UNヘビー級選手権

 1969年7月から猪木を中心とする中継がNETテレビ(現:テレビ朝日)で開始された。馬場のインター・ヘビー級に匹敵するシングル王座を猪木にも与えようという背景から、1971年3月26日、ロサンゼルスのオリンピックオーデトリアムで王者ジョン・トロスのNWA認定UN(ユナイテッド・ナショナル)ヘビー級選手権に挑戦し、第6代王者となった。
 フレッド・ブラッシー、ジャック・ブリスコ、フリッツ・フォン・エリック、ディック・マードックといった堂々たるレスラーを相手に4度の防衛に成功したが、猪木の日プロ追放に伴い、王座剥奪された。
 ベルトはその後、坂口征二、高千穂明久(ザ・グレート・カブキ)、ジャンボ鶴田らを経て、天龍源一郎の手に渡り、スタン・ハンセンの持つPWFヘビー級、鶴田の持つインター・ヘビー級と統一され、三冠統一ヘビー級選手権となった。その後、三沢、川田、田上、小橋の四天王が激しい争奪戦を繰り広げ、全日本の看板タイトルとなった。

1971年(昭和46年) 3月26日 米カリフォルニア州ロサンゼルス オリンピックオーデトリアム *第5代王者に
 アントニオ猪木(2−1)ジョン・トロス
  1.猪木(12分15秒 コブラツイスト)トロス
  2.トロス(11分48秒 体固め)猪木
  3.猪木(6分30秒 体固め)トロス
1971年(昭和46年) 5月31日 札幌中島スポーツセンター *初防衛
 アントニオ猪木(2−0)フレッド・ブラッシー
  1.猪木(14分0秒 反則)ブラッシー
  2.猪木(3分15秒 コブラツイスト)ブラッシー
1971年(昭和46年) 8月 5日 愛知県体育館 *V2
 アントニオ猪木(2−1)ジャック・ブリスコ
  1.ブリスコ(21分2秒 体固め)猪木
  2.猪木(7分50秒 原爆固め)ブリスコ
  3.猪木(1分37秒 コブラツイスト)ブリスコ
1971年(昭和46年) 9月 6日 札幌中島スポーツセンター *V3
 アントニオ猪木(1−1)フリッツ・フォン・エリック
  1.エリック(10分45秒 ストマッククロー)猪木
  2.猪木(1分10秒 体固め)エリック
  3.猪木(5分10秒 両者リングアウト)エリック
1971年(昭和46年)12月 4日 宮城県スポーツセンター *V4
 アントニオ猪木(2−1)ディック・マードック
  1.マードック(16分3秒 片エビ固め)猪木
  2.猪木(2分7秒 リングアウト)マードック
  3.猪木(3分27秒 体固め)マードック
*王座返上