桜橋から武蔵野線を越えて北に歩いて行くと、川の両岸は工事中の芝川第一調節池です。 調節池は芝川の洪水防止が目的です。池の面積は両岸あわせて93ヘクタールで、最大貯水量は東京ドームの約4倍の550万立方メートルです。埼玉県南部河川改修事務所が1995年に着工し、30年後の完成を目指しています。 完成したら見沼自然の家も取り壊され、大きな公園になるんだとか。そして、川口自然公園近くの武蔵野線に新駅が出来るんだそうです。とは、地元の農家の方から聞いた噂です。 現在、工事中の芝川第一調節池の他に、大宮市に芝川第七調節池が完成しています。あと第二〜第六調節池が完成すると、見沼たんぼの開発規制が解除されるという当初の計画なんだそうです。 見沼たんぼの自然が注目されるようになった現在でも、この計画は生きているのでしょうか。計画が修正されて、自然と共存していけることを願いたいですね。 工事中の芝川第一調節池は、釣りと野鳥観察の絶好のスポットです。 今は、オオヨシキリをはじめ夏の野鳥が観察できます。 また、芝川沿いの溜め池では、コサギ、コアジサシ、カワウ等の野鳥が見られます。 溜め池では、沢山の釣り人に混じってバードウォッチャーや、野鳥写真家の方も数人見かけました。 じっと待っていると、コアジサシのダイビングもすぐ近くで見られますよ。 芝川第一調節池の中を流れる小川(さかいはし近辺)では、カワセミも見られました。 また、芝川から見沼代用水東縁に向かって、結構大きな鯉が上ってきています。(98年5月16日現在) |
【歴史】 「芝川」
芝川は、桶川市東方の台地を刻む侵食谷の谷頭を水源として、上尾〜大宮〜浦和市の東部を経て川口市領家で荒川に注ぐ、延長29キロメートルに及ぶ荒川水系の一河川である。享保十二年(1727)、井沢弥惣兵衛為永は見沼溜井の干拓にあたり芝川の旧河川を改修利用して沼水を排除した。翌年春には干拓が終了し、芝川は沿岸諸村5,200余町歩(約5,200ヘクタール)の排水路として利用された。更に、同十六年には見沼通船掘が開さくされ、見沼代用水路縁辺の村々から芝川、荒川を通って江戸の河岸まで物資を運ぶ内陸水路が開通し、米・薪炭・野菜などの運漕に利用された。 また、芝川の下流地域は、豪雨の際、しばしば湛水の害に悩まされたので、昭和40年、東側に新芝川放水路が造られ排水の円滑化が図られた。 |