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2015.7.19mf更新
弁護士河原崎弘

養子の地位と代襲相続が並存する場合/弁護士の相続相談

相談内容

私は、5歳のときに祖父母と養子縁組をし、祖父母の養子となりました。
昨年、祖父が亡くなりました。祖父の遺言で、父が廃除されました。
祖父には、父を含めて実子が3人、養子(私)が1人です。祖母は既に亡くなって います。私には、兄が1人います。
私は、父の子供として、祖父母の遺産を代襲相続することができますか。
それとも、私は、祖父の養子として相続できますか。相続分の計算方法がわかりません。
相談者は、知人に紹介された法律事務所を訪れ、弁護士の意見を聴きました。

回答

孫が、祖父の養子になった場合、孫は、子としての相続権を持ちます。さらに、親が廃除されたために、代襲相続権も持ちます。
孫は、このうち1つの相続権しか主張できないとの説もあります。 その説では、あなたの相続分は、祖父の遺産の1/6(代襲相続)、あるいは、1/3(養子として)のどちらかを主張できることになります。

しかし、通説(戸籍先例) は、孫は、この2つの相続権(子としての相続権と代襲相続人としての相続権)を合わせて(重複して)持つと解釈しています(昭和26.9.18民甲1881号民事局長回答)。この説では、あなたは、両者の相続分、すなわち、1/6+1/3=3/6 の相続分を合算して、取得します。
まだ、判決例、審判例はありませんが、この両者の身分による相続分を 合わせ(重複して)持つとの見解が実務です。
なお、婿養子である夫が被相続人である場合、 その妻は、妻としての相続分のみを取得し、兄弟姉妹としての相続分は取得しません(昭和23年8月9日民甲2371号民事局長回答事)。
実親が非嫡出子を養子にした場合は、養子としての相続分を 認め、養子と非嫡出子両者の相続分は認めません。

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