●日本ツキノワグマ研究所から緊急のお願い

日本ツキノワグマ研究所 代表 米田一彦

 日本ツキノワグマ研究所では1997年より、韓国環境部の依頼により、同国(大韓民国)南部に位置する智異山(ちりさん)国立公園でのクマ生息調査を実施してきました。
 韓国内のツキノワグマの生息状況は、国内全体で20〜30頭で、一番多く生息する智異山でも孤立個体群となり、5〜7頭と推定されました。
 この調査には、日本の熊研究者22名(韓国側約170名)が参加し、痕跡調査から得られた結果です。
 韓国環境部は、絶滅への危機感から、昨年から調査を開始したのですが経済的困難、大型哺乳類の調査、保護管理技術の蓄積が無いなど、遂行が困難な、状況となっています。
 そのため日本に支援を要請してきたのですが、日韓の過去、現在の状況を考えるとき、その心情は察するに余るものがあります。
 韓国環境部(環境省)自然保全局長は、支援を要請すると頭を下げられました。
 それに応えるために私は、今、日本国中頭を下げ回っています。それが、市民の小さな外交と思います。
 その具体的な内容として、日本の環境事業団の地球環境基金に助成を要請したのですが、[相手が韓国だから、それ一点です]と、不採択となりました。
 同基金しか予定になかったので、私は危機を感じ、国会議員に依頼し、かなり高度な政治折衝に持ち込みましたが、環境庁のトップの説明によりますと、韓国が昨年OECDに加盟した段階で、日本からの無償の技術援助はすべて中止したとのことです。
 誠に、国と国との間の問題は、一介の熊追いの理解を越えます。
 韓国環境部も日本の環境庁へ、技術支援を再三要請し、自然保全局長が4月に要請のため来日しますが、今のところ公的な支援がされる可能性は有りません。
 韓国のツキノワグマの絶滅は、ここ3年が重要な局面です。
 一義的には、ここまで現状を放置した韓国側にも責任が有りますが、要請を断った日本にも、地球的視野からは、責任があると思います。
 アジア固有のツキノワグマの調査、管理技術は日本にしか無く、相手の韓国は、今未曾有の経済困難に遭っているのです。
 皆様に同国(大韓民国)での調査、保護管理への支援を要請します。
 ■お問い合せ先
 〒738-0301 広島県佐伯郡吉和村1107
 日本ツキノワグマ研究所 / 米田 一彦(まいた かずひこ)
 TEL&FAX 0829-77-2080
 ■寄付金、義援金の送り先
 口 座 名:広島クマ研究会 代表 米田一彦
 口座番号:0983786
 郵便振替口名
 口座名 日韓ツキノワグマ共同調査プロジェクト
 01340−2−13473

 私こと、韓国での活動や、西中国での活動に対し、ドイツの自動車メーカー、オペルから、『冒険大賞パイオニア賞』を受賞しました。賞金は全額、韓国での調査に使います。
 3月12日、大日本図書より写真絵本『まるきばしをわたる動物たち』(¥1,333)を出しました。
 今年の5月の末、(社)農山漁村文化協会から『クマの生態と被害防除法』が出ます。
 私が行ってきたクマの保護管理実践の集大成です。近々、さらに別の2冊の本を出す予定です。
 皆様の応援、支援をよろしくお願いいたします。

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