作者ご挨拶

 1996年1月4日東京ドーム、アントニオ猪木は、ビッグバン・ベイダーと壮絶な試合をやってのけた。「猪木って凄え!」猪木の全盛期を知らない若い観客はそう言っていた。
 私には信じられないことだが、今や新日本プロレスの会場でさえ猪木を知らない新しい世代のファンが大半を占めているようだ。確かに凄い試合ではあった。でも、数少なくなった猪木世代のファンは心の中でこう叫んでいたはずだ。「本当の猪木はこんなもんじゃない!」と。もちろん私もその中の一人だ。
 私が初めてプロレス会場に足を運んだのは、猪木対ブロディの初対決が行われた両国国技館だった1985年4月18日のことである。猪木がハルク・ホーガンのアックス・ボンバーに倒れ、闘魂神話崩壊といわれた後のことである。厳密には猪木の全盛期は過ぎていたといえるだろう。だから期待を裏切られることも多かった。それでもそんなことを上回る大きな夢と勇気を与えてもらった。
 今の猪木は、誰の眼にも体力の衰えは明かだ。「こんな猪木はもう見たくない」というファンもいる。私は様々な想いを経て、涙が出るほど哀しい思いをしたこともあるが、今ではファンとして猪木を追い続けてきて本当に良かったと思っている。私の中では、アントニオ猪木の最後を見届ける覚悟は出来ている。だからようやく猪木を暖かい眼で見ることが出来るようになった。あと何試合あるかわからない猪木がリングで闘う姿を 一瞬の夢と思って見守っていきたい。
 そして自分なりに、アントニオ猪木とともに生きてきたことの集大成に何かをしたいと思い、このホームページの制作を思いついた。私個人の勝手な思い入れも込められているが、楽しんでいただければ幸いである。

 このホームページをアントニオ猪木、ともに時代を過ごした猪木信者の同志たち、そして猪木を知らない新しい世代のプロレスファンに捧ぐ。

                           1996年 3月30日
                              TWC 小野正春