ExpandedBook Attendant
−98年11月のテキスト−


981125.水曜日

【メディア「浸食」の日々】

『スレイヴ』でおなじみの畑仲徹雄さん。Web で連載中のコラムが紙の本として出版されることになりました。この『メディア「浸食」の日々』を出版するのは株式会社パレード。大阪に本社を持つこの新進気鋭の企業の出版事業第一弾なのである。

パレードのホームページの、P.press のページを見てニヤリ。今月に入ってから、ポシブルブック倶楽部のメーリングリストで活発な議論が展開していた自費出版の現状や「ネットにはよいものもあればよくないものもある」といった話が、まるでシンクロニシティのように取り上げられています。パレードの方たちは、それらの悲喜交々(?)をまとめて受け止めて、事業としてチャレンジしようとなさっているようです。

ちょうど、ポシブルブック倶楽部のメーリングリストで盛り上がっていた話題と呼応するようにそのサイトと出逢ったわけです。不思議な結び付きを感じずにはいられません。

ちなみに畑仲さんの最新コラムで、ポシブルブック倶楽部のことが紹介されました。畑仲さんありがとう。

Press Room 最新コラム:ネット上の作品が陽の目を見る日


981124.火曜日

【ある崖上の感情】

青空文庫に梶井基次郎の『ある崖上の感情』が公開された。思うところあって校正を手伝わせてもらった作品です。ぜひ読んでください。

それにしても、ここ最近の青空文庫は、エキスパンドブック版のデザインが光ってますね(^_^)


981118.水曜日

先日公開した出逢い文集、読んでくださった方からいろんな感想をいただいています。やっぱり反響があるとうれしいですね(^_^)

若干のミスを御指摘いただきましたので、修正版を公開しました。この書き込みを読む前にダウンロードされた方は、お手数ですが再度ダウンロードして入れ換えてください。

ところで今月のマックライフ、T-Time Lite が収録されているようですね。他の雑誌でも収録されているかな。発見された方、ご連絡ください。特にWindows関係の雑誌で発見された方、お待ちしてます。


981115.日曜日

【ポシクラWeb 再始動】

ポシブルブック倶楽部のホームページを、久しぶりに更新しました。

【出逢い文集、ドラフト版ebk を公開】

「あなたのエキスパンドブックとの出逢いは?」をテーマに、メンバーのみなさんから作文を募集しました。今回はドラフト版をエキスパンドブックで公開。ttz 版も制作中です。

【リニア?それともノンリニア?】

例えば ttz で短編集を作ろうと思うと、そこに収められている話はリニアな構造になってしまう。ひとつのファイルは、原則的にリニアなつながりを持っているから、これはしかたがない。この構造は、エキスパンドブックも同じことだったが、たとえば目次パレットや専用の目次ページが作りやすくなっていたことで、ノンリニアなアクセスを補助するしかけが用意されていた。T-Time は自分でリンクを埋め込まなくてはならない。T-Time でこれと同じ事を実現するには、どうしたらいいのだろう。

ひとつには、いま話した html でファイル内のジャンプ用リンクを埋め込むことだろう。ttz で効果的なレイアウトデザインを施そうとすれば、いきおい html の習熟が必要になる。ぼくにはこれがちょっとしたハードルになっているのだが、反対に新鮮な気持ちで学習を進めている。おそらく html を使ったリンクという手法は、ttz ファイルをひとつにまとめたい場合にはポピュラーな方法になるだろう。

つぎに考えられるのが、ファイルを分割してしまうことだ。目次 ttz ファイルがあって、そこからそれぞれの ttz ファイルがリンクしているような構造。html を応用しているという意味では、このほうがわかりやすい。ページによって背景を切り替えたいといった場合には、これ以外の選択肢はあり得ない。ただし、ファイルが分割されるということは、それだけ管理が煩雑になるということを意味している。

ぼくにはまだまだ「一冊の本」という考え方が頭の中にこびりついていて、ttz が細かいファイルの集合体によって成り立つ場合もあるということに若干の抵抗を感じているのかもしれない。

最後に、これは小手先の技だけど、それぞれの扉ページに付箋を貼り付けてしまうという方法もあるだろう。

こうして考えていると、エキスパンドブックのフローという考え方はじつにおもしろい構造をしていたと思う。逆に、T-Time の割り切りもまたおもしろい。実際「フローって何だ」っていうのは、なかなか分かりにくいところがあるからね。

もし T-Time 用のオーサリングツールが必要だとしたら、これらのリンクを管理したり組み立てたりすることを補助するインターフェースということになるだろう。 T-Time は IMG タグを使って画像をページに表示されることができるが、そのためにはやはり html を書かなければならない。画像ファイルをドラッグ&ドロップすると、それは背景イメージとして認識されてしまうからだ。html を自動的に生成してくれるツール……それが T-Time に組み込まれるべきなのか、あるいは、数多ある html エディタを使いこなしていくだけでよいのか、あなたはどう思う?


981113.金曜日

【朝日新聞でスレイヴが紹介された!】

話題のドネーションウェア小説『スレイブ』が朝日新聞で紹介されました。もうデカデカと取り上げられています。「定価に印税のせません」「面白ければ直接作家へ」など、刺激的な見出しが紙面を飾っています。畑仲哲雄さん御本人の顔写真と、紙版とエキスパンドブック版の表紙がそれぞれ載っています。

畑仲さん御本人から聴いたところでは、記事は大阪本社版だけで、中四国や夕刊のない地域は本日13日の朝刊、近畿圏はの13日夕刊に掲載されたとのことです。広島の LUNA CAT さんが、朝いちばんで教えてくださったので、広島方面では朝刊に掲載されたのでしょう。大阪在住の僕は、夕刊で確認しました。

畑仲徹雄さんのホームページ「Press Room」明朗にこにこ会計のコーナー

ちなみに今発売中の ASAHIパソコンでも畑仲さんのお姿を拝見できるらしいぞ。本屋で探したけど、なぜかどこも置いてないの。もう売り切れ?

