2008年6月 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ ライブ観戦ツアーレポート
15th June 2008 :2日目 ウィルミントン 〜 ペンシルベニア州ランカスター
緑の大地 〜 きかんしゃトムさん 〜 アーミッシュ 〜 撮影お断り 〜 これがアメリカだ! 〜
これがアメリカのホーム・パーティだ!
友人宅で目覚める。谷になっている森の中で、ひんやりしているが天気は良い。友人Mの家族と共に車に乗り、ペンシルベニア州ランカスターへ向かう。日本で言う一般道だが、時速100kmは当たり前。この辺りはマッシュルームの栽培農家が多く、直売所の看板も見られる。
空気が.美味しい。
緑の丘が続く景色の中、鉄道が道路ぞいに走っている。よく見ると、機関車トーマスではないか。
ト、トムさん…!?
この近くにペンシルベニア鉄道の博物館があり、それと連動して、観光機関車運行会社ストラスバーグ・レイル・ロードが営業している。トーマスはその目玉のひとつなのだ。さっそく車を停めて、写真を撮りに行く。
親子連れが鉄道イベントを楽しむのは、日本と同じなのだろう。古いけん引機関車や、トーマスの写真を撮り、意外な収穫となった。
やがて、アーミッシュが多く住む地域に到着。
アーミッシュ(Amish エイミッシュとも発音する)とは、ペンシルベニア州やオハイオ州などに居住する、ドイツ系住民の一派のことであり、宗教的な共同体でもある。極めて質素で古い自給自足生活スタイルを厳格に守り、外部との交流を拒み、独自の言語も保持している。
電力会社から供給される電力は一切用いず、必要最低限の電力は風力発電での蓄電を使う。自動車も拒否。移動は馬車を用いている。質素で最低限の服装で、彼らがアーミッシュであることは一目で分かる。
アーミッシュの生活を紹介するビレッジに向かう道すがらも、何台もの馬車に遭遇した。そのいずれにも伝統的な服装のアーミッシュたちが乗っている。美しい緑が背景になるので写真に撮りたいところだが、彼ら自身が写真撮影を宗教的な理由から禁忌としているので、それを尊重する事にする。
「ビレッジ」に到着すると、ガイド(この人は無論アーミッシュではない)が、観光客をアーミッシュの住居に案内し、その生活を説明してくれた。アーミッシュたちが自分たち以外の人々を、「イングリッシュ」と分類しているのが、印象的だった。
強い日射しに、美しい緑。馬車や風車、古風な建物。そしてアーミッシュが作った食品や、美しいキルト(パッチワーク)を売る店などがある。しかし、外界との接触を拒むアーミッシュの人々と、会える訳ではない。
私たちは彼らの生活の一番外側の、少しだけ開いた窓からチラリと覗き込んだに過ぎない。
ニューヨークのような典型的なアメリカの都市とは全く違う。そしてドラマや映画で見る、典型的なアメリカの田舎ともまた違う。歴史の本から切り取って来たような生活が、そこにはあるのだろう。私には話に聞いてそう想像するしかない。
時速100キロで飛ばす自動車と同じ道路を、馬車が何台ものどかに進んで行く。途中で目にした道路標識には、「クマ注意」「シカ注意」「馬車注意」とあった。
クマ注意,シカ注意,馬車注意
アーミッシュ・ビレッジからの帰り道の左右は相変わらず牧草地,農地が続く。途中でファミレスのような所で昼食。バイキング形式で、フレッシュな野菜をたくさん食べることが出来たのはラッキー。
友人Mにとっても初めてという、アウトレット・ショッピング・モールTanger Outletsには、コーチやラルフ・ローレンなどの日本でもおなじみのブランドが立ち並び、駐車場のまんなかに星条旗がつっ立っている。アメリカだなぁ、と実感しながら店をいくつか覗いたが、結局何も買わなかった。
この手のカジュアル寄りなブランドが好きな人には、良い所かも知れない。
アメリカだなぁ…
友人Mの家に戻ると、夜のホーム・パーティまで少し時間があるので、時差ぼけボケ対応(昼寝)をした後、電子ピアノを拝借して騒々しく弾きまくる。練習しないといけない理由が二日後に迫っているのだ。
ホーム・パーティには、ゲストの夫婦もやって来た。
友人Mのお母さんが作ってくれた美味しい中華料理に、多少は私のアドバイスの入った天ぷら。料理の準備中、友人Mの家の裏山にシカが親子で姿を表した。
日本訪問経験が豊富なゲスト二人は、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズを見に来た奇特な日本人に、「トム・ペティ、良いよね!息子が好きだよ!」と言ってくれた。しかし、私が2回ショウを見るのだと言うと、さすがに驚いていた。
→ 16th June 2008 :3日目 ウィルミントン 〜 ニューヨーク・マンハッタン 〜 グリニッジ・ビレッジ,ソーホー
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