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イタリア マテーラ(1)奇妙な街

 イタリアの内陸部に向かってバスは進みます。半島の中ほどにマテーラという町があります。この町はバジリカータ州に位置しています。 なぜこの町を訪れるのかというとこの町はとても特徴的な町なのです。写真を御覧頂くと何となくお分かりになるかもしれませんが、家が妙に密集しているのです。このマテーラという町はくぼ地のような土地 の壁に沿ってたくさんの家が立体的に積み重なったというか、積み上げたというか、とにかく家の屋根の上にまた家があるという構造をしています。これら洞窟住居群はイタリア語でサッシ(sassi)と呼びます。この街の全景を御覧いただけないのが残念です。 ともかく信じられないような構造をしていることで有名なのです。
 さっそく新市街からこの旧市街へと足を運びます。新市街は取り立てて珍しい景色ではありません。イタリアのごく普通の町並みなのです.新市街にある広場(ビットリオ・ベネト広場)に面した入り口は地下へと下りる階段のようで、そこを下りると 地下のかなり古い教会跡があり、まもなくこの町並みが目に飛び込んできます。 まさに景色は一変します。地下に降りたにもかかわらず、この町並みは更に下のほうに広がり、あたかも谷間の壁に張り付いたように家が並びます。そして道はその町の中へと 伸びているのです。石の階段を降りていきます。なんだか町全体が作り物の街のようで不思議な感覚があります。夏の真っ盛りだったので白っぽい石は太陽の光を照り返し、気温は新市街より高くなっているのではないかと思われるほどです。 道を歩いているのかと思うとそこは実は他の人家の屋根の上だったり、家と家が融合していて、どこからどこまでが一つの家なのかすらわかりにくいのです。
 

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