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そして、三重子がデビューして10年が経った。テイチクとの契約が切れ、85年に東芝EMI
に移籍することになった。東芝EMIは超大手のレコード会社で、所属する人気アーティスト
が多数いる。またカバーするジャンルも多い。はたして三重子の活躍する余地はあるのか、
小生は大いに不安になったものだ。
ちょうどその時期に、「山口さんちのツトム君」で大ヒットを出した、みなみらんぼう氏が「N
HKはつらつスタジオ505」の新ラジオ歌謡コーナーで「時計を見ないで」を歌うことになり、そ
の相方に三重子が選ばれた。みなみ氏は以前から三重子の歌が好きで注目していたので
ある。そして、三重子としては初のデュエット曲を歌い、「時計を見ないで」はRCAレコードか
ら発売された。
85年12月、三重子は新宿シアターアップルで「時忘れコンサート」を行った。偶然にもその
直後に、今度は蓑谷雅彦氏とデュエットすることになり「円舞曲」を歌った。こちらはミュージ
ックテープとして発売された。
その後、三重子は「時計を見ないで」のキャンペーンでみなみ氏と日本各地を廻った。それ
にしても85年という年は妙に多忙な年になった。
さて、東芝EMI移籍第一弾としてLP「SHADOW」を発表した。
ここではまたまた変身したというべきか、以前のしっとりした曲調に戻った感があった。テ
イチク時代は自分のやりたかった音楽をやってきたが、三重子は電気楽器の音に疲れてき
ていた。このLPでは、電気楽器は意識的に全て排除した。
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