オーディオ入門

かつてオーディオが立派な趣味だった時代がありました。書店に行けばオーディオ関係の雑誌や書籍が、テレビやラジオではオーディオ装置の宣伝が見られました。「オーディオ専業店」というのが成り立っていたのです。1976年からNHKが教育TVで放送していた技能講座オーディオ入門という番組は、オーディオ栄光の時代を物語ります。このページのネタは全て同番組のテキストです。

1979年のテキスト表紙です。おねいさんは三代目のアシスタント、米倉いずみさん。「技能講座」の名前が光ります。この「オーディオ入門」以来、NHK教育放送は「趣味」に分類されるような内容も扱うようになります。後の趣味百科、今の「趣味悠々」に繋がるもの。そういえば、今では中高年の趣味としてNHK公認となった(w二輪車が爆発的に流行したのは、趣味としてのオーディオが衰退した頃でしたね…

この時代は生録が盛んに行われていました。このような野外録音も、ソニーの「生録音」という小冊子を覚えている方はどのくらいおられるでしょうか。特にこの頃は蒸気機関車の引退が重なり、現役最後の咆哮を遺すべく携帯用録音機器が活躍しました。まさか20年後にもイベント列車とはいえ、沢山の蒸気列車が全国を走り回っているとは思っていませんでしたからね。上の写真で、上から蒸機を狙っているのはソニーのステレオエレクトレットコンデンサマイク、脇で狙っているのはソニーの野外用ダイナミックマイクF-115Aです。ミキサもソニー。レコーダは伝説のオープンデンスケ。右下の写真では集音器を使っています。レコーダは右下、左下ともカセットデンスケ。機器は全てソニー製の民生品。このあたりは講師陣にソニーの方がいたせいもあるでしょうが、いずれにせよこのクラスの機器が全て民生でまかなえ、街の電気屋さんで買えたのです。

第一代のアシスタント、西依ちづるさん。「オーディオ入門」で思い出すのは、内容より、この人の笑顔だったりするところが我ながら…。

二代目は檜作往子さん。


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松岡さんのオーディオ考古学で更に深い世界にひたる(サイト消滅)