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 2010年 8月 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ ライブ観戦 & NY ツアーレポート
 
Part 2. トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ ライブ (その2)
      
2010年 8月24日(Tue) IZOD Center (East Rutherford, NJ)

 コンサート中にメモを取る習慣がないので、トムによるメンバー紹介がいつだったのか、思い出せない。[MOJO] セクションの直前だっただろうか?スコット,ロン,スティーヴに続いて、ベンモント,マイクという順番。
 もちろん、ベンモントのことは、「ミスター・ベンモン・テンチ・ザ・サード!」と長ったらしく紹介。そしてマイクのことは、いつもの通り "Co-Captain" と呼んでいる。 バンド紹介もいつもはもう少し間を空けるのかもしれないが、今回はサクサク進む。



 新譜 [MOJO] のセクションに入ると、席を立つ人が多いと聞いていた。確かにその通りなのだが、私が想像していたほど大勢ではないし、ちゃんと格好良い演奏に盛り上がっていた。ともあれ、写真や動画の撮影がしやすい環境で、がぜんカメラが大活躍。
 周囲の人々もさかんにカメラを使っているし、動画を撮っている人も大勢居た。
 "Good Enough" では、始める前にトムから「マイクの曲だよ!」という紹介がある。



 "I shoud have known it" でも同様。
 この曲はフルで動画に収めようと最初から決めていた。その甲斐あって、なかなか良い映像が撮れたので、これまたYouTubeにアップした。
 → YouTube : Tom Petty sneezed twice

 意外な収穫だったのが、トムのくしゃみ(しかも2回)がとらえられていたことだ。とても、とても可愛い。本当に可愛い。

 古いアルバム曲のセクションに戻ると、まずは大好きな "Learning to fly" で泣きそうになる。無論、オーディエンスも大合唱。





 "Don't come around here no more" では、バンドの背後にあるスクリーンの映像が印象的だった。最後の最後にビートが倍速になった時、緑の草原をバックに、エレキやアンプなどが空から大量に降ってくるという、ビートルズの "Real Love" を彷彿とさせる映像が、格好良い。

 そしていよいよ、"Refugee" 。マイクが長い足を広げ、姿勢を低くして弾きまくっているソロが、痺れるような格好良さ。この曲で、いったんバンドは引っ込んだ。



 アンコールまでの待ち時間は、私がこれまで経験したものの約半分くらいだった。やはり、細かいところで時間短縮して移動に備えているのだろうか。マンハッタンに公共交通機関で戻らなければならない私たちにとっても、好都合。
 バンドがステージに戻ると、マイクがスカーフをほどいて、だらんと垂らしている。



 アンコール1曲目は、"Runnin' down a dream"。背後のスクリーンがファイヤー!…引き続き、マイクが格好良すぎる。そのマイクの長くて格好良いソロを、トムが「信じられない!」といった表情で見ている。そしてマイクが頭の上で手をクルリと回して、演奏をしめくくった。
 そして、最後の曲、"American Girl" 。一番好きなこの曲が聴ける幸せ。トムのギターは、黄色いリッケンバッカー。ここまくると、私にはカメラを操る余裕がなく、ひたすら全身全霊で "American Girl" を浴びる。
 切なくて、美しくて、最高に格好良いロックンロール。遠い日本から来て、本当に良かった。

 とうとう、最後の挨拶。肩を組むバンドメンバーの順番は特に決まっていないらしいが、今回は左端がスコット。右へ、ベンモント、マイク、トム、スティーヴ、ロン。ベンモント,マイク,トムという私が好きな並びで、ここも運が良い。
 メンバー全員、弾けるような笑顔。マイクとトムが顔を見合せて、「いい?」みたいに合図して、一斉におじぎ。
 トムがマイクロフォンを使ってオーディエンスに向かって挨拶。「来てくれてありがとう。また会おうね!」その間にメンバーたちが下がっていく中、いつものとおりマイクが最後まで残り、トムの後から、ステージを後にした。


 終わった時刻は、11時少し前。おそらく、通常より少し早い時間だろう。私とKさんは、本当に、「最高!おめでとう!」の連呼。固い握手をして、日本人らしからぬハグでお互いを祝福。
 ステージ上では素早い撤収作業が始まっていた。

 ここまでの感想でも分かると思うが、私の視線はトムとマイクに釘付けになっていた。
 ベンモントは見にくい位置に居たので仕方がないにしても、スコット、ロン、スティーヴを見てい無さ過ぎ。
 ともあれ、彼らの演奏は、安定感と気持ちの良いグルーヴ感を常に保ち、「最高に上手な演奏」を堅実に支えてくれていた。

 ステージ上で印象的だったのは、まずトムの目を離せない輝き。髪は美しいし、オーディエンスに向ける優しい表情が魅力的。
 さすがにちょっとお腹が出てきたけど、脚腰のしなやかさが格好良い。
 魅力的で、可愛くて、クールでセクシーで、最高にロックな、トム・ペティ。まさに心を奪われるという感じ。
 両手を広げて観客の声援と愛情を一身に浴び、受け取ろうとする仕草を何度もしていた。白いシャツがすけるようにトムを包み込み、その姿が更に輝いて見える。
 顔を上げたときに煌めいた瞳が美しくて、それが記憶に焼き付いた。

 そしてマイク・キャンベル。彼は本当にうれしそうに、ずっと笑顔だった。オーディエンスの大合唱に "Wow !" とお茶目な表情。
 客席の前の方に、知り合いでもいたのか、何かコミュニケーションをしている。どうやら、ネックレスをプレゼントされたらしく、「シャツの中にちゃんとかけてるよ」という風に手で示して、優しく微笑んでいる。
 このトムとマイクが、頻繁に笑顔を見合せて合図している。以前は、トムがマイクに近寄って行って絡もうとすると、恥ずかしいのか、ちょっとかわすような仕草だったマイク。しかし今回は、喜んでトムとの密接なやりとりを楽しんでいる。
 さらにマイクはベンモントとの笑顔の合図も多く、本当に素敵な "Co-Captain" だった。

 私にとってTP&HBは文句のつけようのないライブ・バンドだった。日本で見られなければ仕方がない、アメリカに渡ってでも見るべきだ。きっと期待を裏切らない。
 レビューなんて読まなくても構わない。トムとマイク、ベンモント、ロン、スコット、スティーヴを信じて、ライブを見に行こう。きっとハートブレイカーズは、最高の幸福感をプレゼントしてくれる。

→ Part 3. Transfer & Hotel 交通手段と宿泊
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