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         上流階級/社会の分断/  wpe8B.jpg (16795 バイト)

  
 
     新・身分差別〕 押しつけ 

 
 
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トップページHot SpotMenu最新のアップロードthink tank・ 提言版〕          担当 :  片倉 正蔵 

INDEX                       wpe8B.jpg (16795 バイト)     

プロローグ   2006.10.11
No.1 〔1〕 “国家上流域”による、新・身分差別〕の押し付け 2006.10.11
No.2 〔2〕 “自民党・経団連”による、社会分断/国民弾圧が本格化 2006.10.11
No.3       モラルハザードからの、脱却プログラムの提示なし≫ 2006.10.11
No.4       “2005・郵政選挙”の大罪≫ 2006.10.11
No.5       財界/経団連と、消費者との対決≫ 2006.10.11
No.6 〔3〕 “主権・発動の場”の再編成  

              “国民・直接行動”多重スタート

2006.10.11
No.7        ≪NHKの枕詞・・・“一連の不祥事”≫ 2006.10.11
No.8       ≪2006年12月/直接蜂起の準備を 2006.10.11

  

 


 
 プロローグ                   

                 wpe8B.jpg (16795 バイト)        <二宮 江里香> 

think tank=赤い彗星・事務担当/二宮江里香です。

  企画室から、think tank 提言版”に依頼がありました。日本社会は今、上流

階級/新・身分差別が明確に形成され、“社会の分断”が進行中とのことです。

  また同時に、“国民主権の形骸化”が進んでると言います。依頼は、その問題点

分析し、かつ解決の“道筋”を示すようにとの事です。今回は、社会派・研究員の、

地良治さんに参加していただきました。

  菊地さん、よろしくお願いします...」

                         <菊地 良治>       

菊地良治です!よろしくお願いします。

  文化・社会系を得意としています。“経団連”に関しても、そして“公共放送・NHK”

に関しても、言いたいことは様々あります。できるだけ、簡潔にまとめ、提言して行き

たいと思います」

                     <片倉 正蔵>        

think tank=赤い彗星所長/片倉正蔵です。

  今回は、think tank 提言版”を立ち上げ、最初の提言になります。これまでも、

“My Weekly Journal”で考察を重ねてきた課題ですが、新設した“シンクタンク/

脳集団”でも、本格的に考察を開始します。両方を合わせて、これまで以上にパワ

ーアップした体制になります。ご期待ください」

 

「はい!」二宮江里香が言った。「それから、今回は、ごく普通一般の女性として、

私も参加させていただきます。どうぞ、よろしくお願いします!」

  二宮江里香は、丁寧にお辞儀をし、両手を太腿に滑らせ、作業テーブルの椅子に座

った。

 

  〔1〕 “国家/上流域司法・立法・行政マスメディア) による

        〔新・身分差別〕 の押し付け

   wpeA.jpg (38590 バイト)            

「ええ...」片倉は、パソコンのキーボードに片手を置いた。「日本社会の、“深刻なモ

ラルハザードの蔓延”は...私たちも独自に精査してみましたが、確かに、“国家構

成の上流域”に起因しています...

 

  “国家・上流域”〔上流階級〕は、意味が異なります。ここで言う“上流域”とは、

国家構造的な意味で、【司法・立法・行政】、そして【公共放送・マスメディア】を指して

います。つまり、国家構成の大動脈国家の屋台骨を、ダイナミックに形成している領

域です。

  “中流域”には、【企業社会・経済原理市場】を想定しています。そして、まさにこの

“中流域”において構造なモラルハザードが蔓延しています。さらに、社会規範の乱

は、“下流域”と想定する、【文化/教育/国民生活全般】に、深刻な影を落として

います。全体の状況としては、建国以来の未曾有の大混乱を惹起(じゃっき)し、国家体制

日本文化全体弱体化させています。

  今言われている、“教育の乱れ”にしても、“教育基本法”を改正すれば済むレベル

の問題ではなくなっています。まさに、“教育基本法”を議論している、“国家・上流

域”モラルハザードこそが大問題です。ここを直さない限り、“教育の再生”もありえ

ません。

  しかも、このモラルハザードからの“脱却のプログラム/ロードマップ”は、政治

らも、行政からも、マスメディアからも、一向に提示されません。そして、代わりに、新・

身分差別社会/新・上流階級〕が提示され、“勝ち組”“負け組”の分離が起こり、

“労働の2極化”が動き出しています。

  それに加えて、〔富の寡占化〕が進み、国民の側には〔負担増〕津波が押し寄せ

ています。〔弱者には非常に厳しい社会〕が出現しようとしています...まず、最初

に、全体的な問題点を、ここで指摘しておきます。

  ええ...私たちは、“企画室/企画会議”の方から、“解決のための道筋を示すよ

うに!”、との依頼を受けています。“My Weekly Journal”戦略展開も参考にし、

この国家的大問題を全力で考察して行きたいと思います...」

「はい!」二宮江里香が、作業テーブルの上で手を結び、緊張した声で言った。「モラ

ルハザードの問題は、こういう構造になっているわけですね、」

「そうです!」菊地良治も、やや興奮気味の、張りのある声で言った。「この、壮大な

モラルハザードが、“慣習法”をぶち壊し、日本社会の求心力に、未曾有の大混乱

引き起こしています!」

「はい!」江里香が、真剣な顔で、菊地にうなづいた。

「ええと...」菊地が、パソコン・モニターをのぞきこんだ。「...“日本民族が積み重

ねてきた歴史と慣習法”...“日本文化の価値観の体系”...“法治国家のアイ

ンティティー”が...“国家・上流域”から、壮大なモラルハザードによって腐り始め

ています...すでに、日本の国は、深刻な状況に陥っています...」

「はい!」江里香が、うなづいた。

「具体的に分析すると...」片倉が、作業テーブルに肘を押し出した。「まず、こういう

ことです...【司法・立法・行政】モラルハザードとは...

  【立法府】においては、“政治の世襲”は、すでに限界でしょう。“政治が国民から乖

離”し、“政治の空転”長期にわたっています。この状態が続くと、今後ますます、“政

治の力”は落ちていくものと思われます...

  【行政府】においては、“公金のムダ使い”が、国家財政を破綻させているのは、

民全体が知るところとなっています。また、“天下り・官による明らかな不正”は、“法

治国家の基盤”【司法】を、まさに液状化させています。

  また、“官による法治の乱れ/社会規範の乱れ”は、国家構成の“中流域”“下

流域”にも流れ下り、すでに国家全体で、悪事が堂々とまかり通る社会になっていま

す。この状況に対し、まさに【司法】が手をつけられず、放置している状態です...

