EARLY石川賢の部屋-3-

小学館「サンデー」系
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特訓!とっ君
〜週刊少年サンデー 1971.週刊少年サンデー夏の増刊号
(単行本未収録)

「少年サンデー」といえば、賢ちゃんは『風魔狐太郎』『ウルトラマンタロウ』『ゲッターロボ』と連続して作品を発表した雑誌だが、この増刊号が初登板。「栃木ケンの生んだ天才まんが家石川ケン」というアオリで登場。トビラにでっかくでっかく載ってる男の顔を見れば分かるんだが、『あしたのジョー』のパロディをやろうとしてバイオレンスとサディズムが溢れた結果、そういうコトはとりあえずどうでも良くなっている「ちょっとひどい」ギャグマンガ。

田舎からサクセス目指して上京した主人公が、厳しいシゴキに耐えて晴れてデビューするも…というハナシ。シンデレラボーイを目指した少年が、「死んでれら」となるというダジャレがオチ。ひどい。ひどいが師匠豪ちゃんが初期ギャグでやっていたバイオレンスな方向を、更に執拗な描きこみでパワーアップしたような、いかにもなケン・イシカワイズムである。(直接関係はないだろうが、後の1977年に「死んでれら」って殺虫剤のCMコピーで流行するのよね。やっぱ時代を突き抜けてるぜ!ケンアニィ!)


せっちん谷の大決闘
〜週刊少年サンデー 1971.9/19(39)号〜
(単行本『それゆけコンバット』『荒野の出前もち』所収)

単行本『コンバット』中、表題作の次に古い一品。 これまたウエスタン。はっきりアオリに「埼玉版・かけそばウエスタンだ!」 と謳ってます。幌馬車がボンネットバス。狂言回しのバスガイドが、石川女性キャラに しては妙に立ってるのが珍しい。


夏休み最終便
〜週刊少年サンデー 1972.8/1夏休み増刊号〜
(単行本『荒野の出前もち』所収)

副題「 夏のグアムに白クマを見た!」 (笑)...これは忍法もウエスタンも出てこない 初めての作品では?
夏休み、小学生?のトンボとルミ子が気球を密かに作ってグアムを目指す! ところが『ハレンチ学園』の山岸そっくりの悪ガキがかんできて...。 キャラ作りは豪ちゃんを意識してるように見えないこともないが、この 悪ガキに名前がない辺りが、 正調石川節ですねえ(笑)

んで、気球は結局北極へ流されて、日焼けするつもりがシモヤケだらけになる ...というオチなんだけど、このとんでもないトコロへ旅 しちゃうって設定がもしかして、ディスカバー・ジャパンの時代に 『リョコー少年団』や『フィーバートラベル団』に結実するのかも。


トックン輸送隊
〜週刊少年サンデー 1973.8/10夏休み増刊号〜
(単行本『それゆけコンバット』『荒野の出前もち』所収)

サンデーの定番「フレッシュギャグ4人集」として登場。 埼玉農協から街まで野菜を届ける 間に、ネイティヴアメリカン風の主婦連合が襲ってきたり、実は道連れの女の子が スパイだったり...状況をぶっ飛んだ設定にしてギャグに 見せかけつつ、ヤリたいことをヤル ってえのは師匠ゆずりか?

「トックン」てのは主人公の名前。俺が未だ読んでない作品に『トックン!特訓』 がありますが、もしかしたらシリーズなのかも。

野菜をぶんどる女の子の攻撃が忍法。「買い占め忍法乱れ打ち!」なんつって 円を投げて、切れたらドル投げて、それでもダメなら「金」!これがオチになるん すが、金本位・固定相場制の時代だったんですなあ。


ボインパイヤー
〜週刊少年サンデー 1974.9/5ギャグとスポーツまんが特集号〜
(単行本『それゆけコンバット』所収)

『ゲッターロボ』連載中の読み切り。満月の夜に狼になる 「バンパイヤ」のメスのハナシ。「ボインパイヤー」はなにするかというと... 「ブルンブルンボイ〜ン」と効果音 とともに出現、

彼女は今日も満月に乗ってやってきた!
そのあぶらののりきった肉体 を武器に!...キミを!!
キミをたぶらかしに

んで、彼女の体の絵に。ゆれる おっぱい ブル ブルン!
おヒップ
(死語...だけどカンジなのよ) プリンプリン!

なんと、「ボインパイヤー」は、 美少年をたぶらかすだけ (笑)の主人公という...だったら別にやらせときゃいいんじゃねえか? というツッコミは野暮ってもんよ!オチ?気にすんな!

恐竜帝国が泣くな、きっと(笑)


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