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16 アクセント(2)

 日本語のアクセントは高低アクセントでかなり明瞭に確認することができます。しかしソウルや平壌などの朝鮮語はよく言われるように平坦に発音しても意味の取り違えがないことから強い高低アクセントはないようです。例外は釜山などのある慶尚道方言などで、既に述べたように高低のアクセントを確認することができます。しかしそれ以外の地域の多くはそのようなアクセントを確認することは殆どできません。強いアクセントではなく抑揚といった方が近いでしょう。
 興味深いのはソウルで耳にする朝鮮語と平壌で耳にする朝鮮語の音の上がり下がりのパターンが違うことです。ソウル方言と黄海道方言の違いなのでしょう。

「ムオシ イッスムニカ」という文章を例えに取ると、特に最後の「イッスムニカ」ではソウルでは「イ」が最も高く「ニカ」が徐々に下がっていきます。しかし平壌などでは「イッスム」までが低く、「ニ」が急に高く発音され、「カ」が再度下がるものの「イッスム」の高さまでは下がりません。

また、「は」に相当する「ヌン」ではソウルでは最後がいくらか下がるか強調するときに上がることが一般的ですが、平壌ではわずかに下がり気味という程度に発音されます。しかもすこし引っ張るような感じで発音されます。

 これらの違いは最初は戸惑いました。平壌ではソウル風に発音すると不思議な顔をされ、上手く聞き取ってくれませんがこの上がり下がりを平壌風に変えると途端に聞き取ってくれるのです。

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