  さて、その“法治国家の番人”である【司法】ですが、どうも新しい裁判員制度の導

入の方に、御執心の様子です。しかし、裁判員制度の導入が、“法治国家・復元”

決定打となるとは思われません。したがって、【司法】に対しても、この緊急事態にお

いて、はなはだトンチンカンなものを感じます...」

「そ、そう思います!」菊地が、やや顔を紅潮させながら言った。「もっと...“根本的

なもの”を、動かさなければダメです!」

“根本的なもの”とは?」江里香が、聞いた。「どんなものでしょうか?」

「やはり、“慣習法”です!

  法律だけでは、社会統治はできません!法律以前の法律/“慣習法”の基盤がな

ければ、社会統治できません。“努力”“勤勉”“勇気”“優しさ”“社会奉仕の精

神”などを評価する、私たちの伝統的な、文化基盤のエキスです!」

「その通りです!」片倉が、グッと掌を開き、それを見つめた。「“慣習法”というのは、

言い換えれば、文化であり、礼節です...社会が、長い間に形成してきた、まさに“人

間の精神基盤であり、社会形成のエキス”です。

  これがあってはじめて、“法律”と言うものが生きてくるわけです。また、文明という

ネットワークに、有意な意味が与えられるわけです」

「はい...」江里香が、コブシを口に当てた。

 

“社会上流域”としては、」片倉が言った。「もう1つ、【公共放送・マスメディア】があ

るわけです...一時は、【司法・立法・行政】という“3つの国家権力”に次ぐ、【第4の

権力】と揶揄(やゆ)されましたが、情報化時代で、その影響力は増大しています」

「はい、」

「ところが、日本においては、この【公共放送・マスメディア】もまた、壮大なモラルハ

ザードに陥っています。マスメディア本来の使命である、“民主主義の啓蒙”“文

化の普及と拡大”“情報の伝達と、社会の演出”という謙虚な役割を、見事に忘

去っています。

  マスメディアは、自らが社会の中心/スターそのものになろうとし、“謙譲の美

徳”を失い、“日本社会の醜態”そのものになっています。まさにメディアという“役得”

に溺れ、高潔な精神を失い、官僚と同様にコケてしまっています。

  【第4の権力】とは、まさに国家権力を監視し、“民衆側の牙城”であるべきはずの

ものです。しかし、高潔な精神を失墜すると共に、その総合的実力さえも各段に落ちて

きているようです。それはまさに、“世襲”“政治家の実力が空洞化”しているのと、

同質のものを感じます...同じことが、起こっているのかも知れません...」

「どうして、」江里香が、両手を組んだ。「マスメディアが、そうなってしまったのでしょう

か?」

「うーむ...」片倉も、彼女につられて、両手を組んだ。「どうコケてしまったのか、分析

してみると...

  やはり、壮大なモラルハザード、ということでしょう...高潔な精神/品位の高い

文化の原理〕から、単純な欲望/低俗な経済の原理〕へと押し流されたわけでしょ

う。そして、わずかばかりの既得権に溺れ...自らの存立する場所を見失い...

針盤もなく、洋上を漂流しているように見えます...

  しかし、それでは、“社会的求心力”が失われ、国民・民衆も困ってしまうわけです」

“社会的求心力”ですか...」江里香が、ボンヤリとつぶやいた。

「そうです...

  【公共放送・マスメディア】のこうした現状が、まさに国民〔主権の発動の場〕を奪

い、国家・社会未曾有の大混乱を作り出したいます...“国家・上流域”で、わず

かばかりの欲望を満たすために、国家が“大崩壊の危機”に瀕しています...

  マスメディアには、日本人の“謙譲の美徳”を取り戻して欲しいですね。もともと、

ディアメディアであって、文化の本質ではないのです。ちょうどそれは、パソコンや、

携帯電話のようなアイテム(小道具)なのです。たまには、パソコン携帯電話そのもの

に興味が行きますが、肝心なのはやはり情報の中身なのです。文化全体もそうです。

その奥深さは、文化自体の中にあるのであり、メディアがそれを支配することはできま

せん」

支配しようとすると...」菊地が言った。「薄っぺらで、優劣もデタラメで、一極集中報

のようなことになってしまいます。国民はもう、スポーツの話はウンザリだし、芸能人

の話もウンザリです。

  もともとは、そうした話は好きなのです。しかし、押し付けられるのは“大嫌い”なわ

けです。いまのマスメディアは、そうした“くだらない情報”で溢れ返っています...」

「うーん...」江里香が、困ったように首を振った。「本当に、そうですね、」

 

【公共放送・NHK】は...」片倉は、厳しい顔で言った。「特に、“国民の浄財”で運

営されているわけです...“国民を裏切っている責任”は、非常に重大です。まさ

に、こした事態にならないために、“あらゆる権力から独立”した形の“浄財”で運営

してきたわけです。

  それが、いつの間にか、“権力の側/体制の側”に擦り寄っていたわけです。これ

は、幾何学的明瞭さで、“浄財”を拠出している“民衆”を裏切っています。その上、【第

4の権力】を持ったと、まさに勘違いをしています...さらに、恥の上塗りで、“浄財”

拒否・保留した“民衆”提訴する準備をしているようですねえ...」

「はい!」

NHKが...“浄財”を支払わないと言うことで、訴訟を起こすなどと言うのは、まさに

本末転倒です。自分の置かれている立場が、まるで分っていません」

「そうですね!」

「国民としては、“My Weekly Journal”で津田・編集長たちが主張しているように、や

はり、“新・公共放送”を立ち上げるべきでしょう。

  “公共放送”役割を、まるで果たしていないNHK“解体”すべきです。“浄財”

を出してきた国民は、“浄財”を停止し、組織を解体する権利があります。そして、まさ

“情報革命”の中で、“新・民主主義”にふさわしい、ボトムアップ型“新・公共放

送”“再編成”するべきです」

「はい!」江里香が、うなづいた。「ボトムアップ型というのは、これまでの、シャワー型

/トップダウン型公共放送ではなく、下から積み上げて行くものですね?」

「そうです。トップダウン型/動脈型組織としては、すでに行政組織があるわけで

す。21世紀型民主主義社会に必要なのは、ボトムアップ型/全員参加型/静脈

“新・公共放送”なのです。これが、まさに、必須のアイテム(小道具)なのです」

「はい!」

                                  「詳しくは、こっちだよな」  

 

  〔2〕 自民党・経団連”による     wpe8B.jpg (16795 バイト)   

       社会の分断“国民の弾圧”が本格化! 

                     

 

“自民党・経団連”は...」江里香が、ポン助の頭に手を当てながら言った。「本当

に、国民の弾圧政策を始めたのでしょうか?」

「そうですねえ...」片倉が言った。「大事な所ですし、当然、反論もあるでしょう...

