本キットは,「International Partnerships Among Museums (IPAM) 1999-2001サイクル」により,ロスアンゼルス郡立自然史博物館教育部と共同で開発されているものです。IPAMはアメリカ博物館協会(American Association of Museums)により運営され,予算は米国務省教育文化局(The U.S. Department of State)から支出されています。

トランクキットについて

 このトランクキットに添付されたファクトシートの内容は,小学生高学年(5,6年生)を想定して構成されています。それ以外の学年で活用される場合は,多少のアレンジが必要となります。
 平成14年度から実施される,「総合的な学習の時間」でもぜひ活用下さい。

先生方へ

 このトランクキットの目的は,1) 日本最大の大型食肉類であるツキノワグマについての正しい生物学的情報,2) ツキノワグマと限定的な利用可能土地空間の中で共存するための方策,3) ツキノワグマと不用意に出会わないようにするための方法,を子ども達に知ってもらう適切な機会を提供することです。トランクキットを利用する先生方が,簡単な事前学習で活用できるように工夫されています。
 授業の進め方のヒントは,同梱したファクトシートの中に書かれていますので,ぜひ授業で活用下さい。もちろんだからといってその内容だけにとらわれる必要はありませんので,ヒントを元にして自由に授業を組み立てていただいても結構です。大人向けの参考書も入っていますので,参考にして下さい。インターネットで閲覧できるクマに関するウェブサイトについても,同梱したフロッピーに収めてありますので,調べ学習で活用下さい。
 クマとの共存について考えるときは,日本での現実を客観的に子供達に伝える,そのことについて子供達がどのように考えるのかについて皆で討議する時間をつくってあげて下さい。共存のための答えはひとつではなく,多様な考えがあっても良いと思います。地方の人,都会の人,大人,子供がそれぞれの立場で,何を考えるべきなのか,何ができるのか,何をすべきなのかを,子供達が自分なりに考える機会を提供してあげて下さい。
 このキットはまだ完成されたものではありません,さらに内容を充実させるために,ご意見をいただければ嬉しく思います。 

ご注意

 キットに使用されている標本の多くは,実物標本です。取り扱いには充分に注意下さい。児童には,実物標本の持つ意味(たくさんの情報をもたらしてくれるが,二度と入手はできないものであること)をはじめに教えてあげて下さい。
 またそれぞれの映像,印刷資料,研究データの一部または全部の無断での複写複製はできません。

トランクキットの内容について

トランクキットの貸出について

2001年度トランクキット貸出の実績

貸出先 使用目的 期間
茨城県つくば市立吾妻小学校 授業 2000.5.20-5.30
長野県松本市立旭町小学校 授業 2001.1.17-1.25
長野県松本市立旭公民館 講座 2001.1.26-1.31
三重県四日市市北部児童館 学習会 2001.2.16-2.18
静岡県芥田学園中学校・高等学校 授業 2001.3.9-3.17
鳥取県氷ノ山自然ふれあい館 特別展示 2001.7.18-8.20
ボーイスカウト水海道第1団 研修 2001.9
兵庫県吉川町立みなぎ台小学校 授業 2001.10.27-10.24
東京都立池袋商業高等学校 授業 2001.1111-11.25
特定非営利活動法人 Knots セミナー 2001.11.30-12.4
兵庫県立村岡町立兎塚小学校 授業 2001.12.10-12.28
愛媛県ネイチャー企画 環境教育 2002.1.14-1.28

小学校授業での実際の使用風景

ツキノワグマ(クマ科),キツネ(イヌ科),オオヤマネコ(ネコ科)それぞれの食肉類の頭骨を使い,臼歯の形の違いから,何を食べているのかについて話し合う。 自動撮影された野生のツキノワグマの姿に見入る子供たち。机上には各種頭骨,ツキノワグマ毛皮,ツキノワグマのシリコン製足型などが置かれている。
クマは必要ないというグループ,クマは必要だというグループに分かれてディベートを行っている。小学生であるが活発に自分の意見を発表する。 調査研究用のラジオテレメトリー首輪をかぶって歩き回る子供。
歯科医用のシリコンを使用してクマの足型を作製している風景。

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