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2014.11.27mf更新相談:自己破産を依頼した弁護士の費用
私は4月にある弁護士を介して自己破産を申し立てました。審尋も無事に済み、後は官報に掲載されるのを待っています。
債権者は18社、負債総額はおおよそ700万円です。弁護士から、「着手金30万円で、報酬は負債総額の17%程度」と言われ、計算してもらったところ、着手金と報酬で110万円前後とのことでした。
現在、毎月6万円を、依頼した月から13ヶ月欠かさず振り込んできました。最初に2万円も入れています。従って、現在までに80万円を入れていることになります。
問題は、依頼した弁護士が本年初めに亡くなり、途中から現在の弁護士に引き継がれたことです。この法律事務所からは、「これまでの実行金はそのまま生かすので心配ない」、と言われました。今回、報酬基準を初めて知り、私の弁護士費用は高すぎるのではないかとの疑問を抱きました。回答:自己破産
自己破産の申立て手続きを弁護士に依頼した場合の費用(相場)について、現在、下記の2つの基準があります。
*弁護士会の報酬規定(ほぼ全国共通、2004年3月31日で廃止された。しかし、現在でも、およその基準となります)
弁護士会の報酬会規27条1項二号によると、着手金は20万円以上(非事業者の自己破産事件)と決められていますから、30万円の着手金は妥当です。報酬は得た利益を基に通常通り計算します(2項)ので、免責決定で700万円の免除利益を得れば標準報酬は88万円です。着手金と報酬の合計は118万円前後になります。*東京の弁護士会のクレジット・サラ金の法律センターの基準
東京の弁護士会が共同して開いているクレジット・サラ金の法律センターの基準では、自己破産の弁護士報酬次の通りです。
着手金報酬
- 総債務金額が1000万円以下の場合、債務者数に応じて次の金額
- 10社以下 21万0000円以内
- 11社〜15社まで 26万2500円以内
- 16社以上 31万5000円以内
- 総債務金額が1000万円を越える場合
42万円- 夫婦、親子、会社と会社代表者が同時に自己破産の申立をする場合 1人あたりの金額は、夫婦、親子の場合は、5万2500円を減じる、会社と会社代表者の場合は10万5000円を減じる。
免責決定を得られた場合のみ、上記着手金の範囲内
上記基準によると、着手金30万円は適正です。しかし、報酬が債務総額(700万円)の17%は高すぎます。
2つの基準は、約2倍の開きがありますが、料金格差が2倍である場合、高い方が不当か否かは、議論が別れるところでしょう。
わが国ではデパートの商品が高いことは周知の事実です。法律事務所が家賃の高い立派なビルに入っているとか、弁護士の能力が料金に影響するでしょう。
従って、あなたの依頼している弁護士の請求額は、弁護士会の現在の報酬規定からは高過ぎるとは言えません。しかし、我々は、クレジット・サラ金センターの基準に慣れていますので、「高過ぎる」との印象を受けました。
なお、この弁護士の依頼者からの金銭の受取り方を見ると、提携弁護士のやり方に似ています。依頼した経緯がわかりませんので、断言はできません。新聞折込チラシや業者の紹介で手続きを依頼したのでしたら、この弁護士は提携弁護士であるとの疑いがあります。チラシなどは証拠物件ですから保管しておき、一度、東京の弁護士会のクレジット・サラ金専門の法律相談センター(四谷または神田)で、法律相談を受けるとよいでしょう。
過大な弁護士費用を請求された場合は、弁護士会に対し紛議調停の申立をして下さい。