  そういう指摘を受けて、 think tank=赤い彗星でも、改めて精査してみま

した。本当に、そんな事実があるのかと言うことです」

「はい!」

「まず、“国家・上流域”でのモラルハザードは、これは確実にあります...

  これは、実は急激な話ではなく、20〜30年にわたる、この国の“構造的な病根”

あり、“病巣”です。むろん、それ以前にもあったのでしょう。ただ、高度経済成長時代

には、その巨大な成長のベクトルの中で、たいした問題にもならなかったのです。

  そして、バブルがはじけ、すでに構造的な病巣世代交代を繰り返し、社会差別も

固定化の段階に入っている様子です。それが、大方の結論であり、今回の私たちの

精査でも、そうでした。

  “利権・既得権の世襲”は、政治の世界ばかりでなく、芸能の世界マスコミの世

でも当り前になっています。また、官の世界などでも、深刻なほど進行しています。

この、欲望を糧としたモラルハザードには限度がありません。

  すでに、“武士道”はなく、“風雅”もなく...ひたすら“利”を商う“経済至上主義”

流され...欲望の支配するモラルハザードは社会に大混乱を引き起こしています。」

「そうですね...」江里香が言った。「芸能人の裏話なんかは、聞きたくない人は、本

当に迷惑だと言います。そんなことを、放送で流しているマスコミは、国民をある意味

では弾圧しているのでしょうか?」

「うーむ...ありうると思います...」菊地が、うなった。「私は...最近では...

ポーツニュースも、ほとんパスですね...そうさせている“大きなカラクリ”がある

と考えるべきでしょう。

  マスコミが“力を落としている”といっても、それが分らないほど馬鹿ではないでしょ

う。そうさせている、“巨大な歯車”がそうさせているのでしょう。番組の編成デザイ

ンの段階で、巨大な力で捻じ曲げられているのです」

「はい、」江里香が、真剣にうなづいた。

「だから、“経済原理の影響”を受けない、国民の“浄財”で運営する公共放送を、“国

民自身の手”に取り戻す必要があるのです。そこに、〔国民主権発動の場〕確保

きるわけです」

「そしてまた...」片倉が言った。「そこに、“権力の側・経団連の側”との、“NHKを

めぐる綱引き”があるのかも知れません。公共放送を、真に〔国民主権発動の場〕

変えられては、まずいことになる既得権勢力があるわけです。

  だから、NHKトヨタの人間を送り込む必要があるのでしょう。〔2007・マニフェス

ト〕で、青木・政治部長が言っていますが、“NHKの解体・再編成”が、まさに“戦略

の発火点”になりそうです」

「どうやら...そのようですね」菊地が言った。

 

「さて...」片倉が言った。「モラルハザードは、“国家・上流域”から溢れ出し、川下

へ拡大し...日本文化全体衰退させ...“法治国家”の基盤液状化させていま

す...これに一役買っているのが、【公共放送・マスメディア】の、“故意”による社会

混乱の促進と言うわけです。

  “故意”に、と言うのは...まず、テレビでの、真面目“政治問題の討論”や、“社

会問題の討論”は、ほとんど無くなってきたことです。かっては、そうした真面目な討論

も、確かにあったのです。それが無くなっているのが、何よりの証拠でしょう。

  後は、国民が、そのことをどう判断し、どういう行動に出るかです...」

「はい!」江里香が、うなづいた。

「まあ...くり返しますが...

  そうした真面目な番組を、あえて無くしているとしか、思えないわけです。そうした、

マスメディア内部の、しかも上層部の事情は、外部からはなかなか窺(うかが)い知ること

はできません。それは、NHKもそうなのです。だから、NHK解体し、ボトムアップ

“新・公共放送”に、“再編成”する事が必要なのです。

  国民のための、〔主権発動の場〕が、21世紀型/新・民主主義社会の建設

には、どうしても必要です。ここが機能不全では、〔日本の21世紀社会〕は、暗澹たる

ものになります」

「そうですね!」菊地が、強くうなづいた。「まさに、ここが要石(キーストーン)になります!」

 

「あの、」江里香が言った。「【官の世界】でも、“世襲”は起こっているのでしょうか?」

「そうした傾向があります!」菊地が、興奮気味に言った。「定義は難しいですが、そ

れは、“教育格差”に明確に表れています。教育にお金がかけられなければ、“東大

クラス”の大学には、事実上、入学できないと言われています」

「あ、それは、よく聞きますよね」

「これは、」菊地が言った。「東大生の、親の職業所得の統計を取れば、歴然として

いるそうです。この“教育格差”というのは、実は、“究極的な社会差別”なのです。

  これまでは、タテマエでは、いわゆる“上流社会”には“壁”はありませんでしたし、

“庶民社会”とは、うまく住み分けていました。“庶民社会”には、それなりの自負もあ

り、それなりの豊かさもあったからです。しかし、これからは違います。

  “政界・芸能界・マスコミ界”等で、“世襲”が常態化し、マスメディアで大いに宣伝

れているからです。マスメディアを奪い取ってしまっているからです。そうしたものが、本

来の“上流社会”に組み込まれていくと...いよいよ、一般国民の反発が始まると思

います。そこに、明確な社会の壁ができ、それが目の前にぶら下がってくるからで

す。

  しかも“社会の2極化”が起こり、“弱者への弾圧”もあからさまに始まっています。

国内的に、“テロ社会”への危険が増幅しているのです。こうした政策を、このまま進

めさせるわけには行きません!」

組織的なテロは...」片倉が言った。「今はまだ存在していないようですが、すでに

粗暴な殺人事件などは、連日、ニュースで報道されていますねえ...」

「はい、」江里香が、口に手を当てた。

モラルハザードからの脱却プログラム/提示なし≫ wpe8B.jpg (16795 バイト)

                         

「こうした“未曾有の社会混乱”に対し...」片倉が言った。「“国家・上流域”=【司

法・立法・行政+マスメディア】での自浄作用の処方箋 ...“モラルハザード脱却の

プログラム”は一向に示されていません...

  “国家・上流域”では、この“壮大なモラルハザードの蔓延”を、どのように処理し

ようと言うのでしょうか...くり返しますが、自浄作用の処方箋は、一向に提示され

ないのです...

  小泉・前政権でも、安倍・政権でも提示はなく...NHKでも、他のマスメディアでも

議論すらしません...最近では、“世襲問題”は、話題としても取り上げられません」

「一時期...」菊地が、頭を斜めにした。「企業社会で、コンプライアンス(法令遵守)の徹

が叫ばれた程度でしょうか、」

「そうですねえ...最近ではそのぐらいです...

