カムチャッカ夏の旅(その3)
 
  2002年7月21日〜29日 

7月23日(火)

 目が覚めると外はすっかり明るく、寝過ごしたかなと思って時計を見るとまだ7時だった。起きて風呂に入り髪を洗いさっぱりした。8時半にモーニングコールがあった。昨日スヴェータが頼んでおいてくれたと言っていた。9時に同じ2階にあるカフェで朝食を取る。日本人ツアー客が10人くらいいた。他にも2人連れの日本人がいて、日本人ばかりだった。ウエイトレスに朝食券を渡すと、メニューを持ってきて選ぶようにとのことだ。朝食は4種類あり、私たちはカニと言う言葉がたくさん入った4番のメニューを選んだ。ジュース、ヨーグルト、カニ入り目玉焼き、カニとキュウリと貝柱のマヨネーズ添え、白いフランスパン、イクラののったオープンサンド、紅茶またはコーヒー。朝食は宿泊費に含まれているが、朝食券には150ルーブル(600円)と書かれている。ロシア人にとっては高い朝食だ。でも内容的には十分だった。部屋に戻り歯磨きをした後、アンドレイに電話した。彼の家はホテルの近くなのですぐに迎えに来てくれた。おみやげを持ってまず彼らの家へ。スヴェータの同僚のアレクセイも来ていた。アレクセイは朝鮮系ロシア人でおじいさんの代にソ連に来たそうだ。彼は全くハングルはわからず、外見は朝鮮人だが中身は完全なロシア人だ。車に薪や食べるもの(トマト、キュウリ、ハム、チーズ、魚の薫製、ウクロープ、ネギ、ペトルーシュカ)と飲み物(ウォッカ、ビール、水)を積み込んでマールキへ出発。アンドレイの車には私たちと彼らの娘のアーニャが乗り、アレクセイの車にはスヴェータが乗っていった。きれいに舗装された道を100キロ以上のスピードで飛ばす。もちろん高速道路ではない。空港のある町エリゾヴォで木曜日にのるヘリコプターの申し込みをしてきた。5人で870ドルだった。ヘリコプターでゲイゼルまで行き、そこを見学して、昼食も食べて帰って来るというツアーだそうだ。アンドレイもヘリコプターに乗るのは初めてだと言っていた。その後、買い物をしてくるアレクセイ達を待っている間、市場を見て回った。

  
   エリゾヴォの市場でリンゴを買う             キノコのような形の黄色の野菜

どこの市場も同じようなもので、たくさんの食料品があふれていたが、黄色のキノコのような形をした珍しい野菜が売っていたので写真に撮り、名前も聞いたのだが、メモしておかなかったのですぐに忘れてしまった。アンドレイにアイスクリームを買ってもらったが、1本20ルーブルもした。袋に入ったちょっと高級なアイスクリームだった。妻に市場で何か欲しいものはないか、スイカはいらないかと聞いてくれたが、リンゴ好きの妻は青いリンゴが欲しいと言い、青くて甘酸っぱいリンゴを1キロ買ってもらった。リンゴは1キロ15ルーブルでアイス1本よりも安い。スイカは丸い形のものが多く、どこから来るのかと聞くと、中国とかコーカサスから持ってくるそうだ。丸いものは中国からかもしれない。メロンは楕円形をした大きな黄色いもので、日本で売っているような緑色のメロンはなかった。アメリカンチェリーも売っていたが1キロ200ルーブルもしていた。ウラジオストクよりも20ルーブルも高い。買い物を済ませアレクセイと合流し、アーニャとスヴェータが交代して、私たちの車にスヴェータが乗ってきた。途中ピロシキを売っているところがあり、そこに止まってピロシキを買って食べた。中に入っているものはリンゴ、肉、キャベツ、ブルーベリー等々、何種類かあり、サイズも結構大きいので、私はリンゴのピロシキを買ってもらい妻と半分ずつ食べた。アップルパイを食べているような感じだった。アーニャはブルーベリーのと肉のと2個も食べていた。彼女のピロシキを食べてみるかと言われどちらも一口ずつもらったが、なかなか美味しかった。ピロシキにこんなにたくさんの種類があるとは知らなかった。トイレは道路からちょっと林の中に入って用を足すのがよいと言われ妻も何回か誘われたが、行きたくなかったので行かなかったのだが、屋外で用を足すのがイヤなのだと思われ、ピロシキを売っているところにトイレがあったのでスヴェータが連れて行ってくれたが、扉がなく囲いだけでとても汚かったそうだ。途中、景色の良いところで車を止めてくれて、写真を撮った。ペトロパヴロフスク・カムチャツキーから見える一番高い富士山みたいな山のカリャークスキー火山がとてもよく見えた。道路は途中から舗装していない道になり、ほこりをまきあげながらスピードも60キロぐらいに落として更に30分くらい行くとようやくマールキに到着。川が流れていて、そのそばに温泉が出ている天然露天風呂だ。川幅は6mくらいの小さな川だが、流れが速くて水が冷たいのでとても泳げない。川のそばにはいくつか露天風呂があり川の水を引いて温度調節をしている。お湯が地面から出ており、その上に座ったり、手を置いたりすると熱い。みんな水着を着てはいるので、男女混浴だ。女性はほとんどがビキニかセパレート、年輩のおばさん達はセパレートかワンピースである。私たちはテントを張り、その中で水着に着替え温泉へ。天気が良くて日差しが強いので全然寒くはない。

  
     マールキの天然露天温泉                   温泉の横の川

何回か温泉に入ったり、温まった体を冷やしに川に入ったりしながら露天風呂を楽しんだ。アレクセイは火をおこし、買ってきた魚(鮭の仲間でニェールカといい、鮭よりも身が紅い)でウハー(魚のスープ)を作ってくれた。ジャガイモ、タマネギ、魚、香辛料、ネギを入れて作る。

  
    ウハー(魚のスープ)                大きな露天風呂が二つあり、そのうちの一つ

持ってきたトマト、キュウリ、チーズ、ハム魚の薫製も出し、ウォッカで乾杯。食事の後は腹ごなしに散歩に。小高い丘の途中まで歩いていった。アレクセイが植物の説明をしてくれる。プーチカは葉の裏が手に触るとかゆくなるが、茎の下の方は食べられるとか、バラの仲間のトゲのあるシュポーブニカは実が食べられるが、まだ早いとか、カムチャッカの白樺は風が強いので幹がまっすぐに伸びずに、ぐにゃぐにゃに曲がっているとか。


  まっすぐに伸びない白樺

19歳のアーニャは退屈しているようで、持ってきたルーキ・ヴェールフのテープをカーステレオでがんがん大きな音でかけていた。マールキを出発したのは9時過ぎ。でも外はまだ明るく、途中夕焼けで紅く染まった雲のかかったカリャークスキー火山がきれいに見えた。


     カリャークスキー火山

アンドレイの家に着いたのは11時で、ちょっとコーヒーでも飲んでいかないかと誘われ、おみやげも渡したかったので寄っていった。アレクセイはもう遅いのでと帰っていった。私たちはおみやげを出し、これは誰にと言いながらアンドレイ、スヴェータ、アーニャ、サーシャへのおみやげを分けた。ホテルまで送ってもらって部屋に入ったのは12時5分だった。

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