石灰の必要性

酸度計

野菜が好む畑は一般的に弱酸性でPH5.5から6.5です。日本のように雨が多いと土に含まれるミネラル(石灰)が流出して酸性土壌になってしまいます。酸性土壌になると微生物の活動が低下、肥料成分の低下などがあり野菜の育ちが悪くなります。
そのため、野菜の栽培に石灰を施して酸性土壌を中和します。

しかし、たくさんの石灰を施すとマグネシウムやカリ成分が吸収しにくい土壌になってしまいます。

酸度計も園芸店で販売されており(3500円から5000円)くらいです。
余裕があって、自分がまめなほうだと思う方は購入しても良いとおもいますが・・・・。

お勧めは

前作の野菜が良くできたどうか、生えている草で土壌がどんな状態などで判断して石灰を施します。

石灰の種類

生石灰

石灰石(炭酸カルシウム)を高温度で熱すると分解して生石灰(酸化カルシウム)ができます。石灰石は昔に海の生物が堆積してできたものです。
生石灰は水と反応してかなり発熱します。そのことから乾燥剤、発熱を利用してのお弁当などに利用されています。

家庭菜園ではほとんど使われることはありません。

消石灰

消石灰は真っ白な粉末です。

生石灰(水酸化カルシウム)が水と反応してかなり発熱し、その後に残ったものが消石灰(水酸化カルシウム)です。消石灰は水に溶けて強いアルカリ性になります。
また、空気中の二酸化炭素と反応してカチンコチン(二酸化カルシウム)になります。
なので、広い菜園で菜園が酸性になっている等の場合に購入して使用します。
消石灰の分解が終わるまでに野菜の種まきは根が傷んでしまうので10日くらい待ってから行います。

小学校の運動会で線引きなどで利用されます。家庭菜園でも利用されますがあまり利用されません。
私も菜園を始めた頃に購入して使ったのですが・・・今、カチンコチンで物置にあります。私は勧めません。

苦土石灰

苦土石灰はグレーで3-4mmくらいの粒状です。

苦土石灰の苦土とはマグネシウムのことです。消石灰に野菜栽培に必要なマグネシウムを補給できて酸性土壌を中和することができます。粒状で販売されているのでカチンコチンになることは少なく家庭菜園では使いやすくマグネシウムも補給できるのでお勧めです。
苦土石灰も分解が終わるまでに野菜の種まきは根が傷んでしまうので10日くらい待ってから行います。

石灰窒素

石灰窒素は青みがかった粉末です。毒性があるので使う時はマスクや皮膚に触れないようにすることが必要です。

生石灰(酸化カルシウム)と窒素を混ぜて作ったもので土の水分と反応してシアナミドを発生します。シアナミドは毒性があり野菜の種まきはシアミドの分解が終わる(10日くらい)までできませんがこの毒性により地中の線虫類や雑草を抑えることができます。分解する時にアンモノア系窒素になるので刺激臭がでます。
取り扱いは難しく皮膚に直接ふれたり目に入ったりすると刺激性があります。そのため農薬として扱われます。

私はコンポストに生ゴミを投入する時に石灰窒素を混ぜると蛆虫などが湧かないとのことでコンポストに利用していましたが刺激臭と、石灰窒素も空気に触れるとカチンコチンになるのでやめました。家庭菜園では勧めません。

有機石灰

貝殻や卵殻を粉末にしたものです。酸性土壌を急激にアルカリ酸性にすることはなくゆっくりと効くいてきます。そのため野菜の種まき日に有機石灰をまいても良いです。
 有機石灰は酸性土壌だとアルカリ性にするための動作を行い、もともとがアリカリ性であればそのままです。なので、ゆっくり効くというのは・・・・あってるのかなです。
難点は高価です。苦土石灰の2倍くらいです。

過燐酸石灰

過燐酸石灰は苦土石灰と同じくグレーです。私は見分けられないです。

過燐酸石灰はリン酸肥料と思って下さい。リン鉱石を粉末にして硫酸とはんのうさせて生産されます。弱酸性を好む野菜に使用されます。(ほうれん草など)

石灰の使い方

それぞれに良いところがあります。
家庭菜園の利用でお勧めは苦土石灰と有機石灰になります。

消石灰、苦土石灰、石灰窒素は共通事項として、石灰を蒔いてから10日くらいは種まき/苗植え付けはさけたほうが良いですね。
私の見解になりますが、家庭菜園で使う石灰は
①石灰窒素は使い方が難しく、カチンコチンになるなどあるので使用しないほうが良いです。
②消石灰もカチンコチンになり、運動会などでも皮膚に触れると良くないと言われていますのでお勧めできません。
③苦土石灰は粒状で販売されておりカチンコチンになりにくく、微量要素で必要なマンガンを含み、粒状なので水に流されにくいなどあり家庭菜園では酸性土壌をあるかりに変えるために使う石灰は苦土石灰が良いと思います。
④有機石灰は長く効果がつづくことから畑がそれほど酸性でないなら有効だと思います。しかも、有機石灰の良いところは直ぐに種まき/苗植え付けができるのが良いです。

石灰と堆肥は一緒にしない。

畝を作る時に石灰と堆肥を一緒に蒔いて畝を作るのはもったいないです。石灰は分解するときにアンモニアを出して肥料の主要成分である窒素と反応して窒素成分が少なくなります。なので石灰を蒔いておいて、分解を待って(10日くらい)から堆肥等を土に混ぜて畝を作ります。

野菜の収穫が完了したら石灰をやろう。

上記のように石灰を蒔いてから10日、その後に堆肥をして10日後が種まきなどとすると種を蒔こうとした時に種がまけないです。なので収穫が完了した時に畑が酸性かどうかを見て石灰をまいておくと良いです。

酸性土壌かアルカリ性土壌かの見分け方

①酸度計なるものが園芸店で販売されています。土に差し込んでPHを測定します。
②畑に生える草を見て判断します。葉の細い草(スカンポ、ススキなど)が多い場合はアルカリ性、葉が丸い(ホトケノザなど)はアルカリ性です。