  それで...実は、“国家・上流域”で打ち出している対策というのが、新・身分差

別〕の押し付けだったのです...“社会の分断”/“国民の弾圧”政策だったので

す。つまり、“自分たちは何をやっても許される/身分が違う”という、新・上流階級〕

創設です...これが、ズバリ...“処方箋”だったのです」

「そんなことが、許されるのでしょうか!」江里香が、顔を赤くした。

国民は、許さないでしょう!」片倉が、ゆっくりと、うなづいた。「絶対に、承服しな

いでしょう!何故、こんな馬鹿なことをするのでしょうかねえ!

「はい!」

「しかし、現在の権力体制の側は...“政治家の世襲”も、“文化人・芸能人・マスコ

ミ人の世襲”も、“富の寡占化”も、“官僚のムダ使い”も...新・上流階級〕の創設

で黙らせてしまおうと企(たくら)んでいるわけです...

  したがって、将来的に、組織的なテロ社会の事態も、想定されるわけです。小泉・前

首相も、安倍・首相も、国際テロと戦うことを想定しているようですが、国内テロを生

み出す事態こそ、憂慮すべ課題きです...

  その程度のことが分らない宰相が、“人気!、人気!、人気!”と空騒ぎしていま

す。まさに、裸の王様を演じつづけています...」

「うーん...」江里香が、口に手を当てた。

分析すると...」片倉が言った。「まあ...そういうことです」

「そうですね!」菊池が、興奮しながら、コクリとうなづいた。「新・上流階級〕の創設

は、うまく行かないと思います!日本は今、“国内テロ社会”入口にいるのかも知

れません!現在の事態を、安易に扱うべきではありません!」

「そうですねえ...」片倉が、言った。「こうした、厳然とした“階級社会”ができること

に対し、国民は座視することはないと思いますねえ...」

「本当に、」江里香が言った。「“国内テロ社会”になるのでしょうか?」

「うーん...」菊地が、首をかしげた。「かって...安保闘争を経験し、学生運動を展

開し...あの“連合赤軍”をも生んだ“団塊の世代”が、いよいよ定年を迎える時期

が近づいています...

  この“団塊の世代”が、まさに大移動する時...新・身分差別社会〕/“新階級

社会”の出現を、座視して受け入れるでしょうか...これが、今後の日本の動向の、

1つのカギになります。

  “団塊の世代”が、まさに高齢者の仲間入りをするこの時点で、年金・医療デタラ

で、“国家・上流域”から負担増・身分差別大弾圧が加えられようとしています。

非常に危険な臭いがします!」

「そうですねえ...、」片倉が、二度うなづいた。「彼等は、闘うと思います。経験もあ

りますね。また、そうした、熱い血を持っている世代です...」

「それに、」菊地が、紅潮した顔に、微笑を作った。「まだ、体力も十分にあります...」

「そうですね。ここはひとつ、はっきりと“警告”しておきたいと思います。絶対に、

内テロを生み出すような事態は、避けるべきだということです!

  その意味でも、国民の側は、早期に速やかに、〔新・公共放送〕再編成し、“新・民

主主義”のもとで、国家体制を再編成する道を勝ち取って欲しいと思います。〔新・公

共放送〕というツール(道具)を使い、〔国民主権発動の場〕をしっかり構築して欲しい

と思います。」

「はい!」菊地が言った。「それが、カギになりますね!」

 

“2005・郵政選挙”の大罪≫          

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新・身分差別社会〕を、大きく推進したのが...」片倉が言った。「小泉・前政権

“2005・郵政選挙”でしょう...あれは、悪い意味で、“歴史に残る選挙”でした。

  その“2005・郵政選挙”に際し、大量の選挙資金を用立てたのが、経団連です。

当時の奥田・経団連会長は、トヨタ自動車の会長です...この小泉・前政権“右

傾化・国民弾圧政策への大転換”を、非常に高く評価し、これもまた、“歴史に悪

名”を残しています...

 奥田・前会長は、それを“マスコミでも広言”する豪腕でした...財界のトップに立っ

ていた人ですから、実際によほどの“戦略的な利潤”があったのでしょう...」

My Weekly Journalの...」菊地が言った。「津田・編集長青木・政治部長

が指摘していますが、私たちの精査でも、まず間違いないですね...

  1つ、はっきりと言えることは...“2005・郵政選挙”では...結局、国民は、あ

まり認めたくはないことですが、小泉・前首相にだまされたわけです。ペテンにか

けられたわけです。それに、まんまと載せられてしまったわけです。

  そのあげくに、今でも...そして次の安倍・政権でもそうですが...“人気だ!人

気だ!人気だ!”と、意固地に、それにシガミ付いています。これは、現在、広い視

野から検証してみても、間違いないですねえ、」

「やはり...」江里香が、片倉の方を見た。「そういうコト、なんでしょうか?」

「間違いありませんね」片倉も、うなづいた。「小泉・前首相は、本当は“財界/経団

連”の方を向いていたわけです。そっちを向いていて、善良で素朴な国民をだまくらか

し、“なぶりもの”にしたわけです。

  両方に、いい顔ができるわけはないのです。つまり、最初から、国民を裏切っていた

のです。その証拠に、奥田・前経団連会長絶賛するように、“富の寡占化”はどんど

ん進み、景気も回復しました。しかし、一方、“国民の富”は痩せ細り、その上“負担”

増すばかりです。この現実が、全てを証明しているでしょう...」

「はい、」

“財界/経団連”にいい事ではあっても、国民には過酷な現実・未来があるばかり

です。その上で、エルビス・プレスリーなみの、パフォーマンスにだまされた訳です。ま

あ、実際にも...マスコミが言っているほどの人気は、なかったでしょう...」

「そうでしょうか?」

「これも、国民ペテンにかけ、国民裏切り続けている【公共放送・マスメディア】

言っていることです。この“世論調査だけは本当だ”と言われても...素直に首を縦

には振れません。それほど、国民を愚弄しているわけですから...

  まあ、安倍・政権はスタートしたばかりですが、安倍・人気にも、どこかピーマンのよ

うな、中身がカラッポの様子を感じます。あ、いや、安倍・首相の、人格について言っ

ているのではありません。人気が、どこか、ピーマンのようだと言っているのです」

                             

「あの、」江里香が言った。「小泉・前首相は、そんなことをして...どうするつもりだっ

たのかしら?」

「うーむ...」菊地が、ボールペンを、真っ直ぐに立てた。「小泉・前首相は...多分、

アメリカの子分になりたかったのです。それから、アメリカ型貧富の差の激しい、

イナミックな社会にしたかったのでしょう...

  小泉さんのアメリカびいきは、アメリカ軍基地のある横須賀が出身地ということも、

関係があるようですねえ...」

「アメリカ型のダイナミックな社会にですか、」

「そうです」菊地がうなづいた。「具体的には、こうです...

