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 2010年 8月 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ ライブ観戦 & NY ツアーレポート
 

Part 7 Musics 音楽的見聞録
 (その1)


メトロポリタン・ミュージアム

リンゴのドラム
 事前に、METの楽器展示コーナーに、リンゴのドラムが特別展示されているいう情報を入手していたので、まずは楽器展示に直行。
 私とKさんは、スポットライトの当たった一段高い台に、リンゴの「ドラムセット」が堂々と鎮座していると勝手に思いこんでいた。
 しかし現実は、薄暗い楽器展示室の一角に、小さなケースがあって、その中に「スネア」が、ちょこんと置いてあるだけだった。
 思わず、「まさか、これだけじゃないよね?!」と口に出してしまったが、実際これだけだった。ちょっと(いや、かなり)拍子抜け。そんなものか・・・でもリンゴだし。ファンとしては、一見の価値があるだろう。

 

 Kさんは、「これぞ、いかにもリンゴじゃないですか」と、愛を込めてコメントした。拍子抜けしても、所詮はファン。暗くてピントの合わない写真を撮りまくった。

[The Veteran in a New Field] ウィンスロー・ホーマー
 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのアルバム "Southern Accents" のジャケットになっているのが、このホーマーの油絵。実物はメトロポリタン・ミュージアムの、アメリカン・ウィングにあるはず。



 このアメリカン・ウィングというのがクセモノ。絵画が展示されているスペースを探しても探しても、見つからない。どんなにウロウロしても、年代もの(と言っても、せいぜい150年くらい)の家具が展示されているところに行き着いてしまう。私はここを「大塚家具」と命名したのだが、とにかく「大塚家具」に用はないのだ。でも、ホーマーはその「大塚家具」の位置にあるはず。仕方がないので、その「大塚家具」の奥に進んでみると、なにやら額縁やら絵画っぽい展示になってきた。
 「絵画っぽい」というのは、どうもインテリアとしての「絵画」ばかりが並んでいるようにしか見えない。中には明らかに下手な家族の肖像などがあり、私が「これとか、下手過ぎない?」などと言って、Kさんを困らせる始末。
 絵心の無い私に言われたくはないだろうが、この美術館はフェルメールやレンブラントも展示しているのだ。そうも言いたくなる。
 それらの「絵画」が、ガラスケースの中に所狭しと押し込まれている。その様は、流行らない画廊の閉店セールの如し。

 そんな絵画スペースに、本当にホーマーはあったのだ。さすがにホーマーは、私に「ヘタ」呼ばわりされることはない。しかし、閉店セール状態に変わりがない。
 せっかく見つけた "Southern Accents" のジャケットとても例外扱いはしてもらえない。写真を撮ろうにもガラスケースにライトが映り込んで、ろくなことにならない。



 以前ここを訪れたMayuさんは、このイマイチな展示環境を、「アメリカン・ウィングが工事中のため?」と推測しておられたが、どうやらそうではないらしい。要するにアメリカン・ウィングの絵画の扱いが「こんなもの」なのである。
 すっかり後回しになったが、ホーマーそのものは、ジャケットよりも暗い色調だった。画題は、南北戦争が終わって、故郷に戻った元南軍兵士が、新しい耕地を切り開こうとしている様である。
 長い「南北戦争ブーム」にある私にとって、アルバムジャケットであることもあって、非常に感慨深かった。


 ダコタ・ハウス
 METの後、セントラル・パークを横断して、まずは "Imagine" タイルの、ストロベリー・フィールドへ。観光客が大勢集まっている。そしてヨーロッパからと思われる人々が、"Yesterday" を歌っている。・・・まぁ、そんなもんでしょう。
 そして、セントラルパークを出たところにある、ダコタ・ハウスの撮影大会。30年目の惨事など、想像もできないようなのどかな風景だった。




 ブロードウェイ・ミュージカル「メリー・ポピンズ」
 私はミュージカルが苦手と言うことになっている。どうしてと訊かれると詳細に理由を述べることは出来ないが、たぶんあのテンションについて行けないのだろう。特に日本語のミュージカルシーンをテレビなどで見ると、白けてしまう。
 ミュージカル通のKさんが、「本場ブロードウェイの、レベルの高い公演なら、大丈夫」と言うので、タイムズ・スクェアの少し南、アムステルダム・シアターで "Mary Poppins" を鑑賞した。
 ひとことで言って、素晴らしかった。Kさんのコメントは本当だった。歌もダンスも最高に上手。気持ちに「白ける」余地を与えない。つまり、演じる側に「無理」が無いのだろう。
 私が引いてしまうミュージカルのどこかには「無理」があって、それが痛々しく感じられるのではないだろうか。
 演目も良かった。ジュリー・アンドリュースの主演で有名なファンタジー・ミュージカル映画の舞台化で、事前に映画は鑑賞してあった。映画は良いと思うが、一部長すぎると思わせるダンス・シークエンスもある。それも舞台だと「もっと見ていたい」と思わせる。
 
 Kさんが言うには、我々が鑑賞した「メリポン」は、世界中で望める内で、最高レベルのものだと言う。これ一つで、ミュージカル・ファンになったりはしないが、NYに来たら、ブロードウェイ・ミュージカル鑑賞は、おすすめだ。それも冒険はせず、評判の、そして王道作品が良い。

 ハードロック・カフェ
 ミュージカルの後、雨の中をタイムズ・スクェアへ向かい、ハード・ロック・カフェへ。
 いきなり、ガラスケースに鎮座する、ビートル・スーツ4着と、エアライン・バッグでテンションが上がる。その脇には、ジョージのアコースティック・ギター。入店する前から、写真を撮りまくる。

 

 入店してからは、凄い食事と格闘しつつも、あそこにアレがある、コレがあると見回す。食事がひと段落してから、写真撮影巡り。
 まず、目を引いたのはリンゴのドラムセット。これこそ、まさに「ライトのあたる、一段高いところに飾られたドラムセット」。METに期待していたのはこれだ!

  

 そして、ボブ・ディランやエリック・クラプトンのギター。とても良い位置にトム・ペティのギター。さらに、トム着用の青いシャツに、イラスト(にてない)に添えられたサイン!

 

 飾られるアイテムには入れ替えもあるのだろうが、TPグッズがこれほどたくさんあるとは、さすがNY。さらに巨大なジョージの写真で大はしゃぎ。
 店内は暗いので、これまたピントの合わない写真のオンパレードとなったが、気持ちはかなり満足。

    



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