここ聖バーソロミュー病院で、初めてホームズに紹介される。上記
Old Bailey(刑事裁判所)から北へ向かい、Newgate St.を渡った先の右手の広い敷地がすべてバーツ。
Series 2での重要なシーンもここで撮影された。ジョンがシャーロックと会話をする円形の広場もちゃんとあって、ここからドラマに倣って見上げると、「あのシーン」そのもの。ジョンが立っていたところからバーツを見ると、手前に低く茶色い物があり、これが重要ポイント。人通りの多いところではないが、不用意に飛び出すと自転車にぶつかる恐れあり。
もうすっかりお馴染みになった、バーツ シリーズ2では、アップになった文字
ジョンと同じ位置からの眺め 手前に低い茶色の建物 上部のラテン語碑文もドラマではしっかり映っている
ジョンが駆けつけると見えた風景 奥にセント・ポール 位置関係がよくわかる ちょうど自転車がすりぬけて行った
Trafalgar Sq.
Series 1 Episode 2 "The Blind Banker"
住所説明不要。シャーロックとジョンが話しなが歩くシーンにも、いくらか人が映り込んでいるが、実際はあれどこれではない観光客の量。Series 1のメイキング映像には、この広場をモッズ・コートを着て歩くマーティン・フリーマンの姿もある。
ギャラリー側から、ネルソン記念柱 奥にはビッグベンが見える ナショナルギャラリー 噴水の脇をあの二人が通る
Russell Square
Series 1 Episode 1 "A Study in Pink"
ジョンがマイク・スタンフォードに声を掛けられる場所。Russell Sq.駅の南西に位置するThe Hotel Russellに出れば、目の前が公園になっている。
そのまま北側から公園に入り、小道を南へ向かうと、マイクが座っていたベンチ(ゴミ箱付近。自転車をおいたお兄さんが電話中)が左手にある。振り返ると、カフェが見えるので、それを背にして歩くジョンの、シーンと重なる。
ドラマではその後、マイクとジョンがコーヒーを飲みながらベンチに腰掛けて話をするが、このベンチはドラマ用に置いた物で、実際の位置にはない。
ジョンがこの道を杖を使いながら歩いてくる ジョンとマイクがベンチに座っている時のアングル…?
The Gherkin / Tower42
Series 1 Episode 2 "The Blind Banker"
いずれも、シティ・オブ・ロンドン(金融街)にある高層ビル。シティの、Royal Exchange(王立取引所)から、Old Broad St.をLiverpool St.駅に向かって北進すれば、ふたつとも右手に見える。
金融関係の会社が入っているので、守衛さんがいて、観光客は気安くはいることはできない。
ガーキン…と古い教会 タワー42のエントランス「ここがきみの言う銀行?」
補足:特定できなかった場所 Shafteabury Ave. / China Town
Series 1 Episode 2 "The Blind Banker"
前者はピカデリー・サーカスから北東に延びる大通り。別行動をしていたシャーロックとジョンがぶつかるところ。人通りが非常に激しく、しかも強い雨に降られたため、じっくり見聞できず、場所が特定できなかった。
後者は、Shaftebury Ave.南側の中華街。シャーロックとジョンが歩く通りがあるはず。横浜の中華街と比べると非常に小規模だが、やはり雨のせいでドラマのシーンは特定出来ず。ちなみに、「招き猫の店」はニューポートで、ロンドンではない。
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