  日本という国の“富”を、1つのパイだとします...日本という社会システムが生み

出した、“果実であり/富のパイ”です...“富の寡占化”とは、権力者の側が、その

パイを自分たちで“食べきれないほど”取ってしまうことです。そして、8割の国民

は、ほんの少しになるように、“パイの切り方”を変えたのです...

  それが、小泉・前首相のやったことであり、奥田・前経団連会長が、非常に高く評

したことです。しかし、それでは一体、誰のために国家はあるのかということです。

“国民が主権者”であり、国民のためにこそ、国家はあるのです...」

「でも、何故、そんなことをするのかしら?」江里香が、重ねて聞いた。「何故、“食べき

れないほど”...“余ってしまうほど”...パイを取ってしまうのかしら?意味ないで

すよね?」

「それを...」片倉が、頬に片手を当てた。「“資本主義のゲーム”にしたいのでしょ

う...

  自分では、“食べきれないほどの料理”を皿に取るのは...別に食べたいからじゃ

ありません...“2005・郵政選挙”で、ホリエモンを持ち上げた自民党を見れば、そ

れがよく分ります。結局、ライブ・ドアも、ホリエモンも、コケてしまいましたが、その意図

ははっきりと分ります...つまり、“資本主義のゲーム”にしたいのです」

「...」

「簡単に言ってしまえば、“富”を見せびらかしたいのでしょう...皿に、ほとんど食料

のない“不幸な人々”を見て、自分たちが満足を得たいのです。本来は、みんなで仲良

く分配し、食べるべきパイなんですがねえ。社会システム全体で生み出した、“果実”

なんですから、」

「でも、みんなのものなら、そんな権利はないわけだし、行儀が悪いですよね」

「そうです...」菊地が、ゆっくりとうなづいた。「行儀が悪いし、欲が深いし...“資

本主義/経済原理”というものは、“欲望”が強く作用します。そして、その分、きわめ

ダイナミックに波動します...それが、共産主義・社会体制に対し、勝ちを収めたの

です」

ゲームというものは、」片倉が言った。「それがダイナミックなほど、面白いわけです。

そうでしょう、江里香さん?」

「ええ。それは、そうですけど...でも、最初から、パイを少ししかもらえないのは、

ール不公平ではないかしら?」

「その通りです!」片倉が、コブシを握った。「まさに、その通りです!

  ゲームを始めるのに、最初からハンディがあるのはおかしいのです。資本主義社会

では、資本というものは世代を越えて引き継がれます。まさに、ここに、資本主義の

功罪があります。

  開発型社会では、資本主義は実にダイナミックであり、効果的なのです...ところ

が、人類文明の版図が地球表面で限界に達し、飽和状態になりました。そして、いよ

いよ文明の版図縮小に向かわざるを得ない場合は...資本主義のダイナミズム

は、むしろ弊害となります。

  しかし、“反・グローバル化”の流れは、いずれ巨大資本の世界支配を終息させて

行くでしょう。“自給自足社会”では、巨大資本を必要としません。それどころか、たった

一人でも、家族単位でも、都市単位でも、あるいは国家単位でも、自給自足というのは

可能なのです。

  そうした様々なレベルで...自給自足が可能です。したがって、現在の日本の社

会の中でも、誰でも自由に、今すぐにでも、自給自足はスタートできます。可能な範囲

で、それを始めればいいのです。

  それを、次に“反・グローバル化”という大きな国際社会の流れに統合し、“文明

の折り返し”を実現していく、原動力として行くのです...その具体的な青写真の1

が、当ホームページが提唱している、“人間の巣”の展開です...」

自給自足の、」菊地が、なごやかに言った。「安定社会の中で、ゲームを楽しむこと

はいいことだと思います。

  でも、社会形態は、経済中心ではなく、文化中心に運営するべきです。それが、透明

な、平和的な社会を持続する、1つの柱になると思います...

  高杉・塾長たちの言うように、“文明をデザインして行く時代”が、近々やって来る

のだと思います」

「はい!」江里香が、ニッコリとうなづいた。 

財界経団連と、消費者との対決≫         


      VS  wpe4F.jpg (16599 バイト)wpe38.jpg (21997 バイト)  

 

「さて...」片倉が、腕をまくった。「問題の“2005・郵政選挙”時...経団連・副

会長キャノン御手洗(みたらい)・社長でした。現在の経団連・会長です。立派な人物

との評価です...」

「はい、」江里香がうなづいた。

「しかし、その御手洗・経団連会長は、前・会長“奥田・路線”を引き継ぐと記者会

見で述べています。そして、まさに、“国民弾圧/格差社会”は、本格軌道に入ろうと

しています。

  日本の社会に、現実に、新・上流階級が定着し、新・身分差別社会〕スタ

しています。私は、御手洗・経団連会長には、この流れを転換して欲しかったので

す。“経済・原理”ではなく、“国民・原理”の社会に、戦略転換して欲しかったのです」

「はい...」江里香が、じっと考え込んだ。

「しかし...“奥田・路線”は、まさに継承されている現実があるわけです...それと

も、“御手洗・路線”が、新たな戦略的方向性を打ち出したのでしょうか?方向の大転

が無いとしたら、我々としては、この現実と闘って行かなければならないでしょう」

「そうですね...」菊地が言った。「戦略の大転換は聞いていませんし、新・上流階

級〕の構築も、一段と進んでいく様相ですね...」

 

「さて...」片倉が言った。「これは、 think tank=赤い彗星が始動する前

の話になりますが...

  “My Weekly Journal”は、“維新・戦略”において、トヨタキリンキャノン

の、消費者戦略/“買い控え戦略”を主張していました...

  しかし、この消費者戦略/“買い控え戦略”は、経団連政策転換には至らなかっ

たわけです。まあ、当然と言えるかもしれませんが、その一方で“富の寡占化”は着実

に進んでするわけです...“国民への弾圧/負担増”も、現実絶えがたい段階

入っています。

  この異常な社会状況に対し、“サイレント・マジョリティー(声なき多数)は、さらに

結が必要です。日本の国における、“主権者の立場”、そして“平和憲法の立場”

より鮮明に主張する時です」

「はい!」江里香が、真っ直ぐに片倉を見つめ、うなづいた。

「くり返しますが...日本は“企業・主権”の国家ではなく、“国民・主権”の国家です。

れを“日常の場/文化の場/消費市場”でキッチリと確立すべきです。とりあえず

は、“買い控え/消費戦略”を徹底し、財界・経団連“富の寡占化/労働の2極化”

に対抗していくべきでしょう。

  トヨタキリンキャノンの各企業は、消費者の力解体してもかまいませんし、

メリカ中国へ出て行くのなら、それもかまいません。社会改革は、そういうドラスチッ

(徹底的)な段階に突入していることを自覚すべきでしょう。

  いずれにしろ、〔明治維新・以前〕の、身分差別社会が復活しようとしているの

す。しかも、実現すれば、“組織的なテロ社会”になるのは、ほぼ確実です。それ

は、“日本赤軍”“連合赤軍”などの学生運動の武闘派を彷彿とさせます。その“団

塊の世代”が、定年を迎えるというのも、不気味です。

 もちろん、イラクのようなテロ社会になることは、絶対に避けなければなりません。そ

のためには、“主権者・国民”が団結し、〔主権発動の場〕で、国家・社会を正しい方

向へ導いて意かなければなりません。

  “買い控え/消費戦略”は、一方で痛みも伴う人々がいます。しかし、何もしなけれ

ば、新・身分差別社会〕がやってきます。そして、“文明の折り返し”は遠のき、ます

ます“閉塞状況”に追い込まれて行きます...」

「とりあえず...」菊地が言った。「そういうことですね...

