レスリングの師 カール・ゴッチ

 「プロレスの神様」と呼ばれ、今日の日本のファンの間では伝説のレスラーとなっており、UWFとも深い関わりを持つゴッチだが、現役時代にはその妥協のないファイト・スタイルが厄いし、実力通りの評価を得られることはなかった。
 カール・クラウザーのリングネームで日本プロレスに来日した際、まだ若手だった猪木はゴッチの試合を見て、その試合運び、フィニッシュとなった芸術品ともいえるようなジャーマン・スープレックス・ホールドに魅せられた。以来、猪木はゴッチのようなレスリングを目標としていくことになる。後にストロング・スタイルと呼ばれる猪木流ファイト・スタイルの原点である。
 また、新日本プロレスの旗揚げの際にはゴッチの全面的な協力が、猪木の大きな支えとなった。