今から2万年近く前、地球は厳しい寒さに包まれ南極・北極・高山の上に厚い氷河が凍りつき、海は氷河に水を取られて今より百何十mも海面が低くなっていました。日本はアジア大陸とつながった半島で、ナウマン象やそれを追う人々が行き来していました。寒さがピークを過ぎ、一転して暖かくなってくると、氷河が溶け、川を流れて海に注ぎ、海面がしだいに上がり、日本は大陸から切り離され「日本列島」となりました。
上がり始めた海面の勢いはそれでは止りませんでした。例えば関東地方を見ましょう。極寒期には東京湾が陸地になり、利根川・荒川・多摩川を合わせた大河が深い谷を刻みながら流れていましたが、東京湾が復活し、さらに谷に沿って現在の栃木県まで海が進入していきました。この現象を「縄文海進」と呼びます。 そして、目の前に広がる海に目を付けました。
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