  ここで負けてしまえば、本格的な国民弾圧が進み...〔新・上流階級の出現

を許し...“国内テロ社会”に突入して行くでしょう。“国内テロ社会”だけは、絶対に

避けなければなりません」

「そうです...」片倉が言った。くり返しますが...

  私たちは、“経済優先”でこの国を再生させるのではなく、平和憲法にもとずく“日

独自の世界平和戦略”を持ち、“覇権主義の終焉”を推進し、“反・グローバル化”

/“自給自足型”の文明展開を提唱しています。

  当ホームページで提唱している、“人間の巣”は、その未来志向型社会具体的

な風景を描いています...」

「はい!」江里香が、コクリとうなづいた。「財界・経団連の描く、“グローバル化の推

進/開発・発展型社会モデル”に、負けるわけにはいきませんよね!」

「その通りです!」片倉が、大きくうなづいた。「人類文明未来のために、何としても、

“文明の折り返し”を、実現しなければなりません!それにはまず、財界・経団連

対し、“買い控え/消費戦略”を展開し、この国は経済・主権国民・主権かを明確に

打ち出します!」

「はい!企業が常に“消費者戦略”を展開しているように、今度は消費者が、“企業戦

略”を展開し、社会のあり方を変えていくということですね?」

「そういうことです...そして、“時代を変えていく”ということです」

「はい!」

  〔3〕 “主権・発動の場”/再編成  wpe8B.jpg (16795 バイト)      

     “国民・直接行動”多重スタート

         vs         

 

〔国民主権/形骸化の原因は...」片倉が言った。「民主主義社会における

権発動の装置が壊れていることに起因しています。

  つまり、【第4の権力】とさえ言われる【公共放送・マスメディア】機能不全であ

り、“国民・民衆への裏切りです。【マスメディア】が、わざと不真面目に、かつ

“国民・民衆をもてあそんでいるがあります。

  これは、個人的な感性もありますが、TV番組などが非常に手抜きになり、短絡的

なり、つまらなくなったことでも分ると思います。しかも、それが故意でなく、実力も低下

し、文化発信力そのものが幼稚化しているのも、明らかに“国民に対する裏切り”

言えます。

「はい...」江里香が、首をかしげ、ボンヤリとうなづいた。「どうして、そんなことにな

ったのでしょうか?」

【マスメディア】が、文化の原理ではなく、経済の原理に流されているからです。“公共

放送・NHK”が、“運営委員会”から“経営委員会”になってしまったのが、まさに象徴

的です」

マスメディアの、」菊地が言った。「特に、TV・メディア“国民への裏切り”は、確

かでしょう...私も、それは感じます...

  報道が画一的になり、堕落し、民意が反映されていません。それに何よりも、かって

のような“面白さ・楽しさ・信頼性”が、“長期的かつ急速”に、落ちて来ています。今で

は逆に、“くだらない・不愉快・不信”の領域に入っている放映時間が、長くなって来て

います。

  それから、基本的な問題ですが、“社会問題”真面目に議論する事がなくなりまし

た。NHKなどは、1日に5時間〜10時間、あるいは全放送を、“政治問題”“社会問

題”“教育問題”などを、〔真剣に議論する場〕に設定するべきです。

  特に、モラルハザードが蔓延し、国家全体危機的状況に陥っているわけですか

ら、当然その責任を感じても良いはずです。ただ、ひたすら、“現在のスタイルでお願

いします”では、知性のカケラもありません。“自分たちの既得権”のことよりも、“国家・

国民・民衆”のことを考え、自ら進んで、組織を解体・再編成するべきです」

「それが...」片倉が言った。「公共放送本来の使命でしょうねえ...

  しかし、現在は、NHK職員のための、単なる職場になってしまっているようです。

“放送の質”の以前に、“公共放送のスタンス/本来の使命”を、しっかりと確認して

欲しいと思います。

  “国家・上流域”は、どこも“玉石混合”ですから、全てが単一に、“粗悪な石”と言

うつもりはありません。中には、“玉”もあるでしょう。それは、大いに認めます。しかし、

全体として自浄作用機能不全であり、全体が真黒に汚濁して来ています...

  官僚組織を眺めれば、そうしたことが典型的に分ります。つまり、組織全体として、

国家を食い潰している現状があるわけです」

「はい、」江里香が、うなづいた。

「私たち自身、」菊地が言った。「むろん、完全な人間ではありません。しかし、“国家・

上流域”には、組織としての“国家的使命”があるはずです。それで、賃金が支払わ

れているはずです。それが、わずかばかりの既得権欲望に溺れ、国家を未曾有の

危機的状況に陥れていることは、言語道断です。すなおに、反省すべきです」

  江里香が、菊池を眺め、ゆっくりとうなづいた。

「さて...」片倉が、キイボードを幾つか叩いた。「内閣の...“経済財政諮問会議”

には...安倍・政権になっても、相変わらず経団連・会長定席のように就任してい

ます。

  これは、まさに象徴的な人事でしょう...しかし、この国の“主権”は、いわゆる

“財界”にあるわけではないと言いたいですねえ...逆に、財界・経団連と対峙する、

国民の側にこそ“主権”があるのです。政治は、経済財政中心に動かすべきではあ

りません。主権者・国民を中心に動かすのは当り前のことです」

「そうですね、」江里香が言った。

「その、財界・経団連と対峙できる組織こそ、」片倉が、力をこめて言った。「まさに“国

民の浄財”で運営されている公共放送なのです。

  しかし、この公共放送“国民を裏切っている”わけであり、いよいよ“国民に対

する大弾圧”が、大っぴらにまかり通ってきています。〔主権発動の場〕が、敵側

手に落ち、機能不全に陥っているからです...」

「そうです!」菊地が、甲高い声で言った。「しかも、現在の“公共放送・NHK”は、

金の使い込、まさに官僚なみ”乱脈ぶりです!」

「そうですね!」江里香がうなづいた。

「国民としては、」菊地が、コブシを握りしめた。「毎月、苦しい家計の中から、“浄財”

を拠出している意味がありません!何度も言いますが、、いつの間にか企業のような

“経営委員会”ができています!そして財界人や、体制の側の人間で“経営”されて

います!」

「はい!」

「これでは、民意が反映されるはずがありません!まさに、公共放送が、“経済原理”

で動いています!誰のための公共放送か分りません!国民は、単に“浄財”だけを

奪われている状態です...」

「そして、」江里香が言った。「“浄財”を出さない人は、提訴するわけですね!本当に、

ひどい話です!」

「そう...」片倉が、静かに言った。「その上、驚いたことに...国民を弾圧する側

ある、前・経団連・会長のいたトヨタ自動車から、新たにNHK・経営委員を抜擢して

います。

  いったい、誰が、こうしたことを決定しているのでしょうか。NHKの実態というのは、

いったい、何処にあるのでしょうか...

  私も、何度も言いますが、“浄財”を拠出し、“国民の側”にあるはずの公共放送が、

実は、対立する経団連に乗っ取られていたわけです...しかも、“浄財”拒絶すれ

ば、公権力に訴えると言います。これは、まさに“浄財”強奪でしょう。本末転倒

す」

「こんな状態では、」菊地が言った。「“国民の望んでいる公共放送”に、なるはずが

ありませんね...“浄財”を拠出すれば、民衆を弾圧する側に利する仕掛けになっ

ているわけです。

  ここは、いよいよ、聴視料“断乎・拒絶”し、糧道を断つべきでしょう。そこから、ま

さに、公共放送の、“解体・再編成”が始まります...本当は、内部からクーデター

を引き起こし、それを実行して欲しいのですがね」

「はい!」江里香が、菊地に強くうなづいた。

 

善良な日本国民は...」菊地が、腕組みをした。「本来...公共放送が、“国民を弾

圧する側に回る”などと言う概念は、持ち合わせていませんでした...

  それどころか、“民主主義の啓蒙”“民主主義の牙城”“日本文化/慣習法の守

護神”と信じて来たわけです。それが、フタを開けてみたら、本来の任務を全く果たさ

ないばかりか、官僚なみ公金をムダ使いし、しかもグレてしまっていました...

  その上に、“浄財”を拠出している国民を裏切り...弾圧する側に寝返り...“浄

財”を出さなければ、公権力の側に訴えると言います。これは、どういうことなのでしょ

うか...」

「はい...」

「何と言うか...あまりにも“品格/気品”というものが...欠けているのではない

でしょうか...暴力団か、ヤクザの論理のようです」

「それも、敵役(かたきやく)ですね、」江里香が、菊地を眺め、まばたきした。

「そ、そうです!」菊地が、うなづいた。「組織の実態も、“運営委員会”“運営”する

のではなく、いつの間にか“経営委員会”“経営”しています。いったい、公共放送

“経営”をしてくれなどと、誰が頼んだのでしょうか...

  少なくとも、“浄財”を出している1人として、私は知りません...」

「うーむ...」片倉が、生真面目な顔で、首を傾げた。「NHKが何時から、官僚化し、

し、“浄財”を出している国民を裏切っていたのかは分りません...かなり、長い時

間が経過しているのでしょう...

  しかし、財界・経団連にのっとられているような状態では、〔主権発動の場〕として、

機能するはずもありませんねえ...公共放送の中身が、ガラリと変わってしまってい

るのでしょう。“民主主義の牙城”でなくなっていることは確かです。何故、こんなことに

なってしまったのか...」

  江里香が、黙って片倉にうなづいた。

「日本の...」片倉が言った。「民主主義社会の閉塞状況は...まさに“公共放送・

NHK”機能不全に陥ったことに起因していると...断言してもいいでしょう...

  “主権者・国民”としては、事の次第を徹底的究明し、責任の所在と、処罰を明確

しなければなりません。

  国民が、国民のために設立した公共放送を...その“民主主義の魂”を、権力の

側/弾圧する側に売り渡しているとは、まさに言語道断です。何度も言いますが、私た

ちが苦しい家計から“浄財”を拠出していることが、まさにアダとなっています...」

「しかし、所長...」菊地が、ボンヤリと片倉を眺めた。「本当に、どうしてこんなことに

なったのでしょうか?」

「うーむ...」片倉が、顎に手を当てた。「私も、ずっとそれを考えてきました...

  おそらく...NHKは、官僚組織真似たのでしょう...“公共放送設立の真の意

味”を、だんだん理解しなくなって行ったのでしょう...民衆の側へ傾くよりも、“官僚

の側/資本の側/権力の側”へ行くのが楽であり、当然と思ったわけでしょう...

  官僚組織も、いまだに国民の側ではなく、産業界の方を向いていますからねえ...

最近は、多少変化もあるようですが、“天下り”がある限りは、産業界の方を向いて

ます」

「しかし、」菊地が言った。「“浄財”を出しているのは、民衆です。権力の側に傾くこと

は、組織として許されないことです。民衆としては、“浄財”を拒否してでも、NHK

し、再編成するべきです。

  それから、所長の言うように、事の次第を徹底的究明し、責任の所在と、処罰を

明確化すべきだと思います」

「うむ!」片倉が、うなづいた。「日本の戦後民主主義が、占領軍によって植え付けら

れ...形の上では民主主義国家になりましたが...日本は“真の意味での民主主

義社会”には脱皮できなかったと言われます...それが、良いものであったにもか

かわらず、中途半端な民主主義に終始してきました。

  NHKは、まさにそれと同一軌道上にありますねえ...敗戦により、占領軍によっ

て植え付けられたものだから...こうした戦略的な、“大きな齟齬(そご/くいちがい)

起こってしまったのでしょう。真の意味での公共放送は、育たなかったということです。

  しかし、笑って済ませてしまうには、“公共放送・NHK”の、あまりにも大きな勘違

です。責任を明確にし、処罰を厳格にしなければ、〔新・公共放送〕再編成が、

先へ進んで行かないでしょう...」

「そうですね、」菊地が言った。「“法治社会の復元”もそうです。モラルハザード

“オトシマエ”をつけなければ、“新しい法秩序”は再編成しても、機能はしません。

無条件に制圧したような場合なら、話は別です。しかし、“議会制民主主義の枠

内”で行うとしたら、“過去の清算は不可欠”になります」

「はい」江里香が、うなづいた。

NHKの...」片倉が言った。「“運営委員会”がしっかりとしていて...“浄財”を拠

出している国民に対し、真に開かれたものだったら...“民主主義の牙城”/“日本

文化の守護神”として、立派に機能していたはずです。残念ですねえ...

