アジアタッグ選手権

 東京プロレス崩壊後、猪木は日プロに復帰したが、当時、日プロに存在したタイトルはインターナショナルのシングルとタッグ、アジア・タッグの3つであった。インター・タッグは馬場、吉村組が保持、アジア・タッグは2番手のタイトルで、王者は大木金太郎&吉村道明組だったが、大木の交通事故による負傷で王座を返上、吉村のパートナーに猪木が抜擢された。
 1967年5月26日、札幌中島体育センターで行われたマイク・アーキンス、ワルドー・フォン・エリック組との王座決定戦に勝利し、猪木&吉村組は第19代王者となった。その後3度の防衛に成功、猪木は一気にスターダムにのし上がり、馬場とのタッグでインターナショナル・タッグ選手権を獲得。アジア・タッグは返上した。
 その後、猪木は金一(大木金太郎)とのタッグで第23代王者に返り咲き、パートナーを再び吉村に代えて第24代王者に。3度の防衛後、1度はコミッショナー預かりとなったが、再び、第25代王者となり、15連続防衛に成功。同王座史上のレコードとなっている。
 吉村とのアジア・タッグ選手権は通算で2年9ケ月保持。24戦22勝無敗2引き分けで、勝率は10割である。
 このベルトは以降、グレート小鹿、大熊元司の極道コンビの代名詞的なベルトとなり、その後はサムソン冬木&川田利明のフットルース、ダグ・ファーナス&ダニー・クロファットのカンナム・エキスプレス、タイガーマスク(三沢光晴)&小橋健太、小橋健太&ジョニー・エース、秋山準&大森隆男らが保持。全日で世界タッグに次ぐタイトルとなっている。

1967年(昭和42年) 5月26日 札幌中島スポーツセンター *王座決定戦で第19代王者に
 猪木 吉村(2−0)アイク・アーキンス ワルドー・フォン・エリック
1967年(昭和42年) 6月25日 松山県民会館 *初防衛
 猪木 吉村(2−1)スウェード・ハンセン リップ・ホーク
1967年(昭和42年) 7月 6日 大阪府立体育会館 *V2
 猪木 吉村(2−1)ダッチ・サベージ ディック・スタインボーン
1967年(昭和42年) 9月29日 札幌中島スポーツセンター *V3
 猪木 吉村(2−1)ターザン・タイラー リッキー・ロメロ
*インタータッグ王座奪取のため王座返上
1969年(昭和44年) 2月 3日 札幌中島スポーツセンター *第23代王者に
 猪木 金(2−1)トム・ジョーンズ バスター・ロイド
1969年(昭和44年) 3月 1日 愛知県体育館 *初防衛
 猪木 金(2−1)ネルソン・ロイヤル ポール・ジョーンズ
1969年(昭和44年) 7月 3日 蔵前国技館 *V2
 猪木 金(2−1)ブルート・バーナード クルト・フォン・ストロハイム
*金が王座返上
1969年(昭和44年) 8月 9日 愛知県体育館 *王座決定戦で第24代王者に
 猪木 吉村(2−1)クラッシャー・リソワスキー アート・マハリック
1969年(昭和44年) 9月14日 広島県立体育館 *初防衛
 猪木 吉村(2−0)ディック・ザ・ブルーザー マリオ・ミラノ
1969年(昭和44年) 9月27日 大阪府立体育会館 *V2
 猪木 吉村(2−1)バディ・オースチン ミスター・アトミック
1969年(昭和44年)10月10日 山形県体育館 *V3
 猪木 吉村(2−1)バディ・オースチン ミスター・アトミック
*外人組からのクレームで王座はコミッショナー預かりに
1969年(昭和44年)10月30日 岐阜市民センター *王座決定戦で第25代王者に
 猪木 吉村(2−1)バディ・オースチン ミスター・アトミック
1969年(昭和44年)12月 1日 広島県立体育館 *初防衛
 猪木 吉村(2−1)ドリー・ファンク・ジュニア ハリー・レイス
1970年(昭和45年) 1月11日 岡山県体育館 *V2
 猪木 吉村(2−1)ジン&オレイ・アンダーソン
1970年(昭和45年) 1月29日 愛知県体育館 *V3
 猪木 吉村(2−1)ボボ・ブラジル ジン・アンダーソン
1970年(昭和45年) 2月26日 大阪府立体育会館 *V4
 猪木 吉村(2−1)プリンス・イヤウケア ペッパー・マーチン
1970年(昭和45年) 3月 2日 広島県立体育館 *V5
 猪木 吉村(2−0)フリッツ・フォン・エリック ジム・オズボーン
1970年(昭和45年) 6月 8日 愛知県立体育館 *V6
 猪木 吉村(2−1)アサシンズA&B
1970年(昭和45年) 7月13日 札幌中島スポーツセンター *V7
 猪木 吉村(2−1)ムース・ショーラック ニック・コザック
1970年(昭和45年) 9月 5日 東京スタジアム *V8
 猪木 吉村(2−1)ミスター・アトミック プリンス・ピューリン
1970年(昭和45年)11月29日 札幌中島スポーツセンター *引き分け防衛V9
 猪木 吉村(1−1)ジョニー・バレンタイン ハリー・レイス
1970年(昭和45年)12月 2日 愛知県立体育館 *V10
 猪木 吉村(2−1)ジョニー・バレンタイン ハリー・レイス
1970年(昭和45年)12月 9日 岩手県営体育館 *V11
 猪木 吉村(2−1)ジン・キニスキー ハリー・レイス
1971年(昭和46年) 1月25日 熊本市体育館 *V12
 猪木 吉村(2−1)ビル・ドロモ リッキー・ハンター
1971年(昭和46年) 2月20日 大阪府立体育会館 *V13
 猪木 吉村(2−1)ミル・マスカラス ダグ・ギルバート
1971年(昭和46年) 6月17日 宮城県スポーツセンター *V14
 猪木 吉村(2−1)ブラック・ゴールドマン エル・ゴリアス
1971年(昭和46年)12月 1日 宮城県スポーツセンター *引き分け防衛V15
 猪木 吉村(1−1)ドリー・ファンク・ジュニア ディック・マードック
*王座返上