9月に発表したスレイヴの書評はこちら


981111.水曜日

マルチメディアグランプリにて T-Time が教育・教養賞を受賞】

やりましたね。ちなみにパッケージ部門アート賞を『クラスターワークス』が受賞しました。ボイジャーのみなさん、祝田さん、おめでとうございます!

【謎は深まる『プリンセスO』

来年2月の横丁で発売予定の浮世絵太郎氏の新作『プリンセスO』。著者自らの情報ページが公開中です。

O姫のライバルがU嬢? ひょっとして二人はを奪い合う仲だったりして…。


981110.火曜日

ukiuki さんこと浮世絵太郎氏の『八方天』『クリスマス異聞』『アトミックビーチで抱きしめて』の ttz 化が完了したらしいぞ。それぞれに加筆修正が施されているそうなので、エキスパンドブック版を読んだあなたももう一度読んでみる価値おおありだぞ。とくに『アトミックビーチ…』は現在絶版の幻の作品で、しかも結末が書き加えられているらしい。早く公開されるといいね。


981107.土曜日

CD-ROM Fan の最新号、「本屋で手に入る CD-ROM」のコーナーに『インターネット快適読書術』が紹介されていました。

まだ未見なんだけど、『プロフェッショナルDTP』の最新号の特集は「電子出版の行方」だそうで、ボイジャーの北村礼明さんのインタビューが掲載されているそうです。猫乃電子出版の田辺浩昭さんも「これから求められる新しい電子出版ツール」という記事を寄稿されているそうな。田辺さんは、NHKの取材を受けたり、けっこういろんな所に露出されていますね(^_^)


981105.木曜日

【Hot WIRED に富田倫生ロング・インタビュー】

〜テキストを「本の神」から解放するために〜
ネットワークされたコンピュータで文章を読む/書く/交換するという
行為は本質的にどういう意味を持っているのか? 紙から逃れ、そして、
今度は「本」という様式から自由になろうとしている「テキスト」の変
容を、実践的に追いかけるフリーランス・ライターに訊く。
(Hot WIRED より)

富田さんの男前がたっぷりおがめます。

ちなみに、 T-Time に取り込みやすいテキストページはこちら

これでボイスデータがあって、富田さんの味わい深い語りが聞けたりすると最高だろうなぁ。次にお会いできるのは、来年2月のマックエキスポかな。

快適本サポートページがオープン】

『インターネット快適読書術』のサポートページが公開されました。

「ウェッブページを画像ごと T-Time で表示する」方法や、「T-Spoon 抜きでソースファイルを整理する」方法など、いろんな情報が集められています。

「T-Time関連情報の置き場の一つとして使ってください」との富田さんからのメッセージをいただきました。みなさんも、何か T-Time について発見したことや感想、疑問点などあったら、このページに投稿しましょう。


981103.火曜日

【エキスパンドブック横丁 on Web 終了、デジタローグは8日まで】

というわけ。君は買った?

ポシブルブック倶楽部メンバーのつくいのぼるさんがデジタローグギャラリーでの横丁レポートを公開してくださいました。つくいさんありがとう。


981101.日曜日

【T-Time の最前線を知るチャンス】

「日本語の文字と組版を考える会」の第12回公開セミナーは T-Time 者必聴かもしれない。題して、

「“新しい読書”をめぐって−意義と意地」

開催日:12月6日(日)12:00開場 12:30〜16:30
会場 :シニアワーク東京・講堂
    (JR飯田橋駅から徒歩6分、千代田区飯田橋3-10-3)

講師 :富田倫生さん(青空文庫)
講師 :萩野正昭さん(ボイジャー)
講師 :松本功さん(ひつじ書房)

T-Time の三親分が熱く吠えるというわけだ。残念ながら大阪から遠征するだけの軍資金がどこにもない。関東在住の君は、行ってきてレポートをよせてほしい。

●申し込み方法(電子メールかファクス)

申し込むセミナーの日付、フリガナ、名前、新郵便番号、報告書送付先住所(自宅/職場)、連絡先電話番号、連絡先ファクス番号、連絡先メールアドレス

を記して下記宛先に申し込む(定員を超えた場合のみ、断わりの返事がくるそうだ)。会費は2,000円(報告書作成・送付費含む。当日会場精算)。

問合せ先:「日本語の文字と組版を考える会」事務局
電子メール:
moji@pot.co.jp
ファクシミリ:03-5496-9672/03-5229-8047

【EBを Mac OS 8.5 に完全対応させる】

アプリケーションメニュー切り替えのキーボードショートカットは、簡単に変更できることが分かりました。

この方法はデジクリのまつむらまきおさんの連載で知りました。まつむらさん、ありがとう。

1.Finder でヘルプセンターを呼び出し、「アプリケーションメニュー」で検索。

2.「使用するアプリケーションプログラムを切り替える」を選ぶ。

3.説明文の下の方に「教えて!キーボードショートカットを変更する」というリンクがある。これをクリックすると、ショートカットの設定を変更するAppleScript が起動する。

ぼくはこれで option + 1 に設定しました。


ポシブルブック倶楽部へ

美しい暦へ