  ともかく、〔日本再生の要石〕は...ボトムアップ型〔新・公共放送〕再編成

にかかっているでしょう...」

「そうですね、」菊地が言った。「民営化も含めて、政府諮問会議で議論している様子

ですが、公共放送はもともとが、“権力の側”の持物ではありません。国民・民衆が、

“浄財”で支え、育ててきた組織です。

  “NHKが乗っ取られている”とはいえ...政治財界の側が、あれこれと(くちば

し)を差し挟むのは、まさに筋違いです。それならば、“浄財”をストップし、解体・再編成

するしかないということです。

  また、国民としては、“民営化”し、企業として“商売”に励んでくれ、などと頼むこと

は、絶対にないと思います。公共放送は、公共放送として機能してこそ、国民・民衆

にとっては、意味のある組織なのです。本末転倒であっては困ります...

  膨大なインフラや、資産・技術力は、〔新・公共放送〕を設立するための財産であ

り、資本主義・経済原理の中に捨て去るなどは、論外というものでしょう。したがって、

NHKは、解体し、国民・民衆貴重な資産として、〔新・公共放送〕の創設に際し、

編成されるべきものです」

「はい...」江里香が、固く唇を結んだ。「つまり、NHK解体し、再編成するのがい

いのですね?」

「そうです!」

  ≪NHKの枕詞  (まくらことば)   ・・・・・ “一連の不祥事”

         wpe56.jpg (9977 バイト)    wpe57.jpg (5177 バイト)               

“恥じ”という概念が...」菊地が、湯飲み茶碗を握りながら、言った。「最近の政治

官僚から失われていますね。これも、モラルハザードの影響なのでしょうか?」

「いや...」片倉が、茶を一口すすって、言った。「逆でしょう...

  “国家・上流域”にいる彼等に、“恥じる/自らの良心に対して恥じる/他者に対して恥じるとい

う事がないから、モラルハザード常態化し、蔓延・拡大し、“中流域・下流域”にまで

溢れ出してしまったのです。

  NHKにも、“恥じる”というものがあり...“民主主義の牙城/日本文化の守護

神”という本来の使命が、真に“組織の土壌”として定着していたら...【一連の不

祥事/膨大な不祥事】というような定冠詞が付くような事態は、絶対に起り得なかっ

たはずです」

「うーん...」江里香が、感心してうなづいた。「【一連の不祥事】というのは、NHK

定冠詞なんですか?」

「まあ...」菊地が、頭をかしげた。「それは、NHKが自ら使っている定冠詞ですね。

そんな冠詞のつく組織というのは、聞いたこともないわけですが...自分からそう名

乗っているのなら、しょうがないですね。つまり、“恥じている”ということでしょう」

冠詞というのは...」江里香が、指を立てた。「英語の、“a”や、“the”ですよね?」

冠詞というよりは...」片倉が、椅子の背に体を伸ばした。「文法的に言えば、枕詞

(まくらことば)かも知れません...

  枕詞というのは、短歌で使われる、“たらちね”とか“ひさかた”などの修飾語です。

“たらちね”と言えば、のことですね...まあ、広い意味では“前置きの言葉”です。

NHK“前置きの言葉”として、【一連の不祥事】という言葉を使っているのではな

いでしょうか。まあ、本当の所は、NHKに聞いてみないと、分りませんが...」

「はい、」江里香が、うなづいた。「NHK、そういう言葉の説明は、得意ですよね。し

っかりと解説してくれるのではないでしょうか、」

「そうだと思います...ええ...」片倉は、頭に手をやった。「最後に脱線してしまい

ました...申し訳ありません...」

 

≪2006年12月・・・“直接行動”“蜂起”の準備を

     wpe8B.jpg (16795 バイト)           

                                  「ポンちゃんが、ホウキを準備しましたが、意味が違っています

「ともかく...」片倉が言った。「これは、政党政治姿勢の問題に関連しますが、〔日

本国憲法〕にうたわれているのは、こういうことです...

  国家の本質というものは、“経済”“財政”が中心にあるのではないということで

す。“経済原理”は、あくまでも、“豊かな国民生活”のための“方便”だということで

す。そして、〔日本国憲法〕にうたわれているのは、まさに“国民主権”であり、“基本

的人権の尊重”です。この最も大事な部分が、最近は国家の基幹的領域において、

形骸化しています...

  具体的には、“国家上流域”=【司法・立法・行政】+【公共放送・マスメディア】

よる、モラルハザード蔓延です。その結果、国民に押し付けたのが、新・身分差

別社会であり、〔新・上流階級創出です...

  それは、別の側面では、“富の寡占化”/“労働の2極化”であり...“大企業優

遇/国民負担の増大”であり...“右傾化/戦前への回帰”を思わせる一連の政

です...

  コトの“真・偽”のほどは、現在進行中社会状況を見回せば、非常に明白です!」

「はい!」江里香が、強くうなづいた。

 

「重ねて言いますが...国民は、断じて、企業の隷属物ではありません!...

が、この国の主権者なのです。そして、主権者のために、国家はあるのです。

  それを、はっきりと打ち出すために、“消費者戦略/買い控え戦略”を強化します。

“My Weekly Journal”“維新・戦略”において、トヨタキリンキャノンへの、

“買い控え戦略”を主張していましたが、私たちも継続・強化を主張します。

  これには、もちろん痛みも伴います。しかし、すでに弱者“国民保険証”まで取り

上げられ、“死ね”という状況に追い込まれています。すでに、そうした非常に“ドラス

チックな戦い”に突入しているのです。

  国民は、財界・経団連を潰してでも、“富の寡占化”“労働の2極化”“新・上流階

級の創設”を防がなければなりません。そして、開発・発展型の社会形態をストップし

なければなりません。

  私たちは、これに代わる新・社会形態として、“文明の折り返し”“反・グローバル

化”と、〔人間の巣〕の展開を主張しています。

 

  この、現在の閉塞状況を打破し、主権発動の場新たに形成するために、最初

にすることは、NHK解体です。そして、ボトムアップ型〔新・公共放送〕再編成

することです。

  国民には、日々の生活があります。動きが遅く、一向に実現しない、政治スケジュ

ールだけを、待っているわけには行きません。そこで、〔民主主義・発動〕の、“国民

動/直接行動/ネット情報戦略”等を、多重にスタートさせて行くことを提言

ます。

 

  私たちは、多重・スタートを、〔2006年12月〕に設定してみました。国民的・大

抗議運動スタートです。それから、激動の2007年へ移行します...そのための

準備を開始して欲しいと思います.....

              think tank=赤い彗星からの提言です!」

 

                <それ以降は、2007・マニフェストに連動します>

 

       think tank=赤い彗星・所長: 片倉 正蔵 

 

 

                          

                                                              セブンアンドワイ