J. S. Bach:イギリス組曲(第3,2,6番)/曽根麻矢子(cb))・・・秀作のデビュー盤
- 師であるスコット・ロスゆずりの鋭さ(楽器も引き継いで数年間、オーナーが手放すまで使わせてもらっていた)と確かな技巧、かつバランスを心得ている曽根麻矢子
さんのデビューアルバム
は、このうち第3番、第2番、第6番というセレクションだが、うまく考えられた構成。曽根さん自身の当時の演奏の清新なイメージにふさわしい第3番冒頭、フィナーレの重厚なプレリュードからはじまり傑作のジーグで締めくくられる第6番・・・いずれも、全曲収録の2枚組ハイブリッド(SACD+CD)盤
と対比すると、時とともに深みを増した変化がわかる。デビューアルバムは、これはこれとして完成された音盤という感がある。再発は1000円と安価なこともあるし、ぜひ一聴をお勧めします。(但し、音質はオリジナルプレス(WPCC-5711)
の方が良い。音に広がりがあり生き生きと感じられる。これは廉価版はプレス用のスタンパーまでに鋳型複製を1世代多く経ることが多いためピット形状が甘くなることが一因と思われる。盤面の番号も露光パターンで作る最近はわかりづらいが、活字鋳型で文字を打っていた一部の初期のCD盤では目視でも文字周辺の甘くなった形状から違いがわかることがあった。ただし最近は新技術を適用したリマスターが行われることがあるが、本件についてはそのような記載はなく、耳で聴く限り上記のような結果。なお蛇足ながら、この廉価盤のジャケットは、写真が白飛びしていておかしい。文字は、別のフォントで、オリジナルではSONEの綴りのうちEがフランス語流のアクセント記号つきだったのが、廉価盤では無くなっているので、丸ごと複製復刻ではなく写真は別に加工しているとわかる。写真の不具合は、その再処理が悪